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プラチナを使わない燃料電池:コスト1/650の新触媒

燃料電池の低コスト化へ大きな一歩、プラチナ触媒の650分の1の価格で同程度の発電効率を得られる新触媒
http://gigazine.net/news/20110323_cheap_new_catalyst_for_fuel_cell/
 
この記事を見た時には「おっ」と思った。燃料電池の最大のネックは触媒のコストだったのだ。しかも、希少金属レアメタル)であるプラチナを使う。それが1/650のコストで同じ発電効率が得られるというから驚きだ。
 プラチナ:65000ドル/kg
 新触媒 :100ドル/kg

〜引用〜
ケース・ウェスタン・リザーブ大学のDai教授らが、プラチナの650分の1の価格で同レベルの発電効率を得られる新触媒を開発し、燃料電池の低コスト化へ大きな一歩となるのではないかと期待されています。
〜引用〜
 
強い電子吸引性を持ったPDDA(ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム)というポリマーでコーティングしたカーボンナノチューブ燃料電池の触媒としてプラチナと同程度の発電効率を持ち、尚且つプラチナの様に一酸化炭素によって反応活性を失うという事がないのだそうな。つまり、プラチナ触媒よりも安定していて、発電効率もよく、その発電効率を長期間保てる耐久性を持ち、しかも、安いという理想的な触媒だ。これによって、一気に燃料電池が普及する可能性が高まったと感じる。
 
新触媒の特徴
・反応安定度が高い     :1酸化炭素で反応活性を失うという事がない
・耐久性が高い       :反応性能を長期間保つ事が出来る。
発電効率は同等かそれ以上 :最適化によってはプラチナ以上の発電効率も可能
・コストが安い       :プラチナに比べて1/650(100ドル/kg:銅の10倍位)
 
燃料電池に注目するのは、分散電源であるという事と発電時に熱が利用可能である事、集中電源だと、今回のような原子力事故が起こると、中央の電力が供給出来なくなり、停電という事になる。しかし、分散電源(発電機)であれば、そういう問題も回避出来る。電力が止まっては困るデータセンターや工場、エアコン需要の多いオフィスやショッピングセンターに有効だろう。エアコン需要は大体2/3が暖房なので、電力だけでなく熱が取り出せるのはいい。現在の高効率発電所では総合効率は54%である。40%の熱は捨てられ、6%は送電ロスに消える。燃料電池の場合、電気も熱も両方活用出来るので、総合効率が80%程度にまでエネルギー効率が改善されるというから、今回のように燃料電池のハードそのものが安くなれば、需要は充分あるだろう。
 
発電所を建てるのには時間がかかるので、計画停電はしばらく続くだろう。故にこの新触媒を使った燃料電池の需要はある。特に工場などでは、電気がなければ商売にならないだろうから燃料電池の方がエネルギーコストが安く納まるのであれば、皆、そちらを選ぶだろう。