SKY NOTE

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汚染焼却灰の処理方法が決定した

NHK:焼却灰処理 環境省が新方針
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110828/t10015198891000.html

8月28日、汚染焼却灰の処理方法が決まった。

・8000ベクレル/kg以下

  • 地下水への流出を防ぐ対策をしたうえで、埋め立てができる

・8000ベクレル/kg以上〜10万ベクレル/kg以下

  • 灰をセメントで固めたり、コンクリート容器にいれて埋め立て

・10万ベクレル以上

  • 灰をセメントで固めたものを屋根やコンクリートの囲いがある処分場に埋め立てる

この対策は当ブログが6月17日に提案したものと大体同じ内容となっている。

福島第一原発の問題「じゃぁどうするか?」
http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20110617/1308246522

自分の案では、さらに1000年単位の耐久性がある古代コンクリート技術を用いる。セシウム半減期は30年、しかし、現在普及しているコンクリート技術では、半減期1回分の30年たつとボロボロになってしまう。しかし、ローマのパンテオン(1883年前)やエジプトのピラミッド(4600年前)などを構成していると言われる古代コンクリートは1000年以上もつ、この古代コンクリートの技術を用いる事で、放射性セシウムを安全に閉じこめる事が出来る。

左がパンテオン(Wikipedia)、右がピラミッド(Wikipedia)

引用:現代のポルトランドセメントはアルカリ性でだんだん中性になって崩壊するが、古代コンクリートは炭酸化していくので強度が数千年も持続している。結合構造も古代セメントはジオポリマー(Geoplymers)と呼ばれるものである。また、現代のセメント建築物は鉄筋コンクリートとしないと強度が保てないが、古代コンクリートはその必要がないといった根本的な違いがある。ローマ帝国滅亡後は使用された痕跡がないとされる。近年、古代コンクリートは徐々に見直されつつあり、日本でも鹿児島大学の武若耕司がシラスの有効活用のために研究をしている[1]。強度が強く、強度発生までの時間が短いため、軍事面での応用や研究も行われている。

そういう耐久性の高いコンクリート技術を使わないと30年後にコンクリートがボロボロになって放射性セシウムが地下水に漏れ出したなんて事になる。私の案では、その上に保管施設には放射線を検知するセンサーがあり、24時間監視するという多重防御となっている。環境省の方針は、このレベルの提案がされているのだろうか?特に使うコンクリート技術について言及がなかったのが気になる。

汚染焼却灰の問題は、これで処理方法が決まった。この流れで、廃棄物処理が進めば、復興も前進するだろう。しかし、この結論に至るまでに、5ヶ月以上も要するとは、時間がかかりすぎている。自分が提案したのは汚染焼却灰の問題が表面化した6月。セメントで固める以外に方法がない事は分かり切っていた筈なのに、どうしてこうも決定に時間がかかるのか分からない。

こういう決断の遅さは、社会全体に蔓延していて、一政治指導者の問題として片づける事は出来ない。手続きとか議論とか、そういうものを省いて、どんどん進めるような危機対応型のコミュニケーションモデルが必要だと感じる。平和な時代が長く続いたせいか、何事も平時の論理で対処し、危機対応に時間がかかるのは問題だ。誰もが決断の責任を恐れているが、対処が遅れた責任を誰もとらないと言う状況は、非常に問題だと思う。誰も責任をとらず、時間だけが犠牲となるが、その時間こそが人の生死を分ける危機的状況を考えたとき、手続きよりも決断を優先すると言う方法論がもっと認められてもいいのではないかと思う。間違えたら修正すればいい、そういう寛容さがないと時間を犠牲にしてしまう。今回のように最初から分かり切った事でも時間を沢山使ってしまうのは、あまりにも官僚的で無駄が多いと自分は感じる。