SKY NOTE

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首相官邸前の原発再稼働反対の断水ハンストとリーダーシップ

昨日、首相官邸前で原発反対の断水ハンストをみてきた。そのハンスト行為とリーダーシップについて、今日は書いてみたいと思う。

首相官邸前のハンスト(2012.4.30)ハンスト開始から66時間経過

(画像をクリックすると拡大します:プラカードの文字が読めます)

ハンストというのは、断食などで強い決意を示すものである。これは、目的のために強い決意が必要なリーダーシップに通じるものがある。今回、首相官邸前で見てきたのは水断食、水を断って断食をする。まかり間違えると脱水症状になるので、とても危険である。そういう危険なことをして、強い決意を示し、社会に自分の意志を示すそれがハンスト行為。(歴史上、有名なのはマハトマ・ガンジーのハンストがありますね)

そこまですることないのに...と思う人もいると思うが、これをリーダーシップの初期段階と捉えることもできるのだ。というのは、最初に何かをする時というのは、無謀な事、ある意味、バカなことなのだ。経験のない未知のことをするのはリスクが生じる。そのリスクにあえて挑もうとする行為は、無謀であり、危険である。

そのことについて説明しているのが、NHKのスーパープレゼンテーションで以前やったTEDカンファレンスにある。以下のリンクに字幕付きの動画のリンクがあるので、それを見て欲しい。

 TED:デレク・シヴァーズ「ムーブメントの起こし方」(3分14秒)
 http://www.ted.com/talks/lang/ja/derek_sivers_how_to_start_a_movement.html
 右上にフルスクリーンボタンをクリックすると字幕が大きくなり読みやすくなります。

  • 写真1(草原で一人踊りだす人)

それによると、新しいことをするのには、まず嘲笑される必要があるのだという。でも、その行動に対し、最初のフォロワー(追随者)がつくと状況が変化します。これが重要な役割を担っています。みんなに どう従えばよいかいいか示すのです。リーダーが彼を対等に扱うのを見てください、今やリーダーは1人ではありません。複数になったのです。友だちに声をかけていますね。最初のフォロワーというのは、過少評価されていますが実はリーダーシップの一形態なのです。こんなふうに目立つだけでも勇気がいります。最初のフォロワーが1人のバカ(無謀な行為をする者)をリーダーへと変えるのです。(ここでリーダーシップの実態はフォロワーシップであるという説明がされている)

  • 写真2(2人目のフォロワー)

2人目のフォロワーが現れました。今や1人のバカでも2人のバカでもありません。

  • 写真3(3人目のフォロワー)

3人というのは、集団であり集団というのはニュースになります。だから運動が公のものとなります。リーダーだけでなくフォロワーの姿が重要なのです。新たなフォロワーというのは、リーダーではなく、フォロワーを真似るものだからです。

  • 写真4(2人が加わる)

さらに2人が’加わり...

  • 写真5(臨界点に達する)

すぐ後に3人が加わりました。今や勢いがついています。臨界点に達し1つの運動になったのです。多くの人々が加わるほどリスクは小さくなります。どうしようか決めかねていた人も今や加わらない理由はなくなりました。

  • 写真6(飛び込む人々)

もう目立つことはありません。笑われることもありません。急げばコア集団に入れるかも...(笑)

  • 写真7(ムーブメント)

この後しばらくは、みんな集団に入ろうとします。加わらない方がかえってバカにされるからです。これが運動の起こし方です。

  • 写真8(自分よりも運動が大事)

教訓をおさらいしましょう。まず彼のように一人で踊るタイプの人は、最初の何人かのフォロワーを対等に扱う大切さを覚えておいてください肝心なのは自分ではなく運動だということです。でも、もっと大きな教訓があります。お気づきになったでしょうか?最大の教訓はリーダーシップが過大評価されていることです。たしかにあの裸の男が最初でした。彼には功績があります。でも1人のバカ(無謀者)をリーダーに変えたのは、最初のフォロワーだったのです。全員がリーダーなるべきだといいますが、それは効果的ではありません。本当に運動を起こそうと思うのならば、ついて行く勇気を持ち他の人達にも その方法を示すことです。スゴイことをしている孤独なバカを見つけたら、立ち上がって参加する。最初の人間になる勇気を持ってください。

  • 写真9(孤独なバカを立ち上がって支援する人々)

END

ここで示されていることは、リーダーシップの実態は、フォロワーシップであること、フォロワー(フォロワー)がその次に来るフォロワーのリーダーとなり、ねずみ算的に広がっていく状況をムーブメントという。だからといって皆に危険なハンストをするべきだと言うのではなく、その意思を理解し、皆で立ち上がることこそが、ムーブメント(運動)になり得るということなのだ。そういうフォロワーシップこそ、リーダーシップというものなのだ。つまり、よく日本にはリーダーシップがないと言われているが、それは実は、私達がリーダーを無視しているからとも言える。その無視の背景には、デモなどを報道しないマスメディアにも問題があるが、そういった行動に対し、未経験というか慣れていない私達が、どう行動していいか分からない事が問題なのだともいえる。昔は、ガキ大将がいて、その回りに、それを支えるサブリーダー的な上級生が3人位いて、リーダーを支えていた。子供の頃は私たちはその下にいたのだけど、多分、あれがリーダーシップだったのだと思う。それが塾や習い事などで集まりが悪くなってガキ大将制度は自然消滅してしまった。今にして思えば、学歴戦争は、東大話法を始めとする陳腐な理屈を主張するこずるいバカを生み出し、子供たちからはリーダーシップを学ぶ機会を奪ってしまったようだ。私たちは、子供の頃に学びそこねたリーダーシップの形成の仕方、つまり、フォロワーシップを学び直す時期に来ていると思う。そういう意味で、このTEDカンファレンスは有益だと思ったので紹介した。

リーダーシップとはフォロワーシップである。つまり、一人のリーダーが重要ではなく、そのリーダーを支えるフォロワーこそが重要なのだ。つまり、いかに支援するかということが大事なのだ。そういう意味ではリーダーシップというのは応援団のようなものなのだ。頑張っている奴を応援する気持ち、それを行動に示すこと、それがリーダーシップの実態。私たちは頑張っている人間を応援しているだろうか?と考えたり、または、単純に面白そうだから参加するとか、そういうフォロワーシップこそがリーダーシップの正体なのだ。

「Stay hungry, stay foolish」by SteveJobs
「ハングリーであれ、バカであれ」by スティーブ・ジョブス