ついに筑波大学の渡邊信教授の発見した藻(オーランチオキトリウム)で石油を作る共同研究が本年度中に開始されると言う。
下水と藻「オーランチオキトリウム」で石油を作るバイオマス燃料−仙台市、筑波大、東北大が実用化に向け共同研究開始された。下水から藻を生成し、その藻から重油の成分に近い油をとり出す研究だ。
世界の水事情:下水と藻「オーランチオキトリウム」で石油を作るバイオマス燃料−仙台市、筑波大、東北大が実用化に向け共同研究開始
これによると「南蒲生浄化センター」の下水を使用し、「オーランチオキトリウム」を増殖する実証実験を本年度中に開始」だという。ついにオーランチオキトリウムの実証実験の研究が始まったと思うと、素晴らしいと言う他ない。
オーランチオキトリウム
・30度程度で最も培養速度が高くなる
→1万トン/ha(深さ1メートルの水層を用いた場合)
→1130万リットル/ha(重油の比重で換算)
→日本の石油消費量は2546億リットル(2006年)
・養分は有機物で光合成を必要としない
→よって養分は、下水などを使い、光合成が必要ないので深い水層が使える。
→大量の養分が必要(日本中の有機物をかき集める必要がある)
→光合成がないので二酸化炭素を吸収してくれないがカーボンニュートラルである。
・油の性質は重油に近いと言う
→化学原料としても使用が可能
この実証実験がうまくいけば、日本は下水と言う油田を手に入れた事になる。あらゆる有機物が石油となる可能性を持っており、日本のエネルギー自給率安定化するのみならず、世界のエネルギーの安定供給をももたらす可能性がある素晴らしい研究だ。しかもカーボンニュートラルだから、二酸化炭素の問題もない。この研究は非常に素晴らしい。
自分は、以前このブログでこの藻の培養水層として、避難道路と融合した。培養水層を提案していた。下記はそのイラスト。いざというときに逃げられたり、堤防となる避難用道路とオーランチオキトリウムによる石油生産を両立し、安全と経済の両立を目指したアイディアだ。
あとで考えたのだが、この盛土の斜面にブランチブロック工法を採用し補強する事で、より強度の高い堤防や避難道路にする事が出来るだろう。一石二鳥アイディアだ。そして、最近発表されたタワー型集光型太陽電池で集めた熱で培養速度を上げて生産性を高めれば、もっと面白い事になる。
ブランチブロック工法
http://www.maruyamagawa.or.jp/gogan.html
JFEエンジ、タワー集光型太陽光発電システムの開発に成功
http://www.ecool.jp/press/2011/08/jfeeng11-0803.html
より強度の高い堤防をブランチブラック工法で実現し、タワー型集光型太陽電池で電気と熱を手に入れて。熱はオーランチオキトリウムの培養に使い、電気はそのまま使う。そういう新しい仙台を構築する。とても面白いではないか、石油も電気も皆、自給自足が出来る社会となれば、内需経済で日本社会を回していける。それすなわち、国際競争などせずとも良い。これからは成長経済ではなく循環経済だ。