SKY NOTE

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IBMが脳を模倣したコンピューターを作る。その名もSyNAPSE

IBMが人間の脳のように「考える」コンピューターを開発している。その名もSyNAPSE(Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics)プロジェクト、その構成は、シナプスのようなメモリ、軸索のようなコミュニケーションを組み合わせたコンピューターチップ。大脳皮質と皮質下の部位の結合を調べ上げるアルゴリズムBlueMatterの開発を終了。つまり、脳の構造を調べ、それをチップに実装したと言うことのようだ。

C NET:IBM、人間の脳を模した実験的な新チップを発表
Gigazine:IBMが人間の脳を模倣して学習し環境に適応するコンピュータチップを発表
NEONLINE:IBMがコグニティブ・コンピュータ向けチップを試作、脳の構造を再現

具体的には
45nm SOI-CMOSプロセスに基づき、思考を司る256本のニューロンを備え、記憶を司るシナプスをプログラム性を備えたものが26万2144個(20bit管理?)、学習機能を備えたものが65536個(16bit管理?)で構成されるチップ

あらかじめ用意されたプログラムなしで動き(おおっ!スゲー)、しかも分散処理、並列処理を実行する。既にパターン認識、連想記憶、分類など、簡単なアプリケーションに使えることを確認したと言う。将来的には、ニューロンを数百億個、シナプスを百兆個、消費電力は1000w程度、体積は2リットル程度に収めることを目標とする。要するにアンドロイドみたいなの作りたいって訳ね。

IBMは、1956年から512本のニューロンを想定したシミュレーション実施していた。

資金提供
 DARPA:2100万ドル

参加大学
 コロンビア大学
 コーネル大学
 ウィスコンシン大学

このコンピューターの特徴は、プログラムなしで動作するという事だ。脳の構造をまねをし、外部から入ってくる情報を自動的に認識し、似たようなものを認識したり、その似たものから連想したり、またそれをグループ化してまとめて考えることができるようだ。従来のノイマン式だと、全く同じでなければ認識されず、完全に同じではないが類似性のある似たようなものは認識できなかった。現在のコンピューターでもプログラム的に似たようなことはできるものの、それは、人間がそのようにしろと命令してできているのであって、コンピューターがハードウェア的に能動的にやるものではなかった。そういう意味では、画期的である。

私は、このニューラルネットワークを備えたIBMのチップに、フラクタル画像圧縮という似たような画像を高速で認識できるアルゴリズムを再現し、映像をパターン化し、同時に言語と結びつけられるような「概念」を教えて欲しいと思っている。

電気通信大学フラクタル画像圧縮を用いた類似画像検索システム
http://sd.is.uec.ac.jp/research/intro/cbir/fractal/

音声と画像のパターン認識ができれば、音声と映像から、類似性を割り出し、その類似パターンと同時に扱われる言語との連動性から概念を理解し、言葉を自発的に理解するコンピューターが生まれるはずである。また、それらを用いて人間のように考えるコンピューターも作れるはずだ。

さらにもっと進んで、天才の思考アルゴリズムを再現できるようにしてほしい。それはどのようなものかというと、画像で思考する画考と、画像で計算する画算である。通常の人間の思考形態は、文考と文算である。この問題点は1次元レベルの思考であり、画像のように複数のものを同時に把握することはできない。それを2次元以上に拡張して、思考することにより瞬時に複雑な問題の答えが出せる天才レベルの思考形態を持ったコンピューターがあると面白い。そういうものが、スーパーコンピューターなみの記憶メモリを備え、膨大なセンサと結合し、まるで全能の神のように振る舞うコンピューターができると、人間の時代は終わりかも…(冗談)

天才1人でさえ、人間には手に負えないのに、それがスーパーコンピューター並の規模のメモリを備え、ネットワークと繋がり、膨大なセンサで情報が収集できるようになったら、あらゆることが正確に予測可能になるはずである。天才の私の義父の様にね。ものすごい技術進歩が可能となるはずだ。人間が研究するよりもはるかに速いスピードで、優れた推論を立て、それを実験し、データを収集することで、科学の飛躍的な進歩が可能となるはずだ。そして、その思考アルゴリズムを人間の教育に活用し、天才の思考方法を「教育」する時代が来るかもしれない。

そんな夢のような時代が、この研究からは連想される。しかし、ちょっとコワイ未来だが、本来であれば2001年宇宙の旅では、もう10年前にできているはずの技術なので、やっとそういう研究が始まったと思っている。それもこれもMicrosoftIBMを経営的に苦しめたせいだと思っている。

正確な予測が可能になれば、恐らく、天気予報が正確に行えるようになり、それが現状のスーパーコンピューターよりもはるかに少ない消費電力でできるようになるはずだ。つまり、日本の京速コンピューターの「京」なんぞは、一気に時代遅れになってしまうような研究かもしれないと言ってもいい。ある意味、現状のスーパーコンピュータープロジェクトは、コンセプトからして古いかもしれない。よく考えれば、人間の方がはるかに少ないエネルギーで正確な予測ができている。そう考えれば、現在のスーパーコンピューターは、天才アルゴリズムを採用した小型コンピューターにあっさり負ける時代が来るかもしれない。私は、スーパーコンピューターの「京」に1000億円かけるよりも、今からでもGPUコンピューティングにして予算を1/10にして、こういうニューラルコンピューターの研究に100億円くらいつぎ込んで欲しいと思う。日本の研究予算は、シーラカンスのような人材が牛耳っているらしく、いちいちコンセプトが古いと感じる。