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SIM-Drive、電気自動車開発車、第二世代機「SIM-WIL」を発表

SIM-Driveが電気自動車開発車の第二世代モデル「SIM-WIL」を発表した。

 SIM-Drive、電気自動車の先行開発車第2号「SIM-WIL」を発表
  351kmの航続距離と広い室内が特徴
 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120328/210341/

 航続距離351kmを実現した先行開発車第2号(車体の写真が豊富)
 http://news.mynavi.jp/news/2012/03/28/136/

燃費差(電気とガソリンの価格差)
 ガソリン価格:150円/L
 電力価格  :23円/kWh
 その差   :6.5倍

電力とガソリンの価格比を計算することで、実質的な燃費差を考えることができる。現在のガソリンと電気の価格から計算するとガソリン1Lあたり6.5kWhの電気が買えるので、そこから計算する。

引用:SIM-Drive社:「SIM-WIL」(若干、色補正した。綺麗に撮影しないんだもん)

日本を未来へ連れていってくれる車だ。

SIM-WILLスペック(一部推定あり)
 サイズ :4150mm×1715mm×1550mm
  小型車の外形サイズ(Bセグメント)で大型車(Eセグメント)に相当する車室
 電池容量:35.1kWh
 充電時間:3時間(専用電源)|12時間(家庭用電源200V)
 電費  :10km/kWh(JC08モード|石油火力:40km/L:発電効率40%)
 燃費差 :65km/150円(ガソリン価格比)
 1万キロ:23000円(1000kWh)
 車体重量:1580kg(ドアのみCFRP それ以外は鉄)
 電池重量:推定440kg(推定:80Wh/kg)

2013年3月末までに第三世代モデルを開発
スマートグリッドスマートハウス機能
 (26の企業・団体が参加)

性能を見ると、まだまだという点もあるが、すでにエネルギーコスト的には、安くなっている。ボディの軽量化が鍵と思われる。まだ大部分が重たい鉄を使っているので、ここをポリマーに置き換えることで、大幅な軽量化が可能になるだろう。電池重量がどこを見てもなかったので、三菱電機電気自動車に搭載されている電池の容量/重量から想定した。この車は、ボディは小型車であっても、車内のサイズは大型車並なので、より小型の製品を作ればもっと軽量化出来るものと考えられる。

ボディのポリマーの技術として注目しているのが、広島大学の超プラスチック技術である。この技術の利点は、従来のCFRPよりも格段に安く、軽くて丈夫なボディーが手に入る点にある。この技術はプラスチックを作るプロセスの一部に樹脂の結晶化を促す工程を加えることで従来よりも、はるかに丈夫なプラスチックが作れる。(従来のプラスチックは結晶化率が低く、脆かった)プラスチックなのでガラス部分にも使えるところがメリット。詳細は以下を参照のこと

 資料:広島大学:鉄鋼のように強い汎用プラスチックの創製
 
この技術を使えば、鉄の部分の重量を半減できるので、そこを計算に入れると、以下のようになる。

軽量化ボディを採用した場合
 航続距離:350km
 電費  :20km/kWh(石油火力:80km/L:発電効率40%)
 燃費差 :130km/150円(ガソリン価格比)
 1万キロ:11500円(500kWh)
 電池容量:17.6kWh
 電池重量:220kg(推定:80Wh/kg)
 ボディ :570kg
 総合重量:790kg

軽量化ボディを採用した場合(電池容量を抑えた廉価版)
 航続距離:227km
 電費  :22.7km/kWh(石油火力:90km/L:発電効率40%)
 燃費差 :147km/150円(ガソリン価格比)
 1万キロ:10132円(446kWh)
 電池容量:10kWh
 電池重量:125kg(推定:80Wh/kg)
 ボディ :570kg
 車体重量:695kg

軽量化すると飛躍的にコストメリットが生じる。さらに石油価格が高騰するほどコストメリットが生じることが分かる。だが、恐らく、車として使われるよりも家庭用電池として使われる方が多くなると考えられる。電気を貯めて使えれば、自然エネルギーのムラを吸収できて、化石燃料を使わないで移動できるので、クリーンな社会が生まれる。

鉄をポリマーにしたら、その分、石油が必要になってくると思われるかもしれない。日本で車の鉄として消費されている鉄の量は年間1000万トン(国内外含めて)それが大体500万トンのプラスチックで代替できると計算すると、石油の量としては50億リットル。日本の最近の年間石油消費量は約2000億リットルなので、全体の2.5%程度、それに対し、車に使われている石油量は900億リットルなので、これが電気に置き換わると、石油消費量はゼロになる。

 資料:JX日鉱日石エネルギー:燃料油の需要部門別販売量(2009年度)

電気の必要量は平均燃費15km/Lとして計算すると、900億リットルで1兆3500億km走る計算になるから、それを20km/kWh(軽量素材を使ったボディ)で計算すると675億kWhとなる。これは日本の電力消費量9500億kWhの7.1%に相当するが、日本中の全ての照明(1506億kWh)をLED照明に交換すれば、1000億kWhは節電できるので、節電分で足りる(LEDは安定器の消費電力も削減できる)

 資料:LED照明で脱原発が可能になる

そこから考えると未来は皆がLED照明に切り替えて、1000億kWh節電すると、石油900億リットル(675億kWh相当)使っていた車のエネルギーを全部、電気で賄えるということになる。つまり、LEDと電気自動車、そして太陽電池を買えば、非常にクリーンなライフスタイルが生まれる。新三種の神器かな。

さらにポリマーに使う石油も日本中の有機廃棄物をかき集め、研究中のオーランチオキトリウムという藻に食べさせれば、260億リットルの石油になるとの事なので、50億リットル相当の電気自動車の石油は有機物から生産可能である。

 資料:渡邊信教授ら、従来に比べて10倍の油が抽出できる藻を発見!

自分が問題だと思うのは、その有機物に放射性物質が混ざってしまうこと、つまり、瓦礫の広域処理はするべきではないと思う。また、食品の安全基準も厳しくしないとダメだ。そうすれば、車の大半の部品を国内の資源で調達できることになる。それは、この国が自給自足ができるという事である。そのためにはなんとしても、放射性物質の飛散を最小限に留めなければいけない。今日(2012年3月30日)の消費税増税法案が否決され、野田内閣が総辞職することが日本にとって大事な事だと思う。野田政権がいなくなることで、脱原発が進み、放射能の拡散を防ぐことが可能となる。そこから日本の輝かしい未来が始まるのだ。
 
 プレスリリース:SIM-Drive「SIM-WIL」
 http://www.sim-drive.com/news/2012/0328release2.html