SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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企業が新しい事をするのに必要なもの

以前、日本のボトルネックは、古い、不公平、不安の3Fがあるとした。今回はその一つの「古い」に焦点を当てたいと思う。
 
1.企業が内部留保を溜め込み、新しい事をしないのは、老害による所が大きい

  • 企業が内部留保を溜め込むのはなぜか?それは、老人がお金を溜め込む発想と同じである。老人は生産的な事が出来ないと諦めている。大抵の生物が己の体の中に栄養を蓄える目的は、人間で言えば贅肉だが、餌がなくなった時に備えてのものである。旧来のビジネスモデルが崩壊する中で、古い頭しか持っていない老人たちは、既存のビジネスモデルの崩壊=自らのビジネスの崩壊と受け取る。つまり、餌が食えないと受け取り、贅肉を溜め込むわけだ。実際には、餌のある場所が新しい市場に移動しただけで、その場所に行けば食えるし、それが見えているのにも関わらず、旧来のビジネスとのあまりの違いの大きさから、そこに踏み出せない。つまり、冬眠をする熊が餌を溜め込む状況と似ている。つまり、老人たちは、新しい状況を冬と受け取っている。しかし、実際には、冬ではなく新しいチャンス、つまり、春なのだ。この解釈のズレが日本の企業が内部留保を溜め込む理由であろう。

 
2.解釈のズレを補正にするにはどうしたらいいか

  • なぜ、解釈がズレてしまうのか?それは、PCを恐がる母を見るとよく分かる。母は機械オンチだから、ボタンが二つ以上あるものを使えない。苦手意識のあるものには触ろうともしないのが人間だ。でも、実際には、iPadを見れば分かるのだが、今のPCは誰にでも使える。90歳の老人であっても使えるのだから、中年のおっさんが使えないとほざくのは、単にやる気がないだけと言っても過言ではないだろう。そこで、改革の第一歩は、書類の代わりにiPadなどのタブレットコンピューターを導入する事だ。業務に必要な書類は、タブレットコンピューターを使って配布するという形にする。紙を追放し、必ずコンピューターを使わないと業務が出来ない状況にする。強制的にやらせるのは、出来ない事をやらせるのではなく、出来る事をやらせる為にやる。単に精神の障壁があるだけで、実際には、誰にでも使えるようになったPCを使うようにする。こうすることで、PCが何なのか分かるようになれば、結果として解釈のズレもなくなるだろう。そしてPCの便利さが分かるようになったら、旧来の店舗や紙をベースにしたビジネスの欠点も見えてくるはずだ。
  • 2歳の子供でも使えるiPad
  • 90歳の老婆でも使えるiPad

 
3.新しいビジネスへの移行

  • 旧来のビジネスの欠点も分かり、新しいインフラへの理解が進んだところで、今度は、それを活用した組織体制の変革を進めることが必要となってくる。まず、組織とは何ぞや?から始めなくてはいけない。現在の階層型の組織は基本的にコンピューターのない時代に作られたものだった。つまり、アナログ仕様である。組織は、それを介する事で、情報をねずみ算的に増幅する役割があった。つまり、階層はリーダーの言った事を全体に行き渡らせる為に必要だったのである。しかし、コンピューターであれば、それは組織を介する事なくできてしまう。そこで、これをデジタル仕様に変える事を考える。それを説明する際に15年ほど前のIBMの組織改革に取り組んだルイスガースナーCEO(1993〜2002年)について説明する必要があるだろう。彼は、IBMをハード企業からサービス企業へ変貌させた。正確にいうと、ハードとサービスを融合した総合サービス企業、ソリューションビジネスを展開した。その改革の際に、IBMは組織を何度も改変しては失敗していた。例えば、従来の階層型の組織は、基本的にコンピューターがない時代のものなので、階層をなくして、それぞれをネット型に繋いだらどうか?とためしてみた。しかし、この方法は失敗した。分断されすぎてしまって、組織としての、まとまりがなくなってしまった。そこで、現在は、ネット型と階層型を融合したハイブリッド型になっている。これにより、組織の階層が少なくなった。日本の場合、11階層くらいだそうだが、IBMの場合7階層くらいになったという。また、全体に伝える情報はITで一気に流せる為、非常に組織がスピーディーになったという。彼がした仕事は、ハードとサービスの融合、階層型とネット型の融合だった。現在のIBMの組織改善サービスのノウハウは、基本的にこの時期の失敗経験によるものである。つまり、失敗が彼らのビジネスの糧となっているのだ。少し話しはズレたが、要するにITの導入によって、顧客には、ハードとサービスを融合したソリューションを、組織には、階層とネットを融合した高速性(スピーディーさ)が望まれているというワケだ。

 
まとめ

 
...というわけで、PCを使った新しいマネジメントを理解するのには、ルイスガースナーの自伝を読む事をオススメする。そして、顧客中心主義のマネジメントをドラッカーから学ぶ事をオススメする。ドラッカーの本は漫画が入っている割に内容が濃いし、840円と、この手の本にしては安いのでオススメ。