SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

政府の電力需給見通しについて

去年の計画停電について、面白い記事があったので、それを紹介する。

 絶対停電しない!【決定版!:電力不足のうそ】
 http://enzai.9-11.jp/?p=11446

それによると...

  • 2011年3月の停電(計画)騒ぎは、原発が停止したからではなく、事故で停止した原発とセットになっている火力発電や水力も共に壊れたことによる

つまり、原発が停止しても大丈夫なように、原発と同規模の火力発電所が予めバックアップ電源として用意されているとのこと。

○二つの理由
1.災害・事故による緊急停止の際、瞬時に切り替え、停電を防ぐ「スタンバイ」システム

  • 原発が問題を起こして、緊急停止した瞬間に停電なんてことにならないように、同規模の火力を併設しておくことで、安定的に電力供給するスタンバイシステム

2.火力が原発の出力の上げ下げ時に、バランスを取って補佐する。

  • 電力は多すぎても、停電になってしまうため、原発が稼働した時に発生する電力に合わせて、出力を加減できるように同規模の火力発電所を併設する。

つまり、原発のバックアップシステムとして予め火力発電所は用意されているわけで、元々、原発が全て停止しても、電力が不足するなんてことはないそうです。確かに私も去年、各電力会社の出力を計算したのですが、たしかに火力と原発の出力にバランスが取れていたので、元々想定されていたのではないかという主旨の文章を書いています。

 脱原発は可能か? 統計で分析してみた ver 1.2
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20110828/1314467394

 各電力会社の発電出力と最大ピーク(日本の発電所を総動員すれば予備も含めて大丈夫)
 

当ブログ2011年8月28日の記事の引用

  • 脱原発は、このJ-Powerの発電設備&送電設備をフルに活用することで可能となっている。調べてみると、原発が止まったときのことを考えて、まるで測ったかのようにちょうどいいバランスで配置されていた。

データを分析した当時、そう言う方針があるとは知らなかったのですが、改めて、そう言う方針があったのだと聞くと、確かにバランスのとれた構成に成っていたと思う次第です。問題は、そういう事実を隠して、原発が必要だと強弁を垂れる経済産業省や政府といえるでしょう。そして、それに無批判なマスコミ。マスコミが無批判はなのは恐いですね。戦時中の大本営発表と何ら変わりません。NHK堀潤アナウンサーなどは、原発問題をTwitter上で批判したら飛ばされました。そういうわけで、NHKの利権構造に関する記事も当ブログでは用意しています。一見、原発に関係無いようですがNHKも総括原価方式というつながりで関係があるのです。

そういう事を把握した上で電力需給検証委員会の5月10日の発表を読むと...

 東京新聞電力需給検証委 「原発ゼロ」前提覆す
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012051090135504.html

2010年の猛暑を前提にしているんですね。2010年の猛暑がどれだけ暑かったかというと、気象庁では30年に一度というレベルだそうです。

 資料 Wikipedida:2010年の猛暑

以上のリンクによると...

  • 2010年の猛暑とは、2010年(平成22年)夏、日本の広範囲を襲った記録的な猛暑である。気象庁は同年9月1日、この猛暑を30年に1度の異常気象と認定した。

つまり、最も厳しい基準で想定しているわけです。こういう前提は、絶対電力を不足させないという視点では、正しいと言えます。しかし、翌年の2011年は、それほど暑くはありませんでした。特に北海道の去年の夏は不足どころか原発なしのレベルでも余っていました。問題は、この数字が%であり、発電量の絶対値が記されていないことです。これが市民が客観的に比較するのを困難にしています。欧米のメディアに比べると、ここが日本のメディアの特異性なのです。%という二次的な数字にすることで、一次情報が分からず、比較が恣意的に行えるのです。比較対象を調整することで、情報操作が可能となります。

ちなみに去年の総発電量総需要と、送電網の配置を記した図がありますので、それを紹介します。

六角形の面積はピーク電力に比例している。

画像をクリックすると拡大します。

拡大しないと文字が読みにくいので、この図はクリックして拡大してみてください。

そういう厳しい想定で、需給を比較しているのですから、その想定が-3.3%低くても、去年並みに節電をすれば、平年並みの暑さであれば、電力は足りると言えます。もし、2010年クラスの暑さになった時ですが、その時には、事業者の節電が重要になってきます、それを最も可能とするのは、オフィスの節電です。都市の電力消費は全体の40%を占めると言われています。大体、工業39%(3700億kWh)、都市41%(3900億kWh)、家庭20%(1950億kWh)が大まかな消費電力の比率です。

最も多い41%の都市のオフィスの電力消費の構成は、エアコンが45%、照明が21.3%、コンセントが21.1%というわけで、都市のエアコンを電気からガスヒートポンプに切り替えるなり、断熱窓をオフィスに取り付けるなりして経費を節減しながら、節電をすることが可能です。また、設備更新せずとも、クビに保冷剤を巻いたり、オフィスの設定温度の調整や、時間帯別の電力料金設定などが有効です。ですが、関西電力はぎりぎりになるまで、それをやろうとしていませんので、偽装計画停電の可能性も捨て切れません。

彼らの手の内はだいたい見えていますが、そのためのギリギリの数値を提示し、もっともらしく見せ、それらがNHKなどの大手メディアを通じて報じられることで、世間には現実として受け入れられるという目論見のようです。そして、偽装計画停電を実施し、足りなかったじゃないかと反原発派を批判し、その上で議論が紛糾する中、みんなで決めよう原発国民投票というシナリオが控えている。このシナリオはトロイの木馬で、大抵の人が原発を一気に廃止することは出来ないと考える事を見越して、設問の中に即時停止とは別に、10年間をかけて原発を廃止するというのがあります。多くの人がこれを選択することを見越しているのです。そのために偽装計画停電のシナリオを用意している。この設問を逆に読むと、あと10年間原発を使い続けるということでもあるのです。この10年間の間に、官僚たちは利権の引越しをする。つまり、新たな利権構造を構築するために10年間原発を動かしたいようなのです。どうやら、その対象は自然エネルギーの中でも地熱発電のようなのです。

しかし、10年は危険です。なぜなら、原発の耐震基準は700ガルで、比較的新しい大飯原発でも1260ガル程度なのですが、その大飯原発の耐震性能を超える地震が過去10年に3回も起きているのです。

大飯原発耐震強度を上回る地震が、ここ8年に3回も起きている
資料:河北新聞:焦点/最大震度・栗原/震度7、犠牲者ゼロ (ガル:加速度の単位)
 福島第一原発   : 600ガル(設計基準:実際には460ガルで壊れた)
 ストレステスト  : 700ガル(近年の地震に対し、あまりにも過小な基準)
 阪神大震災    : 818ガル(1995年)
 大飯原発     :1260ガル(3〜4号機 耐震性能)
 新潟県中越地震  :2516ガル(2004年)
 東日本大震災   :2933ガル(2011年)
 岩手・宮城内陸地震:4022ガル(2008年:観測史上最高/世界最大)

しかも、そのどれもが2500ガル以上、つまり、倍以上なのです。そして、この耐震基準は格納容器のみです。他の配管などはもっと弱いのです。つまり、東日本大震災以降、地震が増えている中で、この10年という数字は致命的な問題となり得る。私たちは、もし、万が一偽装計画停電がされても、電力が足りないことと、原発問題のどちらが重いか冷静に見極め、第二の福島を生まない為に即時停止こそ重要だと考えるべきなのです。

もし、そういうことをせず、10年間原発を動かしてしまい、その間に耐震強度を上回る地震が起きて、大飯原発メルトダウンをすると以下のような取り返しの付かない事態になります。

大飯原発メルトダウンした場合

風下に9000万人がいます。それは、日本の人口の70%に相当します。節電を皆でやれば、このリスクを回避することは可能です。最も無理なのは、節電ではなく、地震国日本で、こういう甚大なるリスクを背負いながら原発の電力を使うという事そのものなのです。
 

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