SKY NOTE

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公平なWTO、不公平なTPP

注:用語をミスしました GATT→WTO(GATTがWTOになった)間違っている部分が多いので、修正線は引かず、文章そのものを直しました。資料:GATTとは?(訂正:2011.10.30)

「いつからWTOは消滅してしまったのか」
http://blogs.yahoo.co.jp/hellotomhanks/61888962.html

自由貿易を促進するという中で、公平な国際協定はWTOである。TPPは、アメリカの息のかかった貿易協定であり、WTOに頭を押さえつけられてきたアメリカがTPPという抜け道を見つけたとも言える。WTO(世界貿易機関)は、不公正な貿易行為について、アメリカに対しても厳しい裁定を下してきた。日本がWTOに提訴すると、大抵、アメリカが負けた。これは、WTOが公平である証である。強いものに対しても毅然とした姿勢を持っているのは、WTOだと思う。なぜ、この公平なWTOを捨てて、TPPに日本が移行せねばならないのか?

私は、日本がWTOに提訴する度にアメリカが負けるのを見て、「WTOはしっかりしているなぁ」と思ったものだ。その判断には安心感がある。アメリカの自分勝手な論理を徹底的に否定するあたりは胸のすく思いだった。反面、アメリカは、このWTOに恨み骨髄だろうなとも思った。何とかして邪魔なWTOをなくしてしまいたいと思っていたのだろう。そこへ、TPPというのが出てきた。既に日本はWTOで自由貿易の恩恵を受けているのである。反面、TPPにはISD条項というのがある。これは、国に対して企業が訴えることができるというものであり、この間は、このISD条項で、カナダ政府がアメリカ企業に負けた。なんと政府が企業に負けてしまうのだ。私利私欲が公の政府に勝っているとも言っていいのがISD条項の裁定である。

ISD条項の裁定事例(カナダの場合は、北米自由貿易協定NAFTA内のISD条項)
引用:TPPの、ISD条項とは、各国が自国民の安全、健康、福祉、環境を、自分たちの国の基準で決められなくする「治外法権」規定

  • ある米国の廃棄物処理業者が、カナダで処理をした廃棄物(PCB)を米国国内に輸送してリサイクルする計画を立てたところ、カナダ政府は環境上の理由から米国への廃棄物の輸出を一定期間禁止した。これに対し、米国の廃棄物処理業者はISD条項に従ってカナダ政府を提訴し、カナダ政府は823万ドルの賠償を支払わなければならなくなった。
  • ある神経性物質の燃料への使用を禁止していた。同様の規制は、ヨーロッパや米国のほとんどの州にある。ところが、米国のある燃料企業が、この規制で不利益を被ったとして、ISD条項に基づいてカナダ政府を訴えた。そして審査の結果、カナダ政府は敗訴し、巨額の賠償金を支払った上、この規制を撤廃せざるを得なくなった。

上記の内容を見れば分かる通り、アメリカ企業に有利な裁定ばかりが通っている。WTOとは大違いである。つまり、アメリカは、自分の言いなりにならないWTOをTPP を使って有名無実化して、主導権を握りたいのである。要するにアメリカの私企業の利益を代弁するのがTPPのISD条項の実態である。このあまりにも公私混同も甚だしい裁定を見て皆さんはどう思うだろうか?それでも公平なWTOを捨てて、不公平なTPPを選びますか?

自分たちを守っているWTOを捨てて、危険なTPPを採用するのは、馬鹿げている。本物の国際自由貿易協定はWTOであり、偽物はTPPである。なぜ偽物なのか?TPPのISD条項の過去の裁定を見ると、公平さが全くない。私企業の発言権が政府に対して、あまりにもでかすぎる。政府とはその国の国民の主権を代表しているものである。その政府に対し、企業の株主の方が偉いみたいな扱いをしているのがTPPのISD条項なのだ。こんな主権を度外視したデタラメな制度を日本に輸入したら、成果主義の時と同様に日本は疲弊する。失われた20年がTPPによって40年になるかもしれない。絶対、TPPは入れるべきではない。危険だ。


中野剛志氏の主張は、率直かつ辛辣だ。だが、これが事実なのだ。

アメリカは、ISD条項によって、他国を私企業を介して、法的に支配することを目論んでいる。武力ではなく、ルールで他国を支配しようとしている。だから、日本はTPPに入るべきではない、とても危険だ。ルールを支配されるのは、とてもきつい。権威主義的な家にいて、ルールを支配されることがいかに自分の権利がなくなるかという事が身にしみてわかっている私にとって、このISD条項は身の毛もよだつ禍々しいものだと分かる。

 現実は極悪未満、悪人以上 
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20111010/1318177182

以上のリンクは、ルールを支配されると、どのように権利が蹂躙されるのか、私の子供時代を介して説明している。アメリカはTPPというルールを介して、日本を支配しようとしている。この文章で私はルールをコントロールして、己が利益を達成しようとしている人間のことを極悪人と定義している。私から見れば、TPPを推進するアメリカは、極悪人だし、その極悪人の言いなりになる事は絶望することになると忠告する。ルールとは公平であるべきであり、その公平の「こ」の字もないようなISD条項の裁定事例を見れば、このTPPがアメリカの企業主導の制度にしか過ぎず、一国の主権を私企業が覆すという、いかにデタラメなものかということが分かる。