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ストロンチウム90について

ストロンチウム90について調べてみた。(比較対象としてセシウム137も調べた) 
 原子力資料情報室:ストロンチウム90
 http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/8.html
 原子力資料情報室:セシウム137
 http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/13.html

ストロンチウムと他の各種の融点と沸点
 セシウム    融点:28℃  沸点:671℃(Wikipedia:セシウム)
 ヨウ素     融点:113℃ 沸点:184℃(Wikipedia:ヨウ素)
 ストロンチウム 融点:777℃ 沸点:1382℃(Wikipedia:ストロンチウム)

 崩壊熱の推移

  • 引用:よく分かる原子力
    • これは崩壊熱に関する古い資料(原発事故の実測値ではありません)なのですが、そこから察すると、最初の1日で温度が1/10以下となっており、ストロンチウムが個体になる温度になっている事が伺えます。反面セシウムは液体のままですから、大量に水に溶け出して蒸発したものと考えられます。

核種の比重(水を1とする)
 ストロンチウム:2.63
 セシウム   :1.843
 黄砂     :2.0
 
セシウムは28度、ヨウ素は113度で液体となるが、ストロンチウムは、777度と極めて高い。水蒸気として飛散したものと考えると、セシウムは28度以上671度以下であれば液体状となっているが、ストロンチウムの場合は、その時は、個体であり、飛散するとすればチリのような状態といえる。よって、液体であるセシウムほど遠くまでは飛べないようだ。それでもチリとしては浮遊できる。では、どれくらいかというと、原子炉内では、セシウムストロンチウムも大体、同量存在すると言われているが、飛散する距離が違う点に注目し、チェルノブイリの実測値から推測する

チェルノブイリ原発事故におけるセシウムの飛散状況について

チェルノブイリの場合...
 セシウムを1とし、ストロンチウムは、どのくらいの比率で飛散するかを示す。
 原発周辺地域 1:0.1(発電所周辺、近隣諸国:ウクライナ
 名古屋    1:0.02
 遠くなるほど、セシウムよりもストロンチウムが飛散しないことが分かる。

福島第一原発の場合...
 横浜と東京のデータがある(2011.7)
 (福島第1原発から横浜は250km ちなみに東京は200kmくらい離れている)
 
  黒猫の戯言さんから引用(データを引用し要約したもの)
  http://tomynyo.tumblr.com/post/13105724261
  

遠くに行くほど飛散量は限定される。ただ、チェルノブイリは内陸にある原発のため、海洋の汚染は入っていない。今回の福島原発の事故の場合は、海洋汚染に問題がある。大気に放出された状態が、チェルノブイリと同じだとすると、1/10程度であると見られる。海洋の場合は、水底に沈殿し、生物濃縮されていくものと考えられる。200km以上離れた横浜や東京などを見ると、1/100以下になっていることが分かる。

ではなぜ、ストロンチウム90が怖いのかというと、体内にとどまっている期間がとても長いからである。代謝によって半分になる期間を生物学的半減期と呼ぶ。ストロンチウム90は、カルシウムに似ており骨に貯まる。その結果、骨髄などで放射能を長期間出し続け、白血病の原因になる。なお生物学的半減期は、物理的半減期を反映せず、あくまでも生物学的な代謝によって減る量について述べている。
 
 各核種の物理学的半減期と生物学的半減期
 

ここからストロンチウムを見ると、セシウム137の生物学的半減期の110日程度とは違い、49.3年(約164倍)と非常に長いことが分かる。これがストロンチウム90が恐れられている理由である。つまり、セシウム137に比べて1%に満たない微量であっても164倍も長く、放射線を体内で出し続けるので問題視されているのだ。では、具体的にどれくらいの線量に汚染されるのかという目安が実効線量です。
実効線量とは、放射性物質そのものの半減期、あるいは体内で代謝される期間を総合的(被曝の全期間的)に考慮した放射線被ばく量のこと。つまり、線量×体内にとどまる期間を考慮した総合的な被曝量のことを言う。例えばセシウムの場合は、物質的な半減期は30年だが、体内で代謝される半減期は110日であるため、半減期110日(放射性物質が半分になる期間が110日であり、なくなるわけではない)を元にして被曝期間を割り出し、線量×実質的な被曝期間を元に実効線量を割り出す。上記の実効線量の説明にグラフがのっているので、そのグラフを下記に引用する。

 引用:実効線量とは
 http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/yotaku_jikkou_syousai.html
 
 
そこで、ストロンチウム90の実効線量は...(10000ベクレルを経口摂取した場合)
 セシウム137   :0.13ミリシーベルト(資料:原子力資料情報室:セシウム137)
 ストロンチウム90:0.28ミリシーベルト(資料:原子力資料情報室:ストロンチウム90)

大体、倍の実効線量となる。例えば横浜の場合はセシウム137に対して、ストロンチウム90は、0.58%(1/172)なので、セシウム137に比べて1/80の実効線量と計測できる。つまり、実効線量から考慮するとセシウム137が最も恐れるべき数値となるが、もし、ストロンチウム90が同量汚染している地域だとすれば、セシウムの2.16倍以上の被曝するということになる。ただ、ストロンチウム90の飛散できる距離は短いため、大抵の地域でセシウム137が最も実効線量が高い放射線核種となる。ただし、内部被曝の原因は主に食料からなので、つまり、汚染された食べ物を食べたら、横浜にいるからといってセシウム137に対し、ストロンチウムが1/80になるわけではない。だから、できるだけ汚染されていない食物を食べることが重要なのだ。

それでは汚染量が大体わかったところで、次に、核種ごとの蓄積場所について調べた。

下記のURLからの引用()
 自然放射性物質と人工放射性物質の違い
 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1073280870

  • 進化の過程で、地球上の生物はこのような危険な自然放射性核種を体内に貯めないで排出する、つまり濃縮しない、ということを学んできた。 (免疫という人もいます。)60億年の付き合いなんですよ。原子炉が出来て初めて出来たような人工放射性物質には対応できず、このような放射性物質を濃縮、蓄積するのです。

(中略)

引用終わり

このストロンチウムセシウムの被害をどうすれば減らせるかということになると思う。その場合、ベラルーシ共和国のアドバイスによると、まず、ストロンチウムは汚染されていないカルシウムをきちんと取ることだという。カルシウムをきちんと摂取すれば、代謝が促進されて、結果的にストロンチウムも体外へ排出される。つまり、国内の原発から遠い大豆か外国産の大豆で作られた豆乳や豆腐でのカルシウム摂取が望ましい。原発の近くの魚の骨は食べるべきではない。専門家によれば、できるだけ汚染されたものは食べないことが大事だという。そうすれば、体の修復機能によって、放射能の被害を最小に抑えることが可能だという話だ。カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、なるべく原発から遠く、室内で作られたものを選び、特に露地物のキノコは避けることが大切。日光にも1日10分程度当たってカルシウムの代謝を促進することが大切。セシウムは、ペクチンなど繊維質を含む食品を食べるとよく排出されるという。(ペクチンは果物の果肉に含まれる)これも汚染されていないものが原則で、原発から遠いものが望ましい。

 【被ばくは回復できる】
 (このブログに他にも興味深い内容が沢山あるので読むことをおすすめする)
 http://ameblo.jp/hinasyunsaa/entry-11037949988.html
 一部を抜粋

  • 人間には「放射線によって障害を受けても、自分で回復する力」があります。回復量は、1日に約3マイクロシーベルトです。例えば、雨にぬれて30マイクロシーベルト被ばくしたら、その後10日間放射線を浴びずに、体を休ませてあげれば回復します。より回復をするには、バランスの良い食事と休養、明るく活発な生活が必要です。

 引用終了

現状の数値は、とても低い数値なので、気にすることはないという話なのだが、日本は基準が甘い(ベラルーシ:平均100ベクレル/kg(乳児:37ベクレル/kg) 日本の暫定基準値:平均500ベクレル/kg)ので、どれが安全なのかロシアンルーレット状態なのだ。よって、風評被害は甘い基準と不十分な情報公開で世間を不安にさせている政府に最も責任がある。(政府はただちに十分な食品の放射能情報公開体制の確立と基準の厳格化を進めるべきである)

 引用
 【野菜などの考え方】(2011.10.4)
 (大体2011年10月近辺に放射能に関する基礎情報が集中している)
 http://ameblo.jp/hinasyunsaa/entry-11037948781.html

  • 出荷制限されている野菜だけが危ないのではありません。放射性物質は、1箇所を目がけて飛んで来るわけではありません。ほうれん草だけでなく、畑全体が汚染された状態です。1つ1つの食品を取り上げて「1年間食べ続けても100ミリにならないから問題ない」というのは、とんでもないことです。外部被ばくと呼吸、飲料水、食品からの内部被ばくを足した合計が「1年で1ミリシーベルト以下」なら安心です。たとえ基準値以下でも、汚染された野菜はなるべく食べないほうが良いです。我が家ではらでぃっしゅぼーやを頼んでいます。らでぃっしゅぼーや独自の放射能検査(国の暫定基準値の10分の)をしているのでとても安心です。

 引用終了

この1年で1ミリシーベルトというのは、自然が放射している放射能のことです。世界平均では2.4ミリシーベルトですが、これは、食品、水、大気などから受ける被曝量全体を指し示している数値なので、食品に関しては年間1ミリシーベルトが適当だと言われています。

以上のことからストロンチウムの被害は、セシウム137程ではないと考えられています。理由は飛散量がチェルノブイリの事例から1/10程度と少なく、実効線量もセシウム137に比べて2倍弱程度なので、ストロンチウム90の問題はセシウム137の1/5程度(横浜の場合は1/80)ではないかと考えられているわけです。ですが、このストロンチウム90の問題点は、長期間にわたって体にとどまるということなので、基本的には体の修復力頼みのなのです。よって体の弱い人や子供は、なるべく汚染されたものを食べず、朝昼晩、きちんとバランスの良い食事をし、きちんと睡眠をとる事が必要です。そうすることで体の修復力が保たれ、放射能の影響を最小限に抑えることが可能となります。

そういう意味で私は、TPPに反対しています。なぜなら、TPPは安月給で沢山働けということなのですから、汚染されていない土地で食料自給率を確保することが必要です。難しいですが高収量作物(藻による飼料や食用油/石油の自給、飼料米米粉)による小麦の代替)を活用など、出来ることはありますので、それを実行することを政府に求め、TPP反対(食料/エネルギー/資源の自給体制の確立)、脱原発自然エネルギー促進/省エネ)を推し進めることが最善だと思います。それは十分可能なことです。そうすれば、TPPによって他国の支配下に落ちるよりもずっと自立した健全な国になれます。日本国民の健康と安定した経済を考えた場合、私はそれが最善だと考えています。そういう意味で3.11は日本の転機となると自分は考えています。