SKY NOTE

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2011年の夏の電力は足りるか?

結論から言うと、東京電力内ではこのままピーク時、15%節電を続けていけば、間に合いそう。ピーク電力を抑え込む事が出来れば、あとは、火力発電でまかなえる。現在、日本の電力消費量は9550億kwh(2009年)、その内、火力発電の稼働率は49.8%で、年間、約6000億kwh発電していて、水力が850億kwhである。もし、火力発電の稼働率が100パーセントになったら火力発電だけで1.2兆kwhと、日本の全電力をまかなえる計算になるが、実際には、電力のピーク出力を全てまかなえないので、稼働率は下がる。つまり、逆に言えば、ピーク電力さえクリアできれば、原子力発電所を止めても火力発電の稼働率が上がるので、電力不足にならないし、停電にもならないと言うわけだ。
 
1.今年の電力は足りるのか?

  • 東京電力の例年の夏のピーク電力は5500万kwであるが、現在の東京電力の最大供給能力は5200万kw、8月以降は原発が1基定期点検に入るので5070万kwである。現在の電力需要は、例年のピークを15%程度下回っている。このまま15%節電が続けば、4675万kw程度で済む計算になる。つまり、余裕でクリアできる。

 
2.来年は電力は足りるのか?

  • しかし、来年以降はどうだろうか?来年になれば、殆どの原発が止まる。東京電力では、現在、柏崎刈羽原発の1、5、6、7号機が稼働している。

 

 

  • <引用>
    • 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震東日本大震災)で高さ14〜15mの津波をかぶり浸水、原子炉冷却機能が失われた福島第一原子力発電所事故の発生を受け、東京電力は本原発において海抜高さ15mの防潮堤を2013年6月までに設置すると発表。1〜4号機の防潮堤延長は800m以上、5〜7号機は500m以上となる。併せて2012年9月までに原子炉冷却機能を失った場合の注水の溢れを貯める貯水池も設ける[24]。なお、本計画発表後も1、5、6、7号機は営業運転を継続中である。

 

    • 1号機 (KK-1) 沸騰水型軽水炉 (BWR)     1985年9月18日 110万kW
    • 2号機 (KK-2) 沸騰水型軽水炉 (BWR)     1990年9月28日 110万kW
    • 3号機 (KK-3) 沸騰水型軽水炉 (BWR)     1993年8月11日 110万kW
    • 4号機 (KK-4) 沸騰水型軽水炉 (BWR)     1994年8月11日 110万kW
    • 5号機 (KK-5) 沸騰水型軽水炉 (BWR)     1990年4月10日 110万kW
    • 6号機 (KK-6) 改良型沸騰水型軽水炉 (ABWR) 1996年11月7日 135.6万kW
    • 7号機 (KK-7) 改良型沸騰水型軽水炉 (ABWR) 1997年7月2日 135.6万kW
  • <引用終了>

 

  • 現在稼働中の1、5、6、7を合わせると491.2万kwとなる。つまり、5200万kwから491.2万kwを引いた値が、原子力を抜いた東京電力内の最大電力供給能力である。その値は、4708.8万kwである。つまり、現在の15%節電が出来ている状態から想定されるピーク需要は4675万kwなので、東京電力圏内では、ギリギリ電力供給が間に合う計算になる。余裕が全然ないのが問題だが、その余裕は、あと1年あるので、その間に供給電力を増やしたり、節電したり、ピークシフトをしていけば、余裕が増えて、電力供給は安定する。つまり、現状の比率(15%)の節電を続ければ原発を全て停止しても大丈夫である。ただし二酸化炭素は増える。

 
3.どの程度、二酸化炭素が増えるのか?

  • 現在、東京電力電力需給を見るとピーク電力が15%、平常時で12%程度、節電できているため、平均で13%節電できていると仮定すると、それを全国に適用するとして、8309億kwhが節電後の日本の全消費電力と仮定する。それに対し、火力発電が6000億kwhで水力が850億kwhとすると、足りない電力は1459億kwhとなる。つまり、火力発電6000億kwhを7459億kwhにすれば、いいわけである。これは、現在の火力発電の約1.243倍である。つまり、稼働率49.8%の火力発電を61.9%にすれば、いいわけだ。大体、日本では3.3億トンが発電に伴う二酸化炭素排出量なので、それが1.243倍になって、約4.1億トンになる。つまり、8000万トン二酸化炭素が増える計算になる。

 
4.二酸化炭素をどうやって減らすのか?

  • 供給電力の安定性は、昼間のピークを供給能力が越えればいいわけで、そこからすると、太陽光発電が最適である。しかも太陽光発電二酸化炭素が出ない発電方式である。その太陽光発電の中でも、現在最も効率のいい発電方式は、集光型太陽電池である。現在、アメリカで既に1wあたり1ドルを切ったと言う集光型太陽電池が出ている。
  • これは日本の年間平均日照時間1000時間で20年間つかうと計算すると1kwhあたり5セント(4円)の計算になる設備コストである。それに対し、原発の実質的コストは6円/kwhと言われているが、実際には15円/kwhだそうだ。あれだけ大規模で、しかも、安全設備を荷重に設置する事を考えれば、それくらいのコストはかかってもおかしくない。つまり、原発は安くない逆に高いのである。そして、太陽光発電の方が安いのである。では、太陽光発電でどれだけ二酸化炭素を削減できるか計算してみる。火力発電の平均的な二酸化炭素排出量は大体、0.55kg/kwhである。集光型太陽電池10kwタイプが年間に発電できる電力は1万kwhである。そこから計算すると10kwタイプ1基辺り、年間5.5tの二酸化炭素が削減できる。それが8000万トン削減する為には、8000万t/5.5t=1454万台、10kwタイプの集光型太陽電池があればいいという計算になる。集光型太陽電池10kwタイプを1ドル100円で計算すると、100万円で生産できる計算になるので、それが1454万台となると、設備コストの総額は14.54兆円となる。これを20年間(年間72万台生産)でまかなえばよい。大体、年間7270億円あればいい、これを石油税3兆円から無利子融資枠として拠出すれば、こういった太陽電池設備購入が無利子となり、後は、それを休耕田(100万ヘクタール)などの日本の使われていない土地に置けばいい。必要な面積は、発電パネルの発電効率が40%、モジュール全体の発電効率を30%として計算すると、4.8万ヘクタールあればいい。これは休耕田の4.8%に相当する。これが現行技術で可能である。研究ではなく商業レベルの製品である。

 

  • 2015年以降では、LEDが200lm/wになる。大体、日本は照明に2000億kwhは使っているとされているので、1000億kwhは節電できると見込める。10年後には、全ての照明をLED化して、1000億kwh削減できるだろう。これに集光型太陽電池750億kwh、風力350億kwhを加え、現在の節電の推定規模1240億kwhを足し合わせれば、3340億kwhになる。つまり、1年後に原発は全て停止し、二酸化炭素は8000万トン増えるが、10年後の2021年には、原発がなくても、自然エネルギーと節電で原発分(2700億kwh)の電力はまかなえ、しかも、増えた二酸化炭素分はなくなっているばかりか、若干減っていると計算される。

 
5.コストはどうするのか?

  • 財源は電力消費税1円/kwh(8300億円)と、石油税3兆円分をあわせた3.8兆円で無利子融資を行えば、充分実現可能だろう。その10年間の間に日本は、超省エネ、自然エネルギーの先進国として、世界にそういう安全でクリーンなエネルギーシステムを売って世界に貢献しているであろう。

 
まとめ 

  • 原発は来年で全部停止しても日本は、やっていける。電力需要の数値を見れば、前年同期比で13%程度節電できている。そこから計算するとピークシフトをして火力発電所稼働率を12%程度(約50%→62%)上げれば、停電はしない、しかし二酸化炭素が増える。だが、自然エネルギーや省エネを行う事で9年後の2020年には、二酸化炭素は、2010年並になり、それ以降は、減っていくと考えられる。そして、財源は石油税(3兆円)と、電力税(8000億円)による無利子融資を行い、断熱ガラス(10年)や自然エネルギー(20年)に長期無利子融資を行えば、充分実現できる計算になる。