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福島第1原発、高濃度ストロンチウムを含む汚染水45トン漏れる

東京新聞:福島第一 汚染水45トン漏れる
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011120502000028.html

高濃度汚染水処理システムで淡水化するための蒸発濃縮装置の建屋内のコンクリートのひび割れが見つかり、高濃度ストロンチウムを含む汚染水45トンが建屋外に漏れた模様。ストロンチウムの濃度は、排出基準の100万倍という高濃度なもので、骨に蓄積され長期間、被曝し続ける危険なものであり、今回の汚染水の漏れは、あってはならないことであった。

 資料:Wikipedia:ストロンチウム

Wikipediaからストロンチウムについて引用

引用終了

Twitter引用:GoodBye_Nuclear(善川チャーリ)さん

  • ストロンチウム90は物理的半減期も生物学的半減期も長い厄介な放射性物質。骨に吸着する性質があり、実効半減期も18年で、倍の36年経っても1/4は体内に残り、長期にわたって延々と骨にβ線を浴びせ続ける。結果、骨のガンである骨肉腫や、骨髄を冒して血液のガンである白血病を引き起こす。

引用終了

どのように漏れたかということだが、12月4日午前11:00頃に作業員がひび割れから汚染水が漏れているのを発見したという。この時のストロンチウムが放出するβ線が毎時110ミリシーベルトだったという。この水準は、触るとヤケドのようなベータ線熱傷が起こすおそれがあるという極めて高濃度なもので、一部は500m先の海水に漏れたおそれがあるという。現在は土のうで塞ぐ処置を取ったという。しかし、建屋のコンクリートにヒビが入っているということは、地震が来る度に、そのヒビが拡大する恐れもあるわけで、油断ならない。ある意味、ボロボロの設備の中で汚染水処理をしている危うい状況が浮き彫りになったといえる。

また、管理体制も杜撰で、NHKの報道によると

 NHK:汚染水 海に一部流出の可能性
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111205/t10014410391000.html

最大で21時間、この深刻な水漏れに気づかなかったという訳で、管理体制の問題点も浮き彫りになったといえる。設備ボロボロ、管理ヌルく、汚染水漏洩という危険な状態と言えます。原発は扱うのには、東電は甘すぎます。東電いわく「水漏れがあっても、建物の中のせきにとどまると考え、対策が不十分な面があった。」などとすっとぼけたこと言っており、このようなぬるい連中に、この非常に危険な核施設を運用することなど不可能なのだと感じます。福島第1原発で失敗をし、その反省に立って、何重にも安全を重視する体制にしているのではなく、一枚壁を用意してあるから大丈夫などと考えているところがダメです。そもそも、今回の福島第1原発メルトダウンの原因は、対策をしてあるから大丈夫だという過信から生じていました。今回の汚染水の漏れも、堰があるから大丈夫だと考えているのですが、その堰にひび割れがあったという事で汚染水が漏れたのだそうです。絶対漏れてはいけない設備なのに、その設備の状態を十分に把握出来ていなかったことが伺えます。用心に用心を重ねる慎重さが東電にはないと思います。何が問題なのかというと、漏れてはいけないものの周囲にセンサーを張り巡らせるとか、そういう事をしていないと思われるからです。漏れた汚染水は110ミリシーベルトという高線量、しかも45トン、つまり、センサーを張り巡らせていれば、検知できたであろう高濃度な汚染です。普通は、危険なものを扱っているのですからセンサーが設置されているべきなのに、それが出来ていない疑いがあります。なお、この汚染水は放射性セシウムを除去した後の水なのでセシウムの汚染は限定的、むしろ怖いのはストロンチウムで、東電では、このデータの分析に2週間かかるということで、2週間後(12月20日)にどういうことになるか、非常に心配です。海水に漏れでた量は微量といいますが、私が心配なのは、21時間も、この深刻な状況を放置したヌルい監視体制です。

私が思うに、典型的な教科書人間のやることだと思いました。というのは、現実の物事にはやったことに対して、きちんと確実に結果が伴うということは稀なのです。それが通用するのはペーパーテストレベルの話です。特に福島第一原発のようなボロボロの設備では尚更です。あっちが壊れたら、こっちが壊れるというような状況では、堰があるから大丈夫という発想では対応できないのです。堰はあるけど、漏れるかもしれないから、逐一チェックしておけとか、もう一つ堰を用意しろとか、センサーを配置しろとか、そういう「不完全さへの疑念」が常にないといけないのですが、この連中の言葉にはそれが全く感じられない。どうしようもありません。このレベルの連中に原発を管理させていたのかと思うと背筋が寒くなります。こういう連中だったから、原発事故は起こったんだなと、ある意味、納得してしまいました。

ハッキリ言って、原発は、危険です。どんなに安全対策をしても、それを扱う人間がこの体たらくでは、どうしようもありません。脱原発は非常に正しいと感じます。今回の事例で脱原発をしないことは非常に危険だと改めて感じました。

堰の壁面に赤外線センサーを設置すれば、水が漏れたら、ひび割れの箇所にそって温度が下がるはずです。それを24時間監視とか、そういうことが必要な気がします。あと、多重防御が必要ですね。一枚の防御網が突破されたら、もう一枚があることによって、最終的な流出には至らず、その間に対策をすることができます。たった一枚だけだと、それが突破されたら海へ流出という結果となり、非常に問題です。絶対漏れてはいけないということは、そういう意識(冗長性のある体制)で管理するのは当たり前だと思っていたのですが、それが出来ていないように思えます。