チェルノブイリ原発事故で被害を受けたベラルーシ共和国の解剖学の専門家が日本の暫定規制値について警告をしている。
ユーリ・バンダジェフスキー氏(病理解剖学の専門家)
- 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故以来、セシウム137の影響を調べるために、被曝して死亡しいた患者や動物の病理解剖を行った。
- 1999年に「チェルノブイリ事故におけるセシウムの医学的影響に関する研究論文」を発表した直後に、言論統制を強化していたベラルーシ政府当局に「ゴメリ医科大学の入学受験者の家族から賄賂を受け取った」という容疑で逮捕され、裁判で求刑9年・懲役8年の実刑判決を受けた。
- 2005年8月5日に仮釈放となったが、5か月間はベラルーシから退去することを禁じられた。その後、フランスの クレルモンフェラン(Clermont-Ferrand)市長から招聘され、現地の大学や病院で放射線障害の研究や被曝治療に携わった。
- 現在、ベラルーシを国外追放となり、ウクライナ・キエフ州のイヴァンキブ(Ivankiv)中央病院に勤務している。
どうも、原子力のこととなると、どこの国も本当のことをいう人間を封殺しようとするらしい。そのユーリ・バンダジェフスキー氏の意見によると、日本の暫定規制値は大変に危険だという。
- 『日本の子供がセシウム137で体重1キロあたり20〜30ベクレルの内部被曝をしていると伝えられましたが、 この事態は大変に深刻です。特に子供の体に入ったセシウムは、心臓に凝縮されて心筋や血管の障害につながるためです。1キロ当たり20〜30ベクレル[12]の放射能は、体外にあれば大きな危険はありません。それが内部被曝で深刻なのは、全身の平均値だからです。心筋細胞はほとんど分裂しないため放射能が蓄積しや すい。子供の心臓は全身平均の10倍以上ということもあるのです』(朝日新聞2011年12月8日)
20〜30ベクレルの内部被曝は、子供にとって大変に危険で、特に心筋細胞はほとんど分裂しないので、セシウムが心臓に凝縮されて、全身平均(20〜30ベクレル/kg)の10倍以上(200〜300ベクレル/kg)ということもあるのだそうだ。
- 『被曝の影響は、胎児や小さい子供に大きく出る。遺伝の影響で次世代に現れる可能性もあります。』(朝日新聞12月9日)
- 『遠慮抜きにいわせてもらえば、日本の暫定規制値は大変に危険です。』(朝日新聞12月15日)
- 『今の私は(ベラルーシを)国外追放の身です。驚かせたくはないのですが、すでに日本の子供の心臓から20〜30ベクレルみつかっています。(註:日本で子供の心臓の病理解剖をしていなければ、この数値は全身の平均線量[12]との誤訳の可能性あり)』 (NNN特命報道記者X2011 2011年12月18日放送[13])
このことから分かるのは、日本の暫定規制値500ベクレル/kgが、子供にとって非常に危険な数値であることが分かる。
資料:http://happy-net.jp/uploader/kizyunti.pdf
核種:セシウム137
日本 | ドイツ | 倍率 | |
水 | 200ベクレル/kg | 0.5ベクレル/kg | 400倍 |
食品 | 500ベクレル/kg | 8ベクレル/kg(野菜) | 62.5倍 |
子供 | 100ベクレル/kg | 4ベクレル/kg | 25倍 |
見ても分かる通り、3倍から20倍25倍から400倍もの危険な数値が日本の暫定規制値といえる。チェルノブイリで被害を受けたベラルーシ共和国の解剖医が実際に死亡した患者を解剖して言っているのだから、かなり信頼性が高い警告と見るべきだろう。
日本は、できるだけ早く、現在の暫定規制値を、子供にとって安全な規制値にするべきである。それをやらないと5年後にガンや心臓の病気を発症する子供たちが出てくるだろう。そして、その時は、恐らく2012年に選挙があって議席が50人程度に減った民主党が、その次の選挙で終わる時だと思う。(旧社会党のように)そして、今回の福島第一原発事故の温床となった腐敗構造を創りだした自民党も終わることになるだろう。東京電力もつぶされるだろう。まだ目に見える形で、それが起きていないから、それは顕在化していないが、このままだと、そういうレールができる。確実に。この問題はそれだけ大きな問題だということだ。この暫定規制値の警告は、日本という国がひっくり返る警告なのだ。政治家の皆さんは、この警告を真摯に受け止め、すみやかに暫定規制値を、諸外国の水準まで下げることをお願いしたい。もっと言えば、これはお願いと言うよりも、命令だ。有権者として命令する。
小宮山洋子 厚生労働大臣は、早く暫定規制値を下げるべきだ。このままだと、子供の心臓にセシウムが蓄積してしまう。子供を守れない政府とはいったい、何なのか、政府は東電と子供どっちが大切なんだ!