SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

原子力に代わる電力:ピーク電力1000万kw供給提案

東京電力の発表によれば、夏場のピーク需要は5700万kwだが、供給能力は4700万kwしか確保出来ず、1000万kw足りなくなるという。どうやら東京電力は既存の発電所の敷地内にガスタービン発電機を多くして対応するようだ。原発の分を火力発電でまかなうので二酸化炭素が増える。そこで、二酸化炭素を減らし、エネルギー自給率を上げるという意味で、ガスタービンを500万kw+集光型太陽電池を500万kwを提案したい。その需給構造を下図に示す。

集光型を提案する理由は、夏場のピーク電力の大半がエアコンによるものであり、温度上昇と密接に関わっているからだ。つまり、温度が上がる=晴天→太陽電池となる。その太陽電池の中でも、コストパフォーマンスが高いのが集光型太陽電池である。集光型太陽電池のメリットは最も高価な部品である太陽電池パネルのコストが通常の太陽電池に比べて1/10以下(1kwあたり)で済む点にある。なぜ、そこまでコストが削減出来るのか以下に示す。

コルコート株式会社のページから引用
集光型太陽電池は、フレネルレンズという平面レンズを用いて光を電池パネルに収束させる

大同特殊鋼の集光型太陽電池の場合550倍
人工衛星用の通常の太陽電池の100倍高価な太陽電池を使うが、集光する事で必要面積が1/550になるので、コストはセル面積比1/5.5(100倍/550倍)となる。その上、発電効率が通常の太陽電池(18%)に比べて1.5〜2.2倍(27〜40%)程度あるので、1kwあたりのセルコストが1/8〜1/12となり、平均で1/10程度となるので、コストパフォーマンスが良い。そのかわり、集光レンズやヒマワリのように太陽の方角を向く可動式の台が必要なので、その分コストがかかるが、高価で希少なレアメタルの使用量が少なくていい。量産すれば安く出来るのが集光型のメリットであり、ピーク電力対策にぴったりの電源なのだ。長期的に見ると、化石燃料の値段は、徐々に高くなっていくだろうし、排出権もかかってくるだろうから、コストアップになる要因があるのに対し、集光型太陽電池は、そういう事がない。しかも、通常の太陽電池に比べて大幅に安く出来るポテンシャルを持っている。つまり、量産すれば儲かる太陽電池なのである。儲かるのならば、ビジネスになる。という事は適切なインセンティブを設定すればいいわけだ。都市がクラウド化(電子化)する時代に高速道路や鉄道を造るのは無駄であるから、その無駄を省いて財源とする。

集光型太陽電池設置例:大同特殊鋼のホームページから引用
 
1.グリーンバンクの設立(税金を原資とした特殊銀行

  • そこで政府に石油税(3兆円)と電力消費税(1兆円:1円/kwh)の合計4兆円を確保し、グリーンバンクというクラウドベースの特殊銀行を作って欲しい。要するに時代遅れの高速道路や鉄道を造るのをやめて、電気を作れという事である。

 
2.グリーンローン(財源:石油税:3兆円+電力消費税1兆円:1円/kwh)

  • グリーンバンクは毎年4兆円の税収を原資にして、自然エネルギーや断熱ガラスに無利子で融資する電子銀行である。
  • 融資対象(2.7兆円)
  • ・集光型太陽電池:1.2兆円(20年:500万kw:4kw×125万台分:年50億kwh)
  • ・断熱ガラス  :8000億円(10年:40万円まで200万世帯/年)
  • 風力発電   :7000億円(20年:350万kw:年35億kwh)

 
3.エコ家電・エコカー1%ローン(財源:環境債:5年もの金利1% 10万円まで)

  • 国が環境債という債券を発行し、それを元手にエコ家電やエコカーを低利融資する制度である。割高なエコカーや省エネ家電を買いやすくする 制度だ。完済すれば、何度でも使える制度なので、低利で借りて、電気代を安く抑えられれば、結果的に得をするという制度である。システム的にはエコポイントに似ていて、グリーンバンクが融資を行う。
  • ・エコ家電(10万円まで1%:3年間)
  • エコカー(150万円まで1%:5年間)

 
4.この提案のもう一つの意義

  • 今回の原子力発電所の事故によって失った地方の産業を、新たに集光型太陽電池を設置することで再興する。原発は、もう日本ではつくれない。ならば、新しいエネルギー産業を適切なインセンティブ政策でビジネスとして成立させ、それを地方の新たな収益源とするべきであるというのが、自分の提案のもう一つの主旨である。