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政府:再生可能エネルギー政策「サンライズ計画」をG8で表明へ

フランスで開かれるG8サミット(主要国首脳会議)で日本の管首相は、福島第一原子力発電所の事故を受けて、太陽光発電のコストを大幅に下げることを盛り込んだ再生可能エネルギー開発プロジェクトを表明する。プロジェクト名は、サンライズ計画」と言う。
  
サンライズ【sunrise】日の出
 
サンライズとは日本語訳で「日の出」という意味、つまり、日本の復興を意味する名称だ。つまり、これからの日本は再生可能エネルギーを主体としたエネルギー開発によって、再興していくという意味なのだ。私は、こういうプロジェクトの発表を待っていたので、こういった事が表明されるのは、とても良い事だと思う。
 
失われた20年とも言えるべき月日が流れ、日本にはその間、国全体の目標といえるべき方向性がなかった。しかし、今回の大震災の影響でエネルギーの安定自給という明確な目標が設定されたのは、日本にとって良かったと思う。このサンライズ計画の概要は以下の通り
 
NHKオンライン:エネルギー技術開発 G8で表明へ

サンライズ計画【概要】
太陽光発電の発電コストを2020年までに1/3に
 ・2030年には1/6に
 ・設置可能な全ての屋根に太陽光パネルの設置を目指す。
・大型の洋上風力発電施設
・次世代のバイオマスを2020年の本格導入を目指す
 恐らくオーランチオキトリウム(石油藻)がここに入るだろう。
 
石油ショックの時のサンシャイン計画の二代目と言えるべきプロジェクトだが、当時は技術力が追いつかなかったし、石油も安かった時代だったが、今回は違う。石油価格は高騰しているし、技術力も格段に上がっているから実用化は充分可能だろう。
 
さて、このプロジェクトの概要について述べるとするならば、この計画の目標は前倒しで遂行する事が可能だ。それについて説明しようと思う。まず、太陽光発電だが政府の太陽光発電のコストは1キロワット時あたり49円だが、この数字は官僚が書いた嘘っぱちの数字であり、この1/3のコストの太陽電池は既にある、というか、2030年の目標と言われている1/6を超えた1/12のコストの太陽電池(4.05円/kwh:1ドル/81円)も既にアメリカで導入されている。よってこのプロジェクトは実行可能なものであり、絵空事ではない。

集光型太陽電池が何故、そこまで安いのか説明すると、太陽電池自体は人工衛星用の発電効率40%位の通常の100倍は高い太陽電池を使うが、レンズで集光する事で、その必要量が1/500程度でよく、太陽電池自体は1/5のコストで良くなる、しかも発電効率自体は40%と通常の太陽電池の2倍はあるので、同じ発電量における太陽電池部分のコストは1/10になるのである。だから安い。詳細は、ここをクリック


日本でも大同特殊鋼が集光型太陽電池を作っている。(詳細)
 
参考資料
ソフトエネルギー:米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)
         CPV 集光型太陽光発電システム AMONIX 7700の劇的な進化をアピール
写真は米国再生可能エネルギー研究所(NREL)から引用(写真をクリックすると拡大します)

 
この集光型太陽電池:AMONIX 7700のコストは出力1ワットあたり1ドルを切ったと言う設備コストがポイント、これを日本の日照量(年間1000時間)で計算してみる。試しに10kw(1万ワット)タイプで計算してみる。
 
設備コスト
 1ドル(81円)×1万ワット(10kw)=1万ドル(81万円)
発電量
 10キロワット×1000時間(日本の年間日照量)×20年間(耐用年数)
 =20万キロワット時/20年間の発電量
発電コスト
 81万円÷20万キロワット/時=4.05円/キロワット時
 
これが現実である。なぜ、これほどまでの性能とコストの集光型太陽電池が日本で公表されなかったのか?それは、ついこの間まで役所は原子力発電と癒着...もとい推進し、太陽光発電はコストが49円/キロワット時と大嘘をついていたし、テレビ局は発電会社は大手のスポンサーである。一説には、発電各社のテレビ局に対する広告費(スポンサー料)は年間2000億円に達するという。賠償問題で大変なはずの東電は、広告費用を一切減らさなかったという。普通は減らすのに、どうして減らさないのかと言うと、こういうコストの低い太陽電池をテレビ局に報道されては困るからという裏事情があるからなのだ。彼等は発電会社だから、ライバルとなる技術の存在は当然知っている。AMONIX7700のような集光型太陽電池を導入されてしまうと、原子力発電所がなくても大丈夫な社会が出来るという現実を彼等(東京電力)は知られたくないから、広報費を減らさないのだ。ちなみにAMONIX7700は、研究所の技術というよりは、実用段階の技術である。(下記のメキシコの資料を参照)
シェブロン Chevron、ニューメキシコで独Soitec社のConcentrix Solar、1MWの集光型太陽光発電所の運用を開始

つまり、サンライズ計画は夢物語ではなく実現可能である。それを電気自動車のバッテリーと次世代送電網「スマートグリッド」によって、電力を融通しあうシステムを構築できれば、ムラのある自然エネルギーであっても、電力の安定供給は可能である。
 
下図は私が独自に計算した需給グラフ
右の目盛りは発電出力(単位:億キロワット):下の目盛りは時刻(24時表示)
電力需要は省エネ技術や電子都市により2030年には40%減っていると仮定(詳細)
クリックすると拡大します

2030年の想定で、春の晴天時に太陽光発電の電力が大幅に余るがスマートグリッドを活用して、余った電力(6億kwhの電力)を電気自動車のバッテリー(8kwh×4800万台:日本の乗用車全体6000万台)3.84億kwhの内、3億kwhに充電し、揚水式水力発電所が2.1億kwh(揚水式は70パーセントの保持率なので3億kwhが2.1億kwhになってしまう)で蓄電し夕方以降も使う。(ちなみに車の年間平均走行距離(1万km)から見た稼働率は6%程度、つまり、94%の車は止まっているのである)
 
2030年夏の雨の想定では太陽光発電の出力が1/12まで下がり、その分をLNG火力とバイオ火力が担当する。この火力発電所の出力は現在の55%程度である。稼働率は現在の49.8%に対し58.7%と現在よりも高めだ。(それだけ効率よく発電できる)スマートグリッドと省エネが功をそうしている。
 
...とこのように、サンライズ計画は、日本のエネルギーの将来を決定づける重要な決断といえる。その目算は、統計分析によっても妥当なものである。どうか電力会社と、それに逆らえない民放テレビ局と役人の専門家ぶった嘘に皆さんは騙されないで欲しい。今回の原発事故でもいかに役人と専門家(御用学者)という連中が当てにならない事がわかったはずだ。大事なのは、海外の事例などの外の世界の現実を見ることだ。「本当はどうなのか?」という外向きの視点で物事を見れば、新しい視点が開け、日本経済が本当に【サンライズ】日の出(復興)を迎える事になるだろう。もし、逆に彼等の嘘を信じてしまうと、日本経済は【サンダウン】日没を迎えてしまうだろう。だから、皆さんには今回紹介されたアメリカの事例など、外の事例に目を向けて、内向きの目線でこの【サンライズ計画】を見ないで欲しい。そして、日本の未来は【サンライズ計画】にあると考えて欲しい。間違っても日本の小賢しい役人や電力会社の【サンダウン計画】には耳を傾けないで欲しい。