SKY NOTE

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海外の原発報道に見る福島の真実

外国のメディアの報道を見ていると、日本のメディアと色々と違っているところがよく見える。その比較から日本のメディアの問題点を指摘してみたい。

  • アメリカCBS
  • 海外は、福島の住民が苦しんでいる様をちゃんと報道している (3分36秒)

1.市民の本当の言葉を伝えないメディア

  • CBSの報道で福島の母親の不安が赤裸々に語られている。これを見ていて「あれ?」と思ったのは、日本のメディアで、このように福島の人たちの本音を放送したテレビ局があったかということだ。本来は最も報道しなければいけない福島の人達の言葉、特に子供を守る母親の言葉を何ら放送していない日本のメディアとは一体、何なのかと思ってしまった。私は、この福島の母親たちの言葉に、本当の言葉を聞いた。本来、こういう言葉があるはずだと思っていた言葉を聞いたのだ。その声を伝えず、なかった事にしようとするのは、人間としてどうなのかと思う。あまりにも人の命を冒涜してはいないかと思う。
  • ドイツ
  • ドイツメディアから見た日本の原発事故対応はナチス並み! (4分54秒)

2.政府を批判する市民の声を黙殺する日本のメディア

  • 政府が食品の汚染数値について大沢さんが「正確な数値も出さない、まともな測定もしない」と憤っているところがでてきて、それから「汚染問題の中にみんなを放置した」と非難している。こういう政府を市民がハッキリと非難した報道も聞いていない、本来はもっと、そう言う報道があっていいはずだ。しかし、それもない。

3.客観報道をせず、数字を伴わない言葉のみの報道で印象操作をする日本のメディア

  • そして、「こんな汚染数値の場所は本当は絶対避難するべきです」と、きちんと根拠を伴った政府の方針への批判を市民がしているところもテレビで見たことがない。テレビで報道されるのは、根拠を伴わないで反対反対と叫ぶ人を報道して、あたかも、理性を失った市民として報道されている。しかも、原発から60キロ離れた伊達市のシイタケからは1キログラムあたり7000ベクレルの汚染が測定された」と、具体的な問題の数値が報道されている。これも日本のメディアにはない特徴である。大抵、日本のメディアというのは問題の核心に迫る数値情報を曖昧にするけれども外国の報道では、それをハッキリと報道する。この7000ベクレルという数値は、自分は見たことがないくらい高い数値である。このように日本のメディアというのは、核心に迫る重要な情報を市民に意図的に伝えない傾向がある。これは衛星放送で海外ニュースを見る度にいつも思うことである。どうして日本のマスコミは客観報道をしないのか、言葉だけの数値を伴わない印象操作ばかりをするのか疑問に思う。人の命がかかっているというのに。そして、「もはや食べ物ではなくて放射性廃棄物です」と言ったところは印象的だった。食べ物がそういうところまでいってしまっているのが福島の現実なのだと改めて思い知らされた。

4.日本のメディアに騙される人々とダマされない人間の軋轢

  • ちなみに家では、母がキノコを買っていたのを知って、私はゴミ箱に捨てた。政府の情報が信用出来ないのと、キノコは特に放射性物質を濃縮しやすいことはチェルノブイリの事例から言って明らかだったからだ。だけど、母はテレビではそんなに大きな問題だとは言っていないと言って反論したが、私は「今日だって渋谷でデモがあったんだよ。でも、テレビ局は全然報道していないだろ、連中は原発の連中とグルなんだよ」と言うと、一応、納得したようだった。
  • 2012年4月29日 渋谷•原宿twitterデモ (2分50秒)

5.市民のデモを伝えず、なかった事にする日本のメディア

  • 最近、首相官邸でも千人を超える人が毎週金曜日、デモをやっている。そういう市民の声を無視するメディア、彼らはジャーナリストとは言えない。サラリーマンメディア、給料をもらっている範囲内でしか仕事ができず、その仕事の持つ職責を果たしていないメディア、サラリーという金でネジ曲がってしまう脆弱なマスメディア。

6.日本の特殊な「記者クラブ」というメディア談合体質が問題の温床

  • どうしてこうなってしまうのかというと、記者クラブという談合メディア集団がいるからだ。もし、談合がなければ、抜け駆け自在で、誰かが真実をすっぱ抜くだろうからという事で市民の側に立ったもん勝ちだが、日本では記者クラブがあるおかげで逆のインセンティブが働いている。抜け駆けをすると記者クラブから排除され、記者クラブで提供される情報が得られなくなり、デメリットが生じる。海外では自由に入る事ができる記者クラブが、日本の場合、大手メディアのみの会員制クラブのようになってしまっている。そういう閉鎖性が日本のジャーナリズムを歪めている。だから記者クラブをなくさないと私達に真実は届かないという構造がそこにある。外国のメディアの報道を見ていて特にそれを感じる。

7.真実が市民に隠される戦時中と大して変わらない日本のメディア

  • 日本だけの特殊な記者クラブという閉鎖空間が、日本のジャーナリズムを極端に歪ませ、その閉鎖性ゆえに既得権となり、その既得権を守るためならば、市民に伝えるべき情報も平気で握りつぶす。それが今の日本のメディアの現実なのだ。そして、それが私達に真実が届かない理由なのだ。

 

8.不正を糾弾しない日本のマスコミ

  • ドイツZDF
  • フクシマの嘘 (29分23秒)連結済み
  • 原子力村に対する内部告発菅直人元総理のインタビュー、GEのエンジニアの告発など、重要な証言が相次ぎます。問題は、こういう告発情報を国内のメディアが報じないことで、告発者が孤立し、逆に糾弾される、もしくは黙殺され、正義が行われなかった結果、原発事故を招いてしまった経緯が赤裸々に伝えられています。特にGEのエンジニアの告発は、福島原発がいかに酷い管理をされていたか示すもので、非常用復水器(安全装置)が逆に設置されているなど、異常な状態であったことが伝えられている。

9.マスコミが不正を報道しない事で正しいことをしている人が孤立し、罰せられてしまう

  • さらに原発の問題点を指摘した福島前知事の佐藤栄佐久知事が原発の杜撰な管理体制を批判した直後、2004年12月に不正な土地取引の疑いがある(最近のどこかの裁判にも似たようなことがありますね)との新聞報道が持ち上がった。その記事を書いたのが、原発政策担当の記者だったという。そして、200人の県庁職員に圧力がかかり、そのうち3人が自殺するまでの事態になったそうです。佐藤知事は、同僚や友人を守るため知事を辞任しました。これも問題は、これほどまでの不正が行われているにもかかわらず、それをマスコミが糾弾しないことで、本来は不正を行なっているであろう電力会社に向けられるべき世間の圧力が逆に正しいことを行なっている側に向かい、佐藤知事が辞任しなければいけない事態になったことです。不正を糾弾しなかったマスコミの罪は極めて重いと言わざる負えないでしょう。もし、そこできちんと報道していれば、もしかしたら福島第一原発の杜撰の管理体制が改められ、原発事故は起きなかったかもしれないのですから、余計に悔やまれます。

10.正確な原発のリスクを報道しない日本のマスコミ

  • 後半のビデオでは、原発地震のリスクに対する情報が伝えられて言います。菅直人氏の説明によれば、原発から5キロ離れた非常用電源センターが津波の直後1分と機能しなかった事が証言されています。なぜなら、地震のために職員が辿りつけなかったからだそうで、その結果、電源は失われたままだったそうです。つまり、非常用電源センターは非常時に何の約にも立たなかった。そして、総理大臣に原発メルトダウンしているという正確な情報が保安院から上がって来なかったことも証言されています。(これは重大な服務規程違反です)なぜマスコミはこれを糾弾しないのでしょう。東電がこれを認めるのに2ヶ月を要しました。原発の専門家の誰もが、事故の直後にメルトダウンを予測したのにもかかわらずです。そして、原発の内部の人間の口から直接、「福島原発はまだ危険です」これほどハッキリとしたコメントを、どの日本のテレビメディアも報道していないですね。そして、最も懸念されているのが4号機の使用済み核燃料で燃料棒が1300本保管されていて、非常に重い機器が載っていて、建物が地震などで崩壊すれば、「また新たな臨界が起きるでしょう」との事。そして、そのような事態が青空の下で起これば、日本にとって致命的なものになるというリスクの規模の報道がされている。さらに、放射能は致死量に達し、原発サイトで働くことは不可能となり、そうなれば、第1,2,3,4,5,6号機の全てが抑制できなくなり、まさにこの世の終わりになってしまうという極めて深刻な状態になることを報道している。そういう重要なリスク情報は日本のメディアは曖昧にしますね。曖昧にぼかすから、再稼働という論理が未だに成り立つわけです。ハッキリしていれば廃炉が決定している。

11.原発地震に対する脆弱さを伝えない日本のマスコミ

  • 最後に地球物理学者の島村氏に、そういう危険な状態をもたらすであろう地震が起こるかどうかの質問をしています。それによると「確率は高い」とのこと、理由を聞くと「計測している地震揺れ速度が、これまでの予測よりもずっとはやまってきています」からだという。つまり、「想定外」の事態が起きている。原発の耐震設計の基準は300〜450ガルを想定し、そして、高確率で発生しないだろうということで600ガルまでを想定していたというが、この大きさの地震に耐えられる設計の原子炉は格納容器だけで原発の他の構造は、それだけの耐震設計がされていないという。つまり、格納容器以外の機器が壊れることを示唆している。しかも、最近の地震の加速度が何と、4000ガルまで達していたことが分かっているという。つまり、原発地震に対する安全性はまるで担保されていないことが報道されている。つまり、再稼働なんて言っている場合じゃないことが示されている。日本のメディアは、それもきちんと伝えていない。原発地震に対する本当のリスクを。

まとめ

  • このように外国のメディアと比較すると、日本のマスコミは、伝えるべきことを伝えておらず、そればかりか、一部、電力会社と結託していると見られるところもあり、非常に憂慮すべき内容といえる。そうやって真実が伏せられることで、悪が栄え、正しいのものが孤立し、糾弾される状況が今なお続いていることが、この内容からわかる。そして、それこそがこの原発事故の温床であったのであり、批判しなければいけない対象が東電ばかりではなく、日本のメディア全体(記者クラブメディア)に及ぶことが、外国報道との比較によって分かる。つまり、もし、真実が報道されていれば、あの事故は起きなかったかもしれないのだ。ここで問題なのは、情報が支配されると、真実が市民に知らされず、原発のような危険なものが放置され、私たちの生命、財産に危険が及ぶということだ。そして、福島の人たちは、実際、その危険に既に直面している。
  • 私達が直面している危険は、単に原発という問題ではなく、報道の腐敗による報道災害にも及びます。むしろ、この報道さえしっかりしていれば、事故を未然に防ぎえたかもしれないのです。日本が変われないのも、このマスコミの腐敗から来るものだと、今回の原発報道の比較で明らかになりました。原発村のみならず、記者クラブ村も同時に是正しないと、私達に真実が知らされず、その結果、安全を軽視する構造的な問題が払拭されず、第二、第三の福島が発生する可能性は否定できません。知らない間に自分たちが放射能に取り囲まれ、危険に直面していたなどという事態を避けるためにも、それは必要です。真実が報道され、正しいものが尊重され、間違っているものが否定される正常な世の中にしなければいけません。記者クラブメディアを一言で言うと、悪の味方です。彼らの悪事に加担しないためにも、今年の夏は節電のためにテレビを消し、新聞は全国紙ではなく地方紙に切り替えましょう。そうすれば、彼らは財政的にますます苦しくなり、弱くなっていくでしょう。そして、弱くなった所を何度も何度も攻め続けるのです。それを繰り返している内に、彼らは倒れます。そして、倒れた後、健全な報道や電力業界を創造すればいいのです。それができた時、日本は変われる国になっていることでしょう。