Khronosが「OpenCL 1.2」を発表、計算デバイスの分割利用が可能に(2011.11.16)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20111116/201659/
OpenCLは、CPU、GPU、DSPなどの計算デバイスに一部の処理を実行させるプログラムを記述するための規格である。今回のバージョンアップでは、以下の改良を加えた。
(1)複数の計算ユニットに別々の処理を割り当てられるようにした。
(2)専用デバイスを、OpenCLで駆動する仕組みを用意した。
(3)複数種類のOpenCL対応デバイスドライバを共存させる仕組みを用意した。
(4)OpenCLのプログラムが他のプログラム(Javaなど)とリンクできる機能
(5)DirectX11との間でサーフェス・データを共有できるようにした
特に大きいと思われるのが、「WebCL」が策定されたことだと思う。JavaのライブラリからOpenCLを使えるということは、GPUの並列演算ユニットを使うことで、画像や動画などのJavaの処理が高速化するということを意味する。そうなればフルフレームで動くウェブページなどが出てくるかもしれない。まるで映画の中に出てくる滑らかなGUI表示が、WebCLを使うことで可能になるのではないかと思う。またディスクトップでやっていることをタブレットなどの携帯端末でも出来るようになるかもしれない。
記事の中では、写真などのデータの明るさやコントラストの調整をOpenCLを使うことで、CPU負荷をほとんどかけることなく、40 フレーム/秒のスピードで処理できていたという。より直感的なグラフィック処理が可能になるようだ。そろそろPhotoShopやIllustratorもクラウドに移行してしまう時代に来たのかもしれない。Adobeのソフトは高くてライセンスをしても、1世代前しかアップグレードできなくなったので、出来れば、WebCLを使ったウェブグラフィックソフトが出てきて、高くて、メモリばっか食うソフトは、いらなくなるような状態になってほしいというのが1ユーザーとしての本音だ。MicrosoftのオフィスがGoogleDocumentによっていらなくなったように、WebCLによって、AdobeのPhotoShopやIllustratorもいらなくなる時代が来つつあるような気がする。
Samsung WebCL Demo 1 - N-body simulation (1:20)
このデモでは、WebCLを使うことにより、WebGLの処理が高速化している様を見ることが出来る。