時事通信:2号機、一時90度近くに=東電「再臨界ない」、注水増―温度計故障か・福島第1(引用)
- 東京電力は12日、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器底部に3カ所ある温度計のうち、突出して高い数字を示している温度計が同日午後、新保安規定の運転制限基準の80度を超えて上昇したと発表した。昨年12月に政府と東電が「冷温停止状態」を宣言して以降初めて。11日夜に冷却水の注入量を毎時1トン増やしたのに、この温度計は70度台から90度近くまで変動が激しくなっており、東電は故障の可能性が高いとみている。残りの温度計は35度程度で安定している。東電は12日未明に原子炉内のガスを分析。キセノン135が検出限界未満であることから、溶融燃料で核分裂が連鎖する再臨界が起きていないと判断したが、念のため再臨界を防ぐホウ酸水を注入した。冷却水は毎時3.3トン増やし、過去最大レベルの同17.4トンにした。
- 臨界
- 核分裂が連鎖的に起きている状態を示す。
時事通信のこの報道は、恐らく、事実を伝えながらも、その解釈に問題があります。というのは、物理現象として、キセノンが検出されたら、(検出限界未満というのは、彼らの数字を誤魔化す常套手段に思えます)核分裂が連鎖的に起きている状況、つまり、臨界状態なのです。つまり、福島第一原発2号機は臨界状態にあるわけですの可能性があるわけです。(要するにキセノンの値が信頼できないため、そうなる)ですので水を増やしたり、ホウ酸を入れたりして躍起になって核分裂反応を抑えようとしていると見えます。
ハッピーさん(福島原発の現場からの声)
https://twitter.com/#!/Happy20790
冷温停止宣言などしたものだから、政府や東電は躍起になって、温度を下げようとしているようですが、あまり下げるために、冷却システムに負担をかけると、今度は、その機器の方にダメージが生じて危険な場合もあるそうで予断を許さない状態です。
資料:(速報)東電、2号機でキセノン検出、再臨界を隠蔽(2月12日午前3時検出)
http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/34128c00ddf5b9157c620e2e2683aeac
・2月1日午後11時:52℃(参考値)
・2月2日頃から緩やかに上昇し始め(資料:Response)
・2月12日午前0時:71.1℃(参考値)
・2月12日午前1時:69.5℃(参考値)
・2月12日午前2時:71.9℃(参考値)
・2月12日午前3時:74.1℃(参考値)
・2月12日午前4時:75.7℃(参考値)
・2月12日午前5時:75.4℃
・2月12日午前6時:74.4℃(参考値)
・2月12日午前7時:76.3℃(参考値)
・2月12日午前8時:74.5℃(参考値)
・2月12日午前9時:77.1℃(参考値)
・2月12日 正午:79.1℃
・2月12日午後2時:82.0℃(80度以上になってしまうと冷温停止ではない)
これは誤差を±20度と見積もっているため
・2月12日午後2時以降:90度近くまで上がった。(情報をぼかしてる)
とにかく都合の悪い情報はボカすという対応に不誠実さが現れている。
(情報源:47NEWS)
どうやら午後5時頃に90度近くに達したらしい
USTREAM:東電緊急会見(2012年2月12日 午後)
・2月13日午前11時:93.7℃
2012年2月13日午後5:00に保安院の会見があるそうです。
http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi3
100度近いので放射性物質が蒸発して飛散する可能性があります。
外出時にはマスクの着用をオススメします。(外に出ないことがベスト)
空気清浄機をオンにすることもオススメです。
気象庁の風向き情報のリンクを追加しました。(右のリンクリストにも追加)
気象庁:風向き
・ウィンドプロファイラ(上空の風向き)
・アメダス:風向き
・気象庁:メソモデル(福島周辺の詳細な風向きが分かる)
・スイスの気象局の粒子拡散予測動画(3日分の予測)
(SPEEDIの情報の開示がベストだと思いますが、出てないようなので)
ふくいちライブカメラ(2012.2.13 17:24現在、異常は見られない)
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/camera/index-j.html
また冷温停止状態が維持できないことが明らかになると、大飯原発の再稼働もできなくなります。そもそも、冷温停止が維持できている事が再稼働の前提としていたのですから、停止していない原発を停止しているというのはチョンボです。見苦しい。今回の温度上昇、キセノン検出、それらは、2号機が冷温停止状態から程遠いことを示しています。そこで東電は苦し紛れに壊れていないセンサーを壊れたと言って、冷温停止が出来ていると言いたいようです。今までの誤魔化し対応と全く同じです。
まず、キセノンが検出されて臨界状態なのに、検出限界以下などという勝手な基準を作って「臨界ではない」といってみたり、高い温度を示し、冷温停止状態が維持できていないことが明らかになると、その「温度センサーが壊れているから、実際には温度は上がっていない」とか言ってみたり、とにかく、専門知識のない一般人に対する舐めた誤魔化しの連続なのです。要するに子供がモノを壊した時と同じです。大人に壊していないことを説明するために、とにかく苦し紛れに自分はやっていないという下手な嘘をいうアレと全く同じ、低次元この上ない。
現象としては、部分的に臨界が生じることは可能性としては考えられるのです。問題は、その事実をねじ曲げて国民に伝えて、原発を再稼働しようとする不誠実な対応です。まず、キセノンが検出された段階で物理的に臨界状態なのですから、冷温停止とは言えないです。なぜなら、(核分裂が)停止していないのですから、当たり前です。温度上昇もセンサーの故障ではないと考えられます。これは、福島第一原発の現場にいるハッピーさんの意見によれば...
ハッピーさんのTweetの引用(2月12日のTweet)
- 例え温度計が壊れてたとしても温度計は修理出来ないし残り二つの温度計も壊れてしまったらどうするんだろ?オイラは壊れてないと思うんだけど。デブリ状況も温度計との位置関係も水の流れもわからないけど現象として一カ所だけ上がるのは不思議じゃないと思うんだ。
- それに壊れてたとしても、どういう壊れ方かはわかんないけど熱電対温度計は断線や端子の問題だとしたら針は+か-に振り切れるはずだし…。ノイズの話も納得いかないし…。しばらくはガス管理システムや塩分除去装置の戻りライン温度やその他のサンプリングで判断するしかないね。
- あとは原子炉建屋地下に新たな水中温度計を沈めるとか二回目のファーストエントリーを実施して温度を計測するとか…。色々やってみたい事は考えられると思うんだけどね。冷温停止宣言さえしてなければ一つの事象として捉えて色々対処分析できるんだけど、宣言の手前なんとしてでも温度を越えないようにって云う政府と東電の必死な態度が見えて、意地で無理して冷却水の量を増やしたりホウ酸入れてるとしか思えないんだ。
- きっと現場東電内にも冷却水増やしたら汚染水処理システムに問題が出るんじゃないかなって思う人はいるはずなんだ。でも冷温停止宣言の力には勝てないんだろうなぁ。なんで現場第一主義にならないんだろ…?やらなきゃいけない目標は一つなのに…。炉内を把握しない限りこれから先も色々あると思うけど、そのたびに宣言に縛られて他に弊害が出るんじゃないかなって心配でし。これじゃ2号機の第二回目のファーストエントリーも遅れそうだしなぁ…。今は宣言に縛られず現場は色々試してみたいはずなんだ、無駄でも色々試して消去法で分析判断するしかないと思うんだけど…。明日からまた頑張るでし。でわでわおやすみぃでし(-.-)zzZ
...とそういう状態なのであって、センサーの現状は壊れているよりもむしろ正常で、部分的に温度上昇があることを正確に知らせているものと考えられます。この意見には自分も賛成、壊れているのならば、センサーからデータが送られてこなくなるか、異常な値が出てくるのであって、微妙ににリアルなデータなぞ出てこないと思う。(訂正:13日の午後3時以降、問題の温度計を一旦停止して、再計測した所、異常な数値は出たため、温度センサーの故障と考えられる)そんな器用な壊れ方って有るかと思う。現象としては部分臨界はあり得る。その事実を真摯に受け止め、その場、その場で正しい選択をしていけばいいのに、冷温停止という建前にこだわって、国民に間違った解釈を広めたりして、温度は上がっているけど、これは冷温停止なんです。だから原発は再稼働できるんです。って言っているようでして、まったく馬鹿げています。そうやって形式にこだわり事実をねじ曲げていった先に福島第1原発の事故があったわけじゃないですか、彼らは全然反省していません。このような現場を無視した組織というのは、必ず同じ過ちを繰り返します。しかし、もう一度、原発で同じミスを犯されたら、困るわけです。そうなったら、日本は終わりです。場合によって皆さんの命が危ない事態になるかもしれないのです。ですので、原発の再稼働は許してはいけません。最初の約束通り、冷温停止が出来ていないのだから、原発再稼働はダメとハッキリと言いましょう。
再稼働が検討されている大飯原発がメルトダウンした場合...(風下に数千万人がいます...)
原発の耐震性能と、最近の地震の揺れの強さ(ガル:この場合、揺れの加速度を示す単位)
- 福島第一原発 : 600ガル(設計基準:実際には460ガルで壊れた)
- ストレステスト : 700ガル(近年の地震に対し、あまりにも過小な基準)
- 阪神大震災 : 818ガル(1995年)
- 大飯原発 :1260ガル(3〜4号機 耐震性能)
- 新潟県中越地震 :2516ガル(2004年)
- 東日本大震災 :2933ガル(2011年)
- 岩手・宮城内陸地震:4022ガル(2008年:観測史上最高/世界最大)
東電や政府の嘘のパターンは、都合の悪い数字は、検出限界以下などの言葉で曖昧に表現し、ハッキリした数字を言わない事で後々の責任問題を回避し、数字が安全だということを示すために、低い基準と比べて、優れた数値だと示すのだが、実際はその数字は近年の地震の強さに比べたら極めて脆弱だったりと、まぁやることがデタラメ三昧なので、今回のキセノンの検出限界以下という表現も疑いの目を持ってみています。というのは、嘘というのは、大抵、人の「こうしたい」という意思の矢印がついています。この場合は、原発再稼働という目標に沿った嘘がつかれていると私は見ています。原発再稼働を阻害する数値や条件に対して、検出限界値以下とか、センサーが壊れたとか、なんとなく都合が良すぎて、嘘っぽい説明が並んでいるところに疑いの目が向くわけです。