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原子力に代わる電力(2030年の日本の電力を想定)

福島第一原発の爆発事故によって、原子力発電所は日本では作れなくなったと思う。しかし、二酸化炭素も減らさなければいけない、よって、原子力を無くし、火力を減らして電力を供給出来るかシミュレーションしてみた。まず、新技術や設備でどれだけ消費電力が減らせるか試算し、その少なくなった電力を自然エネルギーで安定供給できるか消費電力が最も多い夏の晴天時と太陽光発電の出来ない雨天時、消費電力が最も少ない春の晴天時と雨天時の供給グラフを作ってみた。
 
省エネ(2009年:9560億kwh → 2030年:5650億kwh)
・都市の半分を電子化:1900億kwh(実名SNSfacebookクラウドオフィス、Amazon
           3800億kwh → 1900億kwh
・LED      :1120億kwh(2011年現在は100lm/w → 2015年200lm/w)
           照明 :2000億kwh→1000億kwh
           テレビ:193億kwh→73億kwh(動画の明るさに合わせる75%)
・断熱ガラス    :560億kwh(冷暖房エネルギーの30%をカット)
・人口減少     :330億kwh(5980億kwh→5650億kwh)
           2010年1.28億人→2030年1.21億人 5.5%:700万人減少)
 
供給(電力自給率:73%、二酸化炭素:-80%:3.3億トン→6600万トン)
・LNG火力  :1510億kwh(コンバインドサイクル:実質発電効率:59%→53%)
・バイオ石油火力:1060億kwh(オーランチオキトリウム藻の量産:2020〜2030年)
         発電に必要な油の量:193億L
集光型太陽電池:1000億kwh(4kw×2500万台:25兆円:休耕田/2.5万ha)
         コスト:12.5円/kwh(アメリカでは4.25円/kwhというものもある
水力発電   :850億kwh(現状維持)
風力発電   :700億kwh(音が静かで微風でも回る風車:16.8兆円:12円/kwh)
・住宅用太陽電池:500億kwh (4kw×1250万世帯:25兆円:25円/kwh)
         資料:太陽光発電.jp(2011年現在は29円/kwh)
地熱発電   :30億kwh(現状維持:温泉地域の反対運動:地熱資源2000億kwh規模)
 
スマートグリッド電気自動車のバッテリ8kwh(2030年6000万台と想定)
         :乗用車の実質稼働率(平均走行距離1万km÷時速40km=250時間)
          250÷8760時間(年)=2.85%:乗用車の97.15%は駐車中と試算
         :3.84億kwh:4800万台(6000万台×80%)×8kwh=3.84億kwh
          1400億kwh/年(3.84×365日=1402億kwh相当)
 
必要なお金と政策
・研究:環境研究都市:エコポリスの創設
    オーランチオキトリウムの量産、静かで微風でも回る風車、高効率太陽電池
資金:太陽+風力+断熱ガラス=82.8兆円:20年間(年間4兆1400億円:無利子融資)
・財源:石油税:3兆円(4兆円の内の3兆円)+電力消費税:1兆円(1円/kwh)
・融資:グリーンバンク(電子銀行)の設立(エコポイントに似ている)
    融資なのは、財源の環境税が省エネが進むと減る為
    無利子なのは、自然エネルギーでは利子を払うと損になるから
    (自然エネルギー・断熱ガラス:20年間無利子)
・対応:供給を安定させる為、発電方式ごとに融資枠を設ける。
 
供給電力構成(2009-2030)資料:2009年の発電構成:電気事業連合会
(クリックすると拡大します)

供給ピーク(現在より41%縮小したピークで試算)

 
供給バランス(2030年 春:晴天/雨・夏:晴天/雨)
(クリックすると拡大します)

...以上のように構成すると、原発を使わず、二酸化炭素を80%削減し、電力自給率は73%であり、尚且つ、人々の生活の質も落とさないという組み合わせになる。ライフスタイルは変わる。オフィスや商店で仕事をしている人の半分が電子化された3D映像の都市で仕事をするようになり、全労働者が週休3日である。休みが増えてオンラインというところだろうか。夏の暑い時期は太陽電池スマートグリッドと火力発電のコンビネーションでしのぎ、春の太陽電池の電力が余る時には、スマートグリッド揚水発電によって、電力を安定供給する。火力は殆ど停止状態である。この試算だと、火力発電の設備稼働率は、大体58.7%、現在の49.8%と大差ない。火力発電所の最大出力は5000万kwであり、100%フル稼動(365日×24時間)すると、4380億kwhだが、実際の発電量は2570億kwh(LNG火力1510億kwh+バイオ火力1060億kwh)なので、58.7%程度が稼働率となる。計算上はそうなる。誤差は生じるだろうが...
 
バイオ石油火力については、オーランチオキトリウムという有機物から大量の油が取り出せる藻が発見された事で、一気に現実味を帯びるようになった。
写真は、asahi.comからの引用
有機物から出来るので、家畜の糞尿(9000万トン)などを油にすればかなりの量になるはずである。光合成ではないので、深いプールで量産出来るのがポイント、立体方向に作れるので、必要な面積を抑える事が出来る。ただ、現時点では藻の殻から油を効率的に取り出す事が出来ていない為、実用化に至っていない。この発見をした筑波大学の渡邊教授によると実用化には10年かかるだろうとの事だったので、2020年から量産が開始できるように、最高の環境(設備と人材と予算)で研究出来るように研究開発都市エコポリスの提案をした。これはシンガポールのバイオポリスに倣ったものである。微風で回る風車は、トンボの羽根の研究をしている日本文理大学の石田教授のコルゲート翼の研究が興味深い。この羽根で作った風車は、風速1mで回る。通常の風車は5m以上にならないと回らない。

静かな風車という点では、フクロウの羽根が興味深い。フクロウの羽根には細かいデコボコがあり、それによって音がしない。新幹線のパンタグラフに応用されている。ゼファーという小型風力発電機のメーカーが、それを応用して静かな風車を売り出している。
 
つまり、適切な政策と予算を振り向ければ、原子力がなくても日本の電力は大丈夫である。それだけの技術や人材を日本は他の国にはないレベルで有している。それは世界に誇るべき事であり、あとは、それを実現する政治的な決断だけなのだ。