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東北電力、電力使用率97%について

東北電力エリアの電力使用量、最大で97%に到達
http://gigazine.net/news/20110805_setsuden_tohoku/

東北電力の電力の電力使用量が最大で97パーセントに達した。そこで、東北電力の状態を調べてみた。それによると東北電力は震災で火力も原子力も両方大きなダメージを受けている。

資料:Wikipedia:東北電力

東北電力の被害状況(赤い部分は被災した発電所、オレンジは中破)

被災した発電所の情報
原子力発電
 Wikipedia:女川原子力発電所
 Wikipedia:東通原子力発電所
火力発電
 Wikipedia:原町火力発電所
 Wikipedia:新仙台火力発電所
 Wikipedia:仙台火力発電所
 Wikipedia:勿来発電所

現在の東北電力は、3.11以前の1955万キロワットの供給能力に対して、1245万キロワットしかない。しかも、この間の大雨で水力(揚水発電)が一時的に使えなくなっているらしく、8月5日の供給能力は1211万キロワットだった。そこへ1180万キロワットの需要が来て、97パーセントという高い使用率を記録したというわけだ。

 資料:河北新報社:東北電力が東電から30万キロワット融通 一部水力が被災

このとき、同じ50Hz地域の東京電力は875万キロワット余っていた。そこで、東京電力東北電力に30万キロワット融通したという。東北の福島にある原発から東京に電力を供給していたわけだから、十分、電力を融通できるだけの太い電線があり、同じ50Hz地域だから周波数変換する必要はなく十分融通できるのだ。電力会社間ではよくやっていることだ。

8月5日の東京電力の電力消費グラフ(875万キロワット余っている)

今日の東京電力の2%(100万キロワット)程度が東北電力の需要の8%となるわけだから、余裕で支えられるのだ。ちなみに今年の東京電力の最大需要は4599万キロワットであり、これを今日の東京電力の供給能力(5060万キロワット)から引いてやると460万キロワット融通できる計算になる。これは東北電力の37%の供給力に匹敵する。余裕で東北電力支えられる。(要するにトータルでは大丈夫って事)関東の人々の節電によって東北の電力は十分支えられる。ただし、60Hz地域の関西地方となると、東京電力が融通できるのは、周波数変換が必要となるため、100万キロワットが上限となるそうだ。


引用元:Wikipedia:日本の電力網(赤が50Hz地域、青が60Hz地域)

東北電力は、震災によって総出力の40%が供給不能状態であるが、関東の人々の節電によって東京電力に余裕があるので十分支えることができる。それだけの規模の節電をすでに私たちはしているのである。問題は関西地方だが、関西地方の火力発電所は被害に遭っていないはずなので、節電を関東並にやっていれば、余裕があるはずだ。なぜなら、最も被災した東北地方の火力発電所の被害は、383万キロワットであり、日本の原子力を省いた発電出力規模は1億9000万キロワット(2009年:エネルギー白書)である。そこから東北の被害規模を省いても1億8000万kw程度の原子力を除いた発電所がある。そして、例年の電力ピークは1億8000万キロワットであり、今年はどうやら、1億3800万キロワットが日本全体の電力ピークのようなのだ。この数値は、東京電力が日本の電力消費の1/3(対象人口も日本の1/3)の規模の電力会社なので、最近の最大ピーク(4600万キロワット)を3倍にすると、1億3800万キロワットとなる。つまり、原発を省いた発電出力が1億8000万キロワット分あるので、十分間に合う計算になるのだ。原発がなくても、電力会社間で電力を融通しあえば、十分日本の電力を支えられる発電規模が既にあるということだ。ある意味、東北電力はすでに脱原発をしているといってもよい。東北電力単体では、電力不足になったとしても、東京電力も含めたトータルな視点で見ると余裕が十分にあるのだ。その証拠に経済産業省東北電力の電力の使用率が97パーセントになったにもかかわらず、電力の使用注意報を出さなかった。東京電力が融通すれば、余裕があるから、注意報を出すほどでもなかったのだ。電力は電力会社単体で見るのではなく、50Hz地域と60Hz地域の送電網単位で見るべきだ。