SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

携帯用の扇風機を作ってみた。暑さで頭がボーとする人にオススメ

本当は、去年の夏に作ったのだが、欠点を改良する必要があり、去年は表に出すのを見合わせていた携帯型扇風機、3.11の原発事故で夏の電気が足りなくなることを見越して、半分ジョークのつもりで作ってみた。作ってみたら意外に涼しいことがわかり、改良を続けている間に、去年の夏が終わった。

そこで今年の夏、改良した携帯用扇風機を紹介する。ネックバンドにファンを取り付けた簡単な扇風機である。

ネックバンド扇風機


従来、保冷剤で首を冷やしていたのだが、保冷剤だと2時間くらいで効力がなくなってしまい、何度も冷蔵庫に行って保冷剤を交換するのが面倒だった。また、必要に応じて涼しくしたり、しなかったりすることも出来なかった。そこで電動の扇風機で首に風を当てればいいという事になった。最初は、それほど冷却性能に期待していなかった。古いコンピューターから取り外したファンを使って、首筋に風を当ててみると、意外に涼しい。そこで、面白くなってやって見ることになった。ただ、首にファンを固定する方法が問題であった。最初はタオルで固定したのだが、タオルで固定しようとするとファンの通風口をタオルが塞ぎ、ただでさえ微弱なファンの風力が吸収されてしまって、使い物にならなかった。そこでハンガーの針金を使ってネックバンドを作り、そこにファンを取り付けてみた。すると今度は、髪の毛が挟まってファンが止まってしまった。そこで100円ショップに行って適当な網目カバーになりそうなものを探してきた。園芸用の鉢植えの底に入れる網にちょうどいいのがあった。それをファンに合わせて四角く切って髪の毛が入らないようにカバーを付けた。

これでおおまかなところは出来た。ファンを装着して涼しくなったのは良かったのだが、今度は、寝転がった時にファンの角度を固定するものがないので、寝るときにファンが縦になって首筋にぶつかったり、そっくりかえってしまい使いにくかったのでビニタイでダンパー線を入れて常に首筋に風が当たる角度にファンを固定してやることにした。

意外だったのは、電池の持続時間だった。電池3本で48時間駆動した。これならば、保冷剤の2時間よりも遥かに使いやすい。最初の10時間くらいが快適な涼しさで、あとは段々、風が弱くなってしまうのだが、10時間、実用に耐えうる性能を維持しているだけでも合格だ。10時間あれば、ほぼ、1日中つけていられる。これを使うことで私は扇風機が必要なくなった。扇風機の消費電力が50wだとすると、この携帯型扇風機は1wに満たない。これによって大幅な節電が可能となった。

欠点は扇風機と同じで、気温が暑くなりすぎると、風がぬるくなってしまうことである。この点は、意外なところで状況が好転することがわかった。それは、暑くなると汗をかく、その汗が扇風機の風で蒸発して涼しくなるのだ。汗ではなくても、汗の代わりになるものを使えば、同様のことが可能である。例えば霧吹きを使って首筋にスプレーすれば、それに扇風機の風が当たって涼しくなる。

扇風機と比べていいなと思ったのは、扇風機は風の当たるところだけが涼しいが、この扇風機は体に装着しているので、いつでもどこでも涼しい所がいい。自分の発明品の中でなかなか実用になるシロモノだと思った。私は、思いついて発明をたまにするが、たいていの発明は、他人に成功されてしまい、自分には何もないというのが多いので、一応、特許は出願しておいた。先行特許で帽子でファンを固定するものがあったのだが、帽子だと頭が蒸れてしまうので、これはネックバンドなのだ。この発明は、ネックバンドでファンを固定するところに真骨頂がある。ネックバンドならば、頭が蒸れず、髪型も気にせず装着できる。それが、この扇風機の新しいところなのだ。

これを使うと、扇風機の消費電力を大幅に減らせる。(1/20〜1/50)エアコンの設定温度は3度(30%)くらい上げられるだろう。本当はもっと早く公表したかったのだが、去年の夏は、寝転がった時、タテになったファンに首が当たる問題点を改良しないと危険なところがあったので、安全のために公表しなかった。改良できた頃には、夏が終わってしまっていた。作り方は、簡単だ。ネックバンドを作れれば、あとは、ファンに電池ボックスをつないでダンパー線でファンを固定すればOK

最も難しいのはネックバンドの製作で、これは100円ショップで針金のハンガーを買ってきて、それをペンチで曲げて作った。ハンガーのカーブを上手く使うと上手にネックバンドが作れる。あと、使っている内にケーブルを絶縁しているビニールテープが汗でズレてしまい、配線がショートして電池やケーブルが火傷するくらい高熱になったりもしたので、ケーブルの絶縁は念入りにして欲しい。ショートすると、高熱になり、とても危険だ。電源はeneloopを使う。10時間毎に必要なので充電池を使わないと不経済だ。

あと電源ケーブルの長さを上手に設定しないと、尻でケーブルを踏んでしまって、よくケーブルが断線した。元々コンピューターに使うものだったので、外で使えるように丈夫に出来ていない。強い力がかかると、モーター接合部の電源ケーブルが断線してしまった。急追、アロンアルファで接着しなおしたが、接触不良のままである。ファンのモーターのケーブル接合部を木工用ボンドで埋めて補強した。さらにネックバンドにケーブルを絡ませて、ファンの弱いケーブル接合部に力が直接かからないようにした。

数々の改良の末、出来上がったのが、この携帯用扇風機である。これによって大幅に節電できるはずである。どこかのメーカーが作って欲しいのだが、メーカーは個人の発明家は相手にしてくれないらしく電話でオペレーターに体よく断られてしまった。そこでYouTubeで公開し、どういうものか紹介し、自作してもらう以外にないわけだ。工作が得意な人ならばすぐ出来てしまうと思う。

材料は6cmファン、静音タイプ、電池ボックスは4本タイプを使うと風が強力でよいが電池ボックスがかさばる傾向にある。(動画の電池ボックスは3本タイプ:3本タイプは非力だが携帯性に優れている)

部品は、AINEXのCF60SSがオススメ、小さくて、薄くて、静かで、接続端子がついてくる所が良い。この接続端子のお陰で、断線するような強い力が加わっても、このコネクタが外れるだけで、繋ぎ直せばいい。他のファンだとコネクタが付属していない場合がある。Amazonだと1280円だが、秋葉原だとTWOTOPやFaithなどで870円で売ってる。ラジ館あたりで、スイッチ付きの電池ボックスを買って、ケーブルを買えば、電気関係の基礎的な部品は手に入る。ネックバンドの部品は100円ショップで針金ハンガー、ビニタイ、ビニールテープ、ファンのカバーに使う園芸用のプラスチックの網である。

  

電池ケースは、秋葉原東急ハンズにいけば200〜300円くらいで手に入る。Amazonだと送料が高くて結構高くついてしまう。あと、電池は充電池、当然エネループである。これが大体、8本いる。というのは充電中も暑いので交換用に、もう4本必要なのだ。

 

これを使えば、大幅に節電が可能になる。去年は、これを使って、殆ど扇風機を使わずに過ごせた。気温が28度程度なら、この扇風機で十分涼しいと思う。それ以上になったら、エアコンで28度付近まで冷やす事が必要だと思う。考え方としては部屋全体を冷やすよりも体の血液を冷やすことで涼しくなるというピンポイント冷却にある。これを使えば脱原発も可能!?と言いたいところだが、メーカーが相手にしてくれないとダメなんだなコレが。自分が思うに、日本て、イノベーションに鈍感だから国際競争に負けるんだと思う。

涼しさを持ち歩けるようにしたという点で、扇風機のウォークマン的な発明ともいえる。でも悲しいかな、そのウォークマンを作るようなメーカーがいないんだな。ソニーの創業者の井深さんみたいな人がいたら、試作機を持って行って、これ作ってみませんか?と言いたくなるんだけど。そういう人が孫正義氏くらいしか思い当たらないのが今の日本だと思う。

他人のアイディアを盗むことばかり考える人や企業が多いと、新しいことを考えることが損するような社会になってしまう。そうなると、誰も新しいことを考えなくなる。イノベーションが起きなくなり、社会に活気がなくなって、全体が貧しくなる。目先の利益を追い求め、クリエイティブな仕事を盗み、一時的には利益を得られても、価値の源泉を枯らしてしまえば、そこから新しい価値は生まれず、結果として社会全体が衰退する。

それがクリエイターを尊重することの意義なのだ。創造行為を尊重することで、新たな価値を生み出すことを奨励する。ソニーの伝記を読むと、井深さんはそう言う人だったようだ。人より違うものを追い求めた。AIBOの開発も、ソニー社内ではバカにされたけれども、井深さんの鶴の一声で続けられたという。だがソニーは、井深氏の死後、ロボット部門トヨタに売ってしまった。思えば、日本の家電メーカーで世界に訴えるだけの新しいものを最近ついぞ見たことがない。

新しいことをすれば得する社会にならないと、イノベーションは生まれない。この扇風機があれば、外出時に熱中症になる人も少なくなるし、節電にもなって、脱原発にも寄与する筈なのだが...