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有機ゴミを燃料に変える「バイオコークス」(石炭)

現在、あまり注目されていないが、バイオーコークス(石炭)という技術がある。これは、植物のカスを高圧で固めて石炭のようにしたものである。なぜ、これに注目するかというと、日本の火力発電は、このバイオコークスが主流になると予想するからである。なぜなら、現行技術で既に実用レベルであり、また、バイオエネルギーを作る際に生じる膨大な搾りカスが使えるからである。つまり、オーランチオキトリウムやボトリオコッカスなどの藻を培養し、石油を搾り取ったカスを固めてしまえば、バイオオイルの他にバイオ石炭も同時に手に入ってしまうのである。この石炭は植物由来なのでカーボンニュートラルなのだ。

つまり、実用化が既に可能な段階にあり、石炭火力発電所にこのバイオコークスを投入すれば、それ自体で既に二酸化炭素を出さない発電所に早変わりしてしまうのである。

資料:高槻市バイオマスタウン構想策定委員会

上記のPDFの5ページ目の資料を引用すると...

  • 今、恵庭で、実験室データを実機に当てはめて計算している。乾燥原料から始まる と今の効率ではおよそ15%程度が必要、つまりエネルギー回収率は85%。乾燥が 必要な原料には、乾燥・前処理に10%くらいエネルギーが必要なので、今のところ ウエットな原料だと最終75%のエネルギー量が残せると計算している。

バイオマスから絞り取った濡れたバイオマスをバイオコークスにした時の取り出せるエネルギーが75%だと聞いて、これで決まりだなと思った。現在、日本にあるバイオマスのリスト2000年の資料なので若干古いけど、これだけある。その殆どがウェットバイオマス、濡れたバイオマスである。

2000年の資料:微生物を利用したバイオマスの資源化技術 P.8
ウェットバイオマス
 家畜排せつ物 :9100万トン
 下水汚泥   :7600万トン
 し尿汚泥   :3200万トン
 食品廃棄物  :1900万トン
 黒液     :1400万トン
 合計     :2億3200万トン

乾燥バイオマス
 廃棄紙    :1400万トン
 農作物非食用部:1300万トン
 製材工場等残材:610万トン
 建設発生木材 :480万トン
 林地残材   :390万トン
 合計     :4180万トン

ウェットバイオマスからバイオコークスが35%25%取れると仮定して8000万トン5800万トン、そして、乾燥処理を含めた効率が75%なので実質的な生産量を6000万トン4350万トンとすると、そこから発電できる電力は、1980億kwh1436億kwhである。つまり、既に実用化段階で、しかも、こういった有機材料からバイオ石油を取り出し、エタノールを抽出し、バイオガスを取りだし、最後に残ったカスを固めて燃やしちゃう。その最後の固めたものがバイオコークスというわけである。そして、灰は石灰と混ぜてジオポリマーという劣化しないセメントにする。排熱はコージェネレーションで暖房、野菜工場、オーランチオキトリウムの培養に使う。出てきた二酸化炭素ボトリオコッカスの培養に使う。何もかも無駄はない。使い尽くす。

バイオーコークスさえ出来れば、発電所を新設する必要はなく既存の発電所にバイオコークスを放り込めばいいのだ。

つまり、石炭火力発電の燃料にバイオコークスを使えばいいわけ。それだけで日本の電力の20%14.8%は調達できるだけの有機廃棄物が毎年排出されている。この有機物のゴミをバイオコークスに変える事で二酸化炭素を増やす事なく、日本の電力はまかなえる。しかも供給安定性は火力発電だから出力を可変できるので安定している上に、国内資源である。このバイオコークスによる火力発電と自然エネルギースマートグリッドと省エネの組み合わせで日本の電力は二酸化炭素放射能の心配のないものになる。エネルギーは原子力だけではないのだから、原子力はやめていいのである。
 
近畿大学プレスリリース:2011年4月22日 次世代バイオ・リサイクル燃料「バイオコークス」 ―― 大阪府森林組合、世界初の商用製造プラントを建設 6月中目途に操業開始、間伐材などをエコ燃料化して販売