SKY NOTE

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野田の嘘だらけの大飯原発再稼働演説を可能とする記者クラブ制度(2012.6.9)

野田の原発再稼働演説を聞いて思ったことは、「よくこんな嘘がヌケヌケと言えるな」ということだった。すべての言葉が全くの嘘、野田が「安全が確認された」という原発に対して、NHKの世論調査によると57%の国民が「安全対処できない」と結論づけている。つまり、6割近くの国民に嘘が見破られている。

それに野田は「専門家による40回以上にわたる公開の議論を通じて得られた知見を慎重には慎重を重ねて積み上げ、安全性を確認した結果であります」と言っているが、専門家は、そんなこと言っていない、国の原子力委員会によると、安易な原発再稼働で「10年以内に過酷事故(シビアアクシデント)を起こす可能性がある」といっているのだ。

 安易な原発再稼働で「10年以内に再び過酷事故」という原子力委試算(2012.1.24)
 http://www.fsight.jp/article/11147
 ビジュアルで説明すると、こんなかんじ
 
 
 耐震基準も十分ではない
  原発の耐震性能と、最近の地震の揺れの強さ(ガル:揺れの加速度を示す単位)
   福島第一原発   : 600ガル(設計基準:実際には460ガルで壊れた)
   ストレステスト  : 700ガル(近年の地震に対し、あまりにも過小な基準)
   阪神大震災    : 818ガル(1995年)
   大飯原発     :1260ガル(3〜4号機 耐震性能)
   新潟県中越地震  :2516ガル(2004年)
   東日本大震災   :2933ガル(2011年)
   岩手・宮城内陸地震:4022ガル(2008年:観測史上最高/世界最大)

    • 過去10年に大飯原発の耐震性能を超える地震が3回も起きている。つまり、原発は日本の巨大地震によって壊れる。

推進派の一角である原子力委員会ですら、現在の原発の再稼働は危険であると忠告しているのに、それを「専門家によって...安全が確認された」と国民に大嘘をつく野田佳彦とは何なのであろうか?原子力委員会が、ここで本当のことを言うのには理由がある。なぜなら、もう一度、福島第一原発のような事故を起こせば、専門家として言い訳が効かない。今度こそ責任を問われて、刑罰に処せられるのが原子力委員会である。場合によっては死刑になるかもしれない。故に彼らは本当のことを言わざる負えない。その彼らが安易な原発再稼働は10年以内に過酷事故を起こす可能性があり、危険であるといっているのだ。これは重く受け止めなければならない。

それなのに、野田が「安全が確認された」と嘘がいえるのは、そもそも、マスコミが野田を攻撃しないからである。元マスコミ出身の木下黄太氏の意見によると、マスコミがそういう事をするのは、今までさんざん間違った情報を流してきて、今更、間違ってましたと報道することを彼らは恐れているのだという。つまり、本当のことを報道すれば、野田のみならず、自分達にも批判の矛先が及ぶことを恐れているのだという。

こういうことを恐れていられるのは、記者クラブ制度があるおかげである。というのは、日本の大手メディアが記者クラブという談合体質で横並びをしている限りにおいて、世論を一定方向に固定しておくことが可能だからである。報道が横並びでない他の国では、どこかで抜け駆けする会社が必ず生じて本当のことを報道しはじめる。すると、嘘がバレた他の新聞やテレビは仲間のメディアに糾弾され、本当のことを報道せざる負えない状況に陥る。これが普通の国の普通のジャーナリズムなのだが、日本は、メディアが談合体質で横並びだから、抜け駆けするものがおらず、皆で最初に嘘をついてしまうと、その嘘を是正する自浄作用が全く働かない。よって、野田がああいう嘘だらけの演説が出来てしまうのである。(ある意味、この誤報糾弾があまりにも少ないからこそ、日本のマスコミは正しいんだと信頼されている。実は誤報を流していても、それが批判されないだけなのだが...)

ネットでそういう嘘が見破られてしまっているが、ネットの届かない場所、老人とか、大手テレビ局(NHKを含む)や5大新聞を、信じている人たちにとって、彼らの報道こそが世界であり、また、そうでなかったとしても、それ以外に有用な情報が見つけられないので、結果として、野田に対する批判自体も弱い、国民の命の掛かった原発再稼働という重要事項について、嘘だらけの演説をした段階で政権が転覆するレベルである。でも転覆しないのは記者クラブ制度によって、メディアが、その嘘を糾弾しないからなのである。本来は普天間問題で、鳩山首相を追い落とした時くらいの批判報道がされてしかるべき内容だ。(普天間報道は不当だったが、記者クラブ制度をなくそうとしたは鳩山首相を追い落とす報道は、あれほど一生懸命なのに、自分たちが批判されるような批判報道は全くしない記者クラブメディア)

つまり、野田が嘘を言えるのも、その嘘を本来、糾弾するべきマスコミが正常に機能していないからである。大飯原発再稼働のような国民の命がかかっていることで、あれだけ沢山の嘘が可能となるのは、その嘘と一蓮托生である記者クラブメディアの存在があるからにほかならない。つまり、日本の腐敗政治の温床は、この野田の嘘だらけの演説によって図らずも明らかになった。これほど沢山の嘘が批判されないのであれば、マスコミ(記者クラブ)と談合していれば腐敗し放題である。

テレビのコメンテーターは、嘘と本当が拮抗しているかのように言っているが、あれは、どう見ても全くの嘘である。「あれは嘘!」とハッキリ言えないメディアそのものが、あの嘘だらけの演説を可能としている。よって野田のみならず、その野田の嘘を可能にしている記者クラブメディアも批判しないといけない。ある意味、原発問題は野田よりも、その嘘を糾弾しないマスコミにより多くの責任がある。野田を辞めさせても、記者クラブ制度が温存されるのであれば、また同じ嘘が繰り返されることであろう。そして、鉢呂経産大臣の「死の町」発言のように本当のことを言う政治家を糾弾して、やめさせるような状態が続くのだ。そうやって連中は、日本をダメにしてしまっている。
 

  • 「いいか、おぼえておくんだ。独裁者は出現させる側により多くの責任がある。積極的に支持しなくても、黙って見ていれば同罪だ...」 by 銀河英雄伝説:ヤン・タイロン(ヤンのお父さん)

つまり、国民に向かって、原発は安全などという、無茶苦茶な嘘を言う野田という政治家の存在よりも、その無茶苦茶な嘘を糾弾しないで、野田政権を存続させるのに加担しているマスコミにより多くの責任があるのだ。そういう意味で、日本で一番危険な存在は、野田よりも、その嘘を糾弾しない記者クラブメディアである。本当のことを言っている政治家が糾弾されて、嘘をいう政治家を糾弾しないという異常なマスコミの報道により、正しい情報が広まっていないからこそ、今回の原発問題の異常な状態が継続できてしまっているのだ。

そういう意味で、「(国民の)敵は記者クラブにあり」と言いたい。彼らの保身行為によって日本がダメになっている。彼らの保身と敵対した鳩山首相普天間問題という弱者を盾にした報道で辞めさせられ、彼らと敵対しないで談合する野田首相は、国民に嘘を言っても糾弾されない。この報道の談合体質、官報複合体の癒着構造を是正しない限り、日本に明日はない。

昨日の4000人集まった首相官邸前のデモの帰りの道すがら、「どうして日本人はこうも平和ボケなのだろう...いや、日本人は平和ボケと言うよりも、正しい情報が広まっていないだけなのだ。ボケているのではなく、ボケさせられている」と思った。この状態を継続すると危険だ。(原発の危険性が軽視され、再び、原発が吹っ飛ぶおそれがあるから)