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日本国内の全原発停止、再稼働阻止すれば安全に一歩前進(2012.5.5)

今日、北海道の泊原発が停止する。この結果、日本の54基(内4基、爆発/破損)の原発すべてが停止したことになる。今日が原発利権の火が消える日として歴史に記される様に再稼働は阻止しなければいけない。原発が停止すると何がいいのかというと、稼働中の原発に比べて発熱量が遙かに少ないため、もし、地震が来て電源を失い、水の供給が止まっても鉄で出来た圧力容器を溶かすとか、そういうことになるまでの猶予がかなりある。稼働中の原発1基が必要とする冷却水は1秒あたり20トンという膨大なものだそうで、その規模は一級河川に匹敵する。それだけの水を放り込まないと冷却できないほどの熱量があるということなのだ。だから、水を失うと、あっという間にジルコニウムで出来た燃料棒が溶け、鉄で出来た圧力容器を溶かし、メルトダウンメルトスルー、水素爆発に一気に行ってしまった。それだけ稼働中の原発というのは危険なのです。では、原発を停止すると熱量がどの様に変化するのか示したグラフがありますので、それを紹介します。原発が停止すると、核反応は止まりますが、崩壊熱というものが生じます。下のグラフをはその熱量の推移です。

 崩壊熱の推移

  • 引用:よく分かる原子力
    • これは崩壊熱に関する古い資料(原発事故の実測値ではありません)なのですが、そこから察すると、最初の1日で熱量が1/20、1ヶ月で1/100になります。

このグラフを見ると分かる通り、止めると1ヶ月で熱量は1/100になります。熱が少なければ、必要な水も1か月後には、20トンから、200kg/秒にかわります。この数字だけでも遙かに制御しやすくなるということが分かるでしょう。そういう意味で原発を停止するということは、核を閉じ込めるのに極めて有効であることが分かります。高熱にならなければ融点が1855度のジルコニウム製の燃料棒を溶かすことは出来ないので、燃料棒が溶けて再臨界などの危険な状況を避ける事が出来ます。ですので、原発を停止するということは、閉じ込めておく容器を溶かすような温度になりにくいという点で有効な手段です。

融点と(原発の部位)
 鉄     :1538度(圧力容器・格納容器)
 ジルコニウム:1855度(燃料棒)

原発が安全になるのは分かった。電力不足はどうなんだと言うことですが、ピーク時に去年並みの節電をすれば大丈夫だと考えられます。というのは、震災直後、原発だけでなく、全国の火力発電所地震の影響を受けて、破損したり、点検整備のために停止しました。つまり、去年は、原発だけでなく火力発電所も停止した中での節電だったのです。それが今年は整備が終わり続々と稼働するのです。そして、今年は原発の出力がありません。あとは古い火力発電所も総動員すれば、大体、全国に予備率8%を保ったまま発電出来るだけの出力があります。

資料:脱原発は可能か? 統計で分析してみた ver 1.2(対案アリ)
各電力会社の発電出力と最大ピーク(日本の発電所を総動員すれば予備も含めて大丈夫)

この数値は、各電力会社の脱原発後の発電能力があります。赤い部分は不足分ですが、それを補えるだけの他の電力会社の発電能力があるのです。去年の日本のピーク電力は、1億5735万キロワットでした。しかし、原発を抜きにした日本の発電出力は1億7544万キロワットもあるのです。よって、電力は足ります。1800万キロワットの予備もありますので、もし、ピーク時に発電所のいくつかが故障しても停電にはなりません。足りない部分は電力会社間で融通すれば足りるのです。

それもですね。毎日ではなく、年に12日程度の猛暑日の数時間、それらを動かせればいいのです。さらに、それらの数機がピーク時に壊れても、8%の予備がありますから、その予備率の範囲内に留めれば、停電は起きません。それを確実なものとするために、今年も節電が必要です。よく原発推進派が「経済が...経済が...」といいますが、夏場の12日程度のしかも、数時間の節電をしただけで停滞するような経済だったら、電気があろうがなかろうが、停滞する経済だという事です。(それに日本と違って世界では停電はよくあることです)じゃぁ電力価格はどうなんだと言う反論があるでしょう。それについても、今回の火力発電所の燃料で一番多いのは、石油火力ではなく、大半が天然ガス火力です。この天然ガスの市場価格は近年のシェールガスの開発で安くなっており、そういう意味で燃料代が高いというのは嘘です。東電の値上げは、賠償費用や廃炉費用の捻出に使われているのです。賠償費用や廃炉費用の捻出の為の値上げだといえば、世間様には通らず「それはお前らの責任だろ、東電潰す」ということになるので、「燃料代」と言っておるのです。しかし、マスコミも東電から沢山広告料という形で金をもらっているので、そういう欺瞞的行為を突っ込まないわけです。その結果、そういう嘘を言っても、私達には嘘だと分からないようになっているのです。ですので、日本のマスコミの大本営発表に騙されてないでください。

天然ガス価格の推移(資料:http://ecodb.net/pcp/imf_group_ngas.html#index01

燃料代について直近の数字(2012年3月)で計算してみます。
日本の市場価格:367ドル/1000㎥(ドル円80円:29360円)
ガス火力は1立方メートルあたり平均4.5kWh5.6kWh発電できるので、これを1000で割って5.6kWhで割ってやれば、1kWhあたりの燃料代が計算できます。

 29.36円/立方メートル:29360円÷1000㎥
 5.23円/kWh    :29.36円÷5.6kWh

去年の日本の発電量は節電によって9000億kWh程度で、火力増加分は2000億kWh、それに5.23円をかけてやると、1兆0460億円
 
 LNGの増えた燃料代は1兆0460億円円程度。

火力発電のコストの大半は、燃料代ですので、現状の電気料金(14円〜23円)でも十分に利益が出ます。利益が出ないのは、賠償や廃炉に伴う費用で支出が膨大になったためです。ですので、燃料代が高くなったからという理由では、料金値上げの根拠にならないのわけです。原子力発電のコストは本当は15円程度と言われていますので、むしろ発電コストは下がっているくらいです。

つまり、燃料代とか経済とか、そういうのは全部、嘘。本当は、賠償費や廃炉費用、利権なんです。だから、今日の5月5日以降、私たちは原発を再稼働させないで、放射能の心配のない安全な社会を手に入れましょう。

電気料金の嘘とホント(まぁ論点の姑息なすり替えといったところでしょう:東大話法)
 燃料代 → 賠償費・廃炉費用
 経済  → 利権

例文
 経済界:原発を止めると、経済がダメになる
   訳;原発を止めると、原発利権がダメになる。(いい事じゃん)

 東電 :燃料代がかかるので電気料金を上げざる負えない
   訳;賠償費用や廃炉費用がかさむので電気料金を上げざる負えない。
     (それは東電、お前らの責任だろが!)