SKY NOTE

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WikiLeaks、尖閣ビデオに見る新たなジャーナリズムの可能性

1995年1月、阪神大震災が起こった。その時初めて、日本にインターネットが登場した。(一般レベルで)旧来の情報網が軒並み麻痺する中で、インターネットだけは災害情報を伝えていた。あれから15年、インターネットが登場してから想定されていたジャーナリズムの変革が始まった。ある意味遅すぎたくらいだが、今起こっている事を改めて検証してみる事にする。
 
尖閣ビデオ

  • 政府が中国の要請を受けて非公開としていた尖閣問題の映像データをYouTubeを通じてリークされ、その映像が瞬く間に世間に広まり、それ以後、中国はこの問題について強引な主張はしなくなったと同時に、その情報を非公開にした政府に国民の反感が強まった。マスコミを介さず、情報提供者から直接動画が日本中に広まり、社会を変えたという意味で、新しいジャーナリズムの可能性を示唆する事件だった。

 
WikiLeaks

  • ジュリアン・アサンジが率いるWikiLeaksという組織がアメリカ政府の外交文書がリークし、各国政府の内情や外国の指導者を各国のアメリカ大使がどう伝えているか分かった。25万通の外交文書がいとも簡単に流出してしまった事にアメリカ政府は強く反発し、同時にインターネットによって情報が広まってしまった段階でもみ消す事が出来ない事が白日の元にさらされる。ジュリアン・アサンジは現在、英国で逮捕されているが、リーク情報そのものは既に暗号化されたコピーが出回っており、何らかの形でパスワードが流出すれば、その時点で、ジュリアン・アサンジがいなくても公開可能な状態である。

 
これらの情報をまとめると...
 
1.中抜きされたマスメディア

  • 従来は、マスメディアを通じて情報が広まるというプロセスがあったが、これが中抜きされている。ある意味、情報を広めるのにもはや、テレビ局や新聞社が必ずしも必要というわけではなくなった。個人がテレビ局や出版社になる時代の幕開けといえる。

 
2.簡単に流出し、同時に抹消する事が出来ない

  • WkiLeaksや尖閣ビデオは、非常に簡単に情報が漏れるという事がよく分かる。しかも、一旦漏れると、コピーがコピーを生み、取り消せない。

 
1.ブロードバンドが、現在の情報公開の波を生んだ

  • これらはインターネットが登場した頃から、可能性としては示唆されていた事である。しかし、今になってなぜこれがクローズアップされてきたのか?今のように大量の情報が流通可能になったのはブロードバンド回線が整備されたつい最近の事だ。動画も大量の文書流出も高速回線がなければ、これほど広まる事はなかっただろう。つまり、回線の高速化が、この状況を生んだといえる。この傾向は回線が高速になるたびに顕著になる事が予想される。ギガバイトクラスの外交文書や鮮明な動画が広まるには、それ相応の回線スピードが必要なのだ。そういう意味で、ソフトバンクの孫さんの光の道構想は意義深いものである。

 
2.誰もが情報公開できる時代は、民主主義にとって理想的

  • 個人や小規模な組織から価値のある情報が世界に簡単に広められる時代、これはある意味、ジャーナリズムの理想と言ってよい状況だ。情報ソースさえ持っていれば、あとは簡単に世界に広められる。これからあらゆる情報が白日の元にさらされる時代になっていく、また、政府も規制を増やそうとするだろうが、その際に、表現の自由言論の自由などの国民の権利を政府に譲り渡さないようにそれぞれの国の国民は各国政府の監視を怠るべきではない。

 
3.情報公開によって相互不信の解消や不正の排除などが進む。メリットも多い

  • 真に表現の自由言論の自由があれば、各国間の相互不信も解消され、企業の不正も減り、結果的によりクリーンな社会に変わる事だろう。今までのダーティな社会を維持する為に政府が動こうとするのは防ぐべきだ。なぜなら、漏らされては困るような情報がありすぎることが結果としては、不正や腐敗の温床になっているのだから。

 
4.情報を統制する手段を政府に与えてはいけない

  • また、同時に人々の情報の流通を妨げる手段も存在しないのだ。元々、インターネットそのものが軍事技術であり、敵からの攻撃に対し、耐性を持つように設計されており、その設計コンセプトが、現在の状況を生んでいるとも言えるからだ。ならば、それを最大限活用する事を考えるべきでである。情報統制に繋がるような規制を生み出す事は、結果として、この素晴らしい環境を台無しにする事であり、今の中国のような国にする事を意味する。その中で情報がいびつに公開され、結果として、社会の発展を妨げる事になるだろう。だから、多少の問題はあっても情報が公開されて、社会が良くなっていく可能性の方にかけた方がいいのだ。これは情報に対し、新たな局面を生むものであり、それを否定する事は、過去に逆戻りする事になる。時計を逆回しにしようとしても、結果としては時代の流れには逆らえない。秘匿されるべき情報はあるだろうが、それが多すぎてはいけないのだ。なぜなら、それが多すぎる事で、結果として、腐敗行為や不正行為が可能な場所も多くなってしまうからだ。正しい競争には、正しい情報が必要なように、公正なものには適切な情報公開が必要だ。それがあってこそ、社会は正しく機能するのだ。

 
5.官僚と結託し社会にとってアレルゲンでしかない旧来メディア

  • 情報公開によって生じるメリットを体に例えると、不正をバイキンだとすれば、情報公開は体にとって異物であるバイキンと正常な細胞を区別する能力に相当する。この能力が正常に働かないとバイキンの繁殖を許し、結果として身体機能が破綻し、死に至る。また、正常な細胞をバイキンだと誤認すれば、自分の細胞を自分で攻撃してしまう事になる。日本のジャーナリズムは、記者クラブを通じて官僚と結託し、世の中の正常な動きを妨げ、正常な細胞を攻撃している傾向があるので、ハッキリ言って日本のマスコミはアレルゲンであり、日本という体の健康の為には、むしろ旧来メディアは、排除する事が必要である。

 
6.現実の犯罪の実態や法律の歴史から見て情報統制法とも言うべき、青少年育成条令は否決するべき

  • 日本の歴史で言えば、戦前に治安維持法が登場し、情報統制が厳しくなり、国民の知る権利が死に絶えた状況で日本が戦争に突入していった事は無視できない事実だ。都の青少年育成条令は、情報を規制する条文が極めて曖昧で、治安維持法の一世代前の法律に極めてよく似ている。この法律が前例となって治安維持法が登場した事を考えれば、都の青少年育成条令を軽く捉えるのは、歴史に対して無知というべきだし、過去の歴史から何も学んでいないといっても良い。都の青少年育成条令が否定されるのは、過去の犯罪統計から、この種の規制は、全く効果がなく、むしろ犯罪増やす事が明らかであり、また、歴史的視点からみて、言論の自由を制限した過去の法令に極めてよく似ている事から否定されるのである。
  • 犯罪白書 1997年〜2006年 性犯罪はP.5 1997年〜2006年)
  • 警察庁の性犯罪の統計データ(5ページ目参照)
  • 歴史に対する無知をさらけだし、このような条令を可決する事のないよう都の議員には、正しい議決を求めたい。また、毎日新聞などが、もはや条例案が既成事実のような飛ばし記事を書いているようだが、その様な記事を重要な議決の前に書くのは極めて不謹慎であり、また、軽率である。極めて問題の多い行動といわねばなるまい。無教養といっても良い。

 
7.青少年育成条令は、その偽善性により、メリットは全くなく、デメリットを最大化する。

  • もし、この条令が日本の情報の中枢である東京で可決されてしまったら、それは即ち日本全体に適用されたのも同然であり、それによって生じるメリットは殆どない代わりにデメリットの方が大きくなるのは犯罪統計のグラフを見ても明らかだし、治安維持法が生まれる以前の歴史を知っていれば分かる事だ。それが分からないのは、犯罪統計も知らず、歴史も知らないという事である。自分で自分のクビを絞めて助けてくれと言っている人がいたら、誰でもバカだというだろう。しかし、自分の手が自分のクビを絞めている事を無知であるがゆえに見えておらず、結果として助けを求めても遅いというのは、犯罪を倍増させた児童ポルノ法が廃止にならない事から見ても明らかである。(デンマークはポルノ規制をしたら犯罪が増えたとしてポルノ規制を撤廃し性犯罪を減らした)性犯罪が倍増するという現実の被害者が生じても、奇麗事から生じる害悪は、消滅させるのが難しい。だから、条例案が可決されないようにする事が大事なのだ。偽善の恐ろしいところは、実際には悪であり現実に人が苦しんでいるのに、それが正義のように見える事で、長い間、人を苦しめ続ける事である。外面は正義、中身は悪というのが困る。だから、本当に正義を望むのならば、そういう事をやってはいけないのである。(お中元も箱だけ立派なものよりも、箱が立派でなくても中身が立派な方がいいでしょ。それと同じ)

 
アサンジ氏の行為がダーティに見えるかもしれないが、情報を隠匿し、不正を放置する事もまたダーティな事である。また、都の青少年育成条令では、多様な表現を認める事は、ダーティな表現も肯定する事に繋がるが、しかし、表現を規制する事がそれ以上にダーティである事は歴史が証明している。私たちは、そういう歴史を忘れてはいけない。
 

  • 「賢者は歴史から学び愚者は経験からしか学ばない」 by オットー・フォン・ビスマルク
    • 言いたい事が自由に言える社会が、どれだけ素晴らしいかは、それを失ってみないと分からないものだ。だが賢き者ならば、歴史から過去の失敗を理解し、それを失う前に対処できる事だろう

 
WikiLeaksが公開したイラクの民間人をアメリカ軍がゲーム感覚で殺害している動画