SKY NOTE

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NHKスペシャル 原発危機 第1回「事故はなぜ深刻化したのか」を見た。

NHKスペシャルの「事故はなぜ深刻化したのか」を見ると、民放局の管総理批判は見当違いだと言う事が分かる。この未曾有の被害をもたらした原発事故の本当の問題は何なのかと言う視点で、これから日本の危機管理をどうするの書きたいと思う。

 ↓以下のブログがよくまとまっていて分かりやすい。

 東日本大震災に思う NHKスペシャル原発危機・事故はなぜ深刻化したのか」
 http://21432839.at.webry.info/201106/article_1.html
 
3.11地震発生!
官邸はベントを即答で指示、電源が停止した為、ベントする為の弁を手動で開く必要があったが、そもそも、ベントするような事故が起きるとは想定していなかったので、関係者が設計図を開き、ベント弁を開く検討を始める。数時間後にベントする。ベントをする事で水を送り込もうとするが、電源が消失している為、ポンプが動かない。電源車を50台も持ってくるが、コネクタや電圧が合致せず難航、うまく接合できても、電気系統の故障で電気があっても、ポンプが動かない。この時の遅れがメルトダウンの原因となった。ベントが速くできれば圧力容器の圧力が下がって水が注ぎ込めるようになり、メルトダウンを防ぐ事が出来る。しかし、それが電源が完全に消失すると言う状況を全く想定していなかったので、電動でのベント弁開放ができなかった。そこで手動で1から検討する必要があり、それに時間がかかって出来なかった。明らかに準備不足によって時間がかかっており、メルトダウンの原因は、地震に対する甘い想定にあったと言える。
 
NHKスペシャル シリーズ 原発危機 第1回 「事故はなぜ深刻化したのか」
2011年6月5日(日) 午後9時00分〜9時58分
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110605.html
再放送予定:6月12日 25:30〜26:28
 

 
この内容を見る限り、ベント弁開放の遅れは、事前想定が甘かった事による準備不足が原因だ。しかも、1号機が爆発してから3号機の爆発を防ごうとしても、水素を排出する経路がないという事で防げなかったという。本当にそうなのかと思うが、もしそうならば、最初から爆発する危険性のある水素が発生する状況を想定していなかったと言え、非常に問題だ。また、フランスでは、ベントを行う可能性を考慮してベント弁にフィルターが搭載されており、ベント時の放射能の外部への流出を最小限に抑える構造になっているのに対し、日本の場合は、そういう想定そのものがされておらず、ベントをしたら、そのまま放射能ダダ漏れ状態になると言う体たらく、ハッキリ言って、今回の原発事故は、事前の想定があまりにも甘い事から来る人災と言える。

ここから考えられる改善点
1.最悪の想定をし、それに基づいた対策を事前にしておく事
 最悪の想定が出来ていれば...
 ・ベント時の放射能漏れを最小に抑えられた(放射能フィルタ設置)
 ・ベントの遅れを防ぎ、メルトダウンを防げた(事前の対策マニュアル)
 ・電源を高台に置く事で電源消失を避けられた(外部電源の設置)
 ・1、3、4号機の水素爆発を事前に水素を排出する事で防げた(水素排出口の設置)
2.危機管理庁の設立、日本版FEMAの設立(災害対策のエキスパート集団)
  資料:Wikipedia:アメリカのFEMA
 災害に際し、総理大臣の権限を委譲し、国のあらゆる機関がその指示に従う。
 素人の総理大臣が対処するのには、限界のある状況であり、エキスパートが必要

3.情報省の設立

  • 情報の入り口が省庁1本であることが、情報独占体質を生み、それが外部のチェックの及ばない原発村と言う閉じた世界をつくる要因となった。よって、内閣直属の情報省という情報の収集分析をし、政治家をサポートする組織を作り、専門的な問題にアドバイスをする独立機関を設ける事で、常に国全体のあらゆる複雑で専門的な問題に対しチェックできる体制が必要だ。情報の入り口が二つ以上あることで、情報の独占が難しくなり、その結果、腐敗体質を抑制する効果がのぞめる。

4.原子力保安院を独立機関とする

  • 日本版FEMAの下部組織、あるいは、連携する組織とする。原子力行政の推進とチェック機関が同じ省内に混在していることが、甘い想定に結びついた。よって、チェック機関を独立させることで、厳しいチェックを可能とする。

 
この4つの対策を行う事で、素早い初動と厳しいチェック体制と最悪の想定に基づいた対策を施す事が可能となる。総理大臣の首をすげ替えたりしても何ら意味はない。こういう対策を提案できる政党がないことが、現在の日本の政治の貧困と言える。日本の政治の問題点は、政治家に権限があっても、それに見合うだけの知的サポート組織(インテリジェンス)がない事だ。このサポート組織の欠落が、今回の原発事故を引き起こした要因である。専門的な内容の業務が閉鎖空間となり、そこで腐敗や硬直が生まれ、それが甘すぎる想定に結びつき、初動の遅れ、対策の不備につながった。よって、これを是正する為には、専門家同士が互いにチェックするような構造が必要であり、そのため、国全体の複雑な業務のチェックに情報省、災害に対する適切な指導に日本版FEMA原子力保安院を独立機関とする事で厳しいチェックを可能とする。そして、最も今回の問題でマズかったのは、最悪の想定を全くしていなかったこと、あれほど危険なものを扱うのに、あまりにもぬるいシステムだった。
 
この番組を見てつくづく思ったのは、日本と言う国は、全然システムとしてなっちゃいねぇと言う事、政治家をサポートする組織が全然なくて、パーツはあるけど、それをコーディネートする組織が全くないと言える。しかも、素人の政治家が自ら専門的で複雑な状況に対処するなど、あまりにも問題が多い状態、それに対する大手マスコミの批判も極めて低次元であり、政治家の問題にすげ替えて総理大臣を辞めさせると言う論調、全く見当違いで間違った批判であり、絶望的とも言えるほど、間抜けであり、その間抜けさゆえに危険ですらある。こんな無能過ぎて危険なマスメディアは、日本にとって百害あって一利なしと言える。今回のNHKスペシャルを見て、それがハッキリと分かった。日本がダメな理由は、政治家をサポートする組織の欠落と、それを批判するマスメディアのレベルの低さである。それを政治家の問題にしてしまうのは、あまりにも低次元で問題解決に繋がらない。これが意味する事は、同じような問題が別の形で再現されても、また、同じように見当違いな批判によって、本当にしなければならない事がされない事である。これが日本がダメな理由である。日本のガンは、政治家を批判しているマスメディアそれ自体のレベルの低さにある。
 
テレビに代わる情報源としてWebを信頼して欲しい。また、原発と利害関係のある日本の民放放送(電力各社の年間スポンサー料は2000億円とも言われている)、大手5大新聞社の記事は信頼しない事。彼等の意見は、利権によって硬直化しており、信頼するのに値しない。原子力について、このまま彼等の意見を聞いてしまう事は日本にとって危険ですらある。
 
信頼すべきでないマスメディア(レッドメディアと名付ける。レッドカードと同じ)
 新聞社(東電と癒着している可能性がある 2011年6月5日の当ブログ記事を参照の事)
 ・読売新聞(癒着確定:原発会見における他の記者の質問妨害行為)
 ・日経新聞(癒着確定:原発会見における他の記者の質問妨害行為)
 ・朝日新聞東電にぬるい質問:放射能漏れなど、最初に聞くべき事を聞いていない)
 ・毎日新聞東電にぬるい質問:放射能漏れなど、最初に聞くべき事を聞いていない)
 ・産経新聞東電にぬるい質問:放射能漏れなど、最初に聞くべき事を聞いていない)
  これらの新聞の論調は首相をスケープゴートにして実質的に東電をかばっている。
  情報源:上杉隆氏新聞社の質問妨害を暴露(36分頃)
 
 民放各社(電力会社のスポンサー料、年間2000億円)
 ・日本テレビ
 ・テレビ朝日
 ・テレビ東京
 ・TBS
 ・フジテレビ
 
比較的利害関係が薄く信頼できるメディア(グリーンメディアと名付けよう)
 公共放送
 ・NHK
 ネットニュース(下記ページにリストがある)
  http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20110530/1306688946
 
要するに民放各局と5大新聞は東電とグルって事、日本を原発の危機から守る為には、これらの情報源を信頼せず、東電と利害関係の薄いネットメディアを中心に対応する事が望ましい。こういう民衆の敵と成り下がったメディアにお金を払う事は、日本を破壊する行為に手を貸している事になる。よって、これらの新聞を購読している方は、できれば、地方新聞など、記者クラブメディアではない新聞を読む事を薦める。どうしても、そういうメディアが必要と言う人以外は、5大新聞とは違うニュースソースを選ぶべきである。正直言って5大新聞社には潰れて欲しい。その方が日本の為である。
 
品格なきものは滅ぶ