Amazonから、Kindle Fireが発表された。残念ながら発売は米国のみだ。しかし、$199と安いので、iPadとスペックを比較してみたいと思う。
赤字は優れている方を示す
メーカー | Amazon | Apple | |
製品名 | Kindle Fire | iPad2 WiFi | |
価格 | $199 | $499 | |
液晶 | 7インチ IPS液晶 | 9.7インチ IPS液晶 | |
解像度 | 1024×600 | 1024×768 | |
重量 | 413g | 601g | |
厚さ | 11.4mm | 8.8mm | |
大きさ | 190mm×120mm | 241mm×186mm | |
CPU | ARM 1GHz Dual Core | A5チップ(ARM 1GHz Dual Core) | |
GPU | ??? | ??? | |
メモリ | ???MB | 512MB | |
記憶容量 | 8GB |
16GB | |
バッテリ | 8時間 | 10時間 | |
ネット | 802.11 b/g/n | 802.11a/b/g/n,Bluetooth 2.1EDR | |
カメラ | なし | 前面:500万画素(静止画) | |
背面:720p(ビデオ+音声) | |||
センサー | ??? | 3軸ジャイロ、加速度センサー、環境光センサー | |
位置情報 | なし(多分) | デジタルコンパス | |
USB | あり | なし | |
マイク | なし | あり | |
OS | android | iOS | |
コンテンツ | 日本では音楽のみ | 日本では映画、音楽のみ | |
発売日 | 2011年11月5日(米国のみ) | 2011年4月28日 |
1.iPadとの比較
- スペックを眺めて思うのは、やはり価格が違うので若干痛いスペックがある。それはBluetoothがないことだ。これはワイヤレスヘッドフォンが使えないことを意味する。あとはフラッシュメモリの容量、自分は初代iPadの16GBを使っているのだが、やはり、最低16GBないときつい。音楽入れてアプリを入れてドキュメント入れて...とやっていくと、あっという間に半分超えてしまう。つまり、8GBだと動画が入らない。
ただ、マイクロSDカードスロットで32GBまで拡張可能とのこと。軽いし安いし画面もIPSだから綺麗だろうし、悪くない選択肢だと思う。あとセンサー系が多分、コストダウンでなくなっていると思う。ただ、ジャイロ系はあるのかないのかスペックシートが大雑把なので分からない。ジャイロがあると、画面の縦表示や横表示の切替の時に便利なのだが...あとゲームで使うかな。画面はね、小さいと書類は読めるかどうかはきついかも、iPadのサイズが一番ちょうどいい感じがする。それ以下だと見難いと思う。だがコミックを読むのならばぜんぜん問題ないサイズだと思う。マイクがないのはボイスレコーダーのように使えないのは痛いかな、録音て、使えると便利だから。カメラの有無は、自分はデジカメと一緒にiPad持ち歩いていて思うのは、タブレットにカメラがあると、カメラで撮った写真を見れて便利だろうなと思う。ちょっとしたメモには、タブレットにカメラが入っていると便利だと思う。あくまでもコンテンツビューワーとしてみれば、小説やコミック向けという感がある。仕事の書類には画面が小さすぎてキツイ、動画は記憶容量が8GBと少ないので拡張する必要がある。クラウドで拡張する必要がある。当然ながらネット環境が必要。だけど一般的なアプリケーションを見てみると、それほど悪くないと感じる。なんといってもIPS液晶で高解像度だから画面はきれいだと思う。
2.使い勝手について
- 1.音楽 :ワイヤレスヘッドフォンが使えないのが辛い。ケーブルが邪魔だから。
- 2.ビデオ:容量が8GBはキツイ
(MicroSDカードで32GBまで拡張可能とのこと) - 動画はクラウドで、しかし、現在の日本にはAmazonの動画サービスはない。
- 3.出版物:画面が小さく軽いので、コミックや小説を読むのには最適
- A4の書類には小さすぎる。(だが目がいい人は気にならないかもしれない)
- 4.電池 :持続時間は8時間と普通、10時間のiPadよりちょっと少ないくらい
- 5.携帯性:413gと片手で持てて軽くて良い。iPadは重い。
- とても安くていいところもあるのだが、どうしてもコストが安い分だけ、キツイ所が出てくる。USBがあるから、Bluetoothに対応させようと思えば出来るのだが、携帯機器って、そういう拡張機器をつけるとかさばってしまう。そこが痛し痒しのスペックとなる。だが、そういうリッチな環境は必要ないという人には、いいスペックの製品だと思う。容量が少ないところをどうカバーするかというところにAmazonのクラウド戦略があるのだが、ネット環境がない所では無意味なのである。ただし、タブレットを誰もが手に届く形で使えるという点では、優れている。子供に持たせるという感じだと、漫画が読めてゲームもそこそこ出来て、音楽も聞けて、本にもなって、便利じゃないかと感じる。だが、仕事でA4の書類を見るとかだと画面が小さすぎると感じる。安くて軽く、片手で持ち歩くことができるので、サブノートならぬ、サブタブレットという市場ができるかもしれないと感じる。リッチな機能はないが、
容量を拡張したり、クラウドを活用したり、使う機能を絞り込めば、(画面が小さいのでリンクを上手くクリックできるか不安だが)片手でネットブラウザは便利だし、小説やコミックを読むのには軽くて便利だし、ちょっとしたメモ帳程度ならば、大きくて重たいiPadよりもいいかもしれない。
3.Kindle Fireが変えるモバイルスタイル
- これがiPadと比較した時の雑感。自分は、iPadを使っていて一番便利だと思ったのはPDF書類の閲覧なので、A4書類には7インチ画面は、小さすぎて、あまり魅力を感じない。だけど、片手で持てる軽さは便利だと思う。よって、メインではなく、サブタブレットという視点で見れば、それなりに魅力的だと思う。とにかく安いから、そういうサブの視点で見れば、大きくて重たいiPadよりもこっちの軽い方で使いたいニーズは出てくると思うのだ。ただ、色々使いたいとなると、欠損してくるスペックも多いことは確かなので、Amazonの本命と言われている7インチや10インチタブレットを待つのも一興だと思う。
- ただiPhoneとsub Tabletは同じ片手で見るメディアなので若干ぶつかる。だが、片手で持てるメディアとしてみれば、これはこれでアリ、MainTabletは、あらゆる書類やデータをオールマイティに見るのに使う。編集はPCでという感じ。電車の中で携帯と小説を持ち歩いている人が、携帯とKindle Fireを持ち歩き、カバンにはiPadが入っている。というのが日常になるような気がする。んでもってクラウドの本棚があるみたいな...そんな感じ。
4.Kindle Fire 紹介ビデオ
- なめらかに動くビデオを見ると、このTabletの売りは、片手で持てるハードに、silkという高速ブラウザにあると感じる。そして、Amazonの豊富なオンラインコンテンツにある。しかし、日本では音楽のみで映画がない。多分、本命と言われている7,10インチのタブレットを出す頃には、日本でもビデオが扱えるのではないかと思う。そしてなんといっても199ドル、超安い、これが最大の売りだろう。
まとめ
- 機能的にも利便性でもiPadには勝てないが、片手で持てる軽さと、199ドルという圧倒的な安さで、そこそこ使えるというのは、魅力だろう。特にビデオで見る限り、軽量ブラウザであるSilkの出来はいい。弱点も多いが、それは安いから仕方が無い。音楽プレーヤーとしてみると、ワイヤレスヘッドフォンが使えないが、ケーブルは特に邪魔じゃないという人や、既にiPhoneを持っている人は、そっちを使えばいい。文書入力だとワイヤレスキーボードが使えない、ただし、これはUSB端子に直接キーボードを繋いだり、Bluetoothレシーバーをつければ、ワイヤレスもなんとかなるかもしれない。ブラウザとしてみるとSilkの動作はとてもなめらかで、とてもいい。寝転がりながらネットサーフィンに持ってこいだ。マイクがないからSkype端末として使えないのは残念。(USB端子でマイクを拡張すればいいかもしれない)漫画を読むのには最適なスペック。しかし、書類を見るとなると画面が小さいので文字は小さい。解像度が高いので美しく見えるだろうが、とにかく文字が小さいと厳しい。というように、痛し痒しのところもがあるが、タブレットを楽しむのには、結構いい感じのスペックだと思う。だが、なにか色々やりたいと思うのだったら、最初からiPadを買った方がいいと感じる。