SKY NOTE

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日本の食料とエネルギーの自給と温暖化対策について

これまでの発表によって温暖化から世界を救う術は、ほぼ分かった。しかし、それを広めるのは難しい。大抵そういう時は、実物を見るのが手っ取り早い。そこで、実用化時期を年代別に表記した。
 
 2010年 現在ある技術
  ・電炉で高級鉄が作れる技術(NOCの登場で石炭高炉鉄鋼の必要性は薄れる)
  ・断熱ガラス(各社から発売中)
  ・保温浴槽・節水シャワー・電磁調理器(各社から発売中)
  ・バイオガス生成技術(従来40日かかっていたものが1日でガス化できる)
  ・大同特殊鋼が集光型太陽電池量産を開始している(発電効率33%)
   アメリカのSolFocus社はスペインで大量受注(10メガワット規模)を獲得
  ・もみろまん(玄米換算で10t/haの飼料米)
 2011年 牛の飼料を2割削減する配合飼料が出光興産から発売予定
       牛のメタン(げっぷ)を90%削減(出光興産のプレスリリース)
 2012年 食品トレー大手(株)エフピコから高強度のプラスチック(NOC)が登場予定
 2013年 三菱自動車から50km/Lの電気自動車が発売される予定(プレスリリース)
 2015年 200lm/WのLEDが実用化(発光効率向上ペースから見て大体、この時期)
 2020年 藻から油を抽出する技術が確立するのに10年はかかるだろう(渡邊信教授 談)
 
大体、2020年までに主要な技術の実用化が終わる。特に重要なのが石油を最も消費している(日本の石油需要の40%は自動車用途である)自動車用燃料、軽量プラスチックで出来た電気自動車は、燃費が計算上、1/5になる。つまり、全石油需要の32%を削減できる車が2015年までには、登場するという事になる。ここには書いてないが、高速で充電できるバッテリーも2015年までには登場するだろう。2015年までに省エネ技術はほぼ揃う。
 
今現在するべきは、断熱ガラスと集光型太陽電池の普及である。政府は、この分野に石油税を原資とした長期無利子融資制度(融資期間20年:毎年2兆円規模)を作り、普及を計るべきだ。(地方に金にならない道路や新幹線よりも金になる集光型太陽電池を作るべきだ)集光型のメリットは、レアメタルの消費量が少なく、低コストで発電効率が高いので国土の狭い日本には最適な点である。平面型の太陽電池と違って、量産すると儲かるレベルまで発電できる点だ。そこに無利子融資が加われば、利益が生じる。ビジネスになれば普及し、普及すれば、コストが下がり、儲けが更に増える。(政府がやるべきは安易な補助金よりもビジネスモデルを作る事である)
 
2020年にバイオ石油が抽出できる技術が開発されるのに合わせて、国内の食料と石油を自給する体制を整える為に、飼料米の「もみろまん」を政府の戸別所得保証金(10aあたり8万円)をベースに普及を計るべき、戸別所得保証金は批判の対象になっているが、面積比で保証金を出すのだから、大規模で低コストに作れば、その分、儲けが出る。日本には100万haもの休耕田があり、減反政策を廃止して、飼料米を大量に作り、国内の飼料を自給すれば、その市場規模は2500億円(とうもろこし価格25円/kg×収量10t/ha×休耕田100万ha)である。2500億円の産業が国内に生じるのだ。補助金は8000億円となるが、減反政策に日本は毎年2000億円使っているので、実質6000億円である。6000億円で日本の食料自給率はかなり向上する筈だ。少なくとも、肉と卵と牛乳を作る為の飼料を自給でき、将来的には家畜の糞尿から石油まで取り出せるのだ。山田正彦元農水大臣のblogによると戸別所得保証金の予算に農水省の予算2.4兆円の内、1兆円を割り当てたという。これは飼料米を日本の休耕田全て(100万ha)で生産しても2000億円おつりが来る額である。この額だけで、恐らく日本の食料自給率は10%以上あがるという予算規模なのである。
 
農水省を去るに当たって
http://www.yamabiko2000.com/modules/wordpress/index.php?p=267
・・・引用・・・

  • 民主党政権は財源が足りないので、マニフェストを実現できない・・・・・」などと言われる中で、農水省はこれまでの2兆4000億円の予算の総枠の中で1兆円規模の戸別所得補償を実現することができた。

・・・引用終わり・・・
skymouseのコメント
来年度の予算では、1兆円の戸別所得保証金を活用した飼料米の生産で大幅に食料自給率を上げる予算体制が整ったといえる。山田正彦議員が農水大臣をやめるのは残念でならない。
 
減反をやめて、米粉、飼料用米などの米の大増反を
http://www.yamabiko2000.com/modules/wordpress/index.php?p=265#comments
・・・引用・・・

  • 「・・・・・主食用の米を作っても、今年の10アール当たり1万5000円の所得補償では赤字だが、米粉米、加工米を作った手間、農薬が省けて2,3万は利益を出した」

 
驚異的な飼料用米が日本の農業を換えるのでは
http://www.yamabiko2000.com/modules/wordpress/index.php?p=230

  • 「モミロマン」は10アールあたりの収量が、籾換算で1200キロ、玄米にしても1000キロだから、倍近い収量がある。
  • 周りの田んぼはすでに刈り取りが終わっているのに、そこだけはまだ葉が青く尖っている。
  • 「堆肥をこれまでの10倍やりました。農薬、除草剤は一切使っていません、9月まで水を張っていただけです」
  • 信岡準教授がハンドマイクを持って語り始める。
  • 「・・・・・コストは1キロ当たり30円、通常の米生産コストの6分の1でできます」
  • 中略
  • 日本は何も米国からトウモロコシを毎年1200万トン、4700億円も支払って畜産をやらなくても、モンスーン地帯である日本の高温多湿の気候風土にあった米でやれるではないか。
  • 若いころ、私も麦を20ヘクタール耕作して収穫期の6月、2晩の雨で全滅さんざんな目にあったことがある。
  • 毎年減反している120万ヘクタールの水田に10アール1トンは獲れる飼料用米を耕作すれば1200万トンのトウモロコシを輸入しなくても自給できることになる。
  • 私の心は弾んだ。
  • 中略
  • 来年から農業戸別所得補償のモデル事業を始める。
  • 飼料用米の耕作に10アールあたり8万円の所得保障を計画している
  • ところによっては、主食用の米の耕作より有利になるはずだ。

・・・引用終わり・・・ 
 
日本は飼料米を作る事によって、大幅に食料自給率が向上する。既にその為の予算も充分割り当てられている。そして、将来的には、その米を食った家畜の糞尿(9000万トン)から石油もとれるのだ。だから戸別所得保証金は、日本の食料とエネルギー安全保障の要であり、防衛予算の一種だと考えれば、安いものなのだ。それだけでなく、水田には治水効果もあるので、それらの効果を考えると、非常に有益な制度なのだ。