SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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DVDは死に、ネットでビデオは売られる。

DVDビデオのリッピングも違法化へ
http://slashdot.jp/yro/10/12/05/0329250.shtml
 
文化庁は、DVDの複製コピーは、これから違法行為にするつもりだそうだが、文化庁のやる事はいつも見当違いである。ニーズと価格のバランスを考えなければ、モノが売れないという当たり前の事が分かっていない。
 
買って良かったと思えるものがなければ、結果として、売れない。あれもこれもダメといい出すと、ユーザーが欲しているパフォーマンスが劣化するばかりで、コストパフォーマンスがどんどん劣化していく、その結果、買う理由がどんどんなくなっていく。
 
iTunesで日本のビデオコンテンツが販売されるようになったが、これからは、その方向に向かうと思う。DVDが売れない理由、現在の経済状態では、コストパフォーマンスがなさすぎるから、文化庁がやらなければいけない事は、DVDを購入した人には、iTunesなどにリッピングする権利を保証する事であって、リッピング全面禁止というのは間違い。ニーズを満たす選択肢がないからこそ、違法コピーが氾濫するので、ニーズを満たす選択肢を供給せず、単にこれは悪だから否定するというのやり方は、対案のない批判と同じで不毛である。
 
この判断をした官僚達の発想は幼稚だ。歴史を勉強した方がいい。そういう事をやっても上手くいかない。禁酒法の歴史を社会の先生に教わった時の言葉を思い出す。ある事を単純に禁止しても、上手くいかない。そのかわりとなるものを用意しないとダメなんだ。人間というのはそういうものだと、教わったのを思い出した。(そういう事をやると必ず裏口が生まれるとも先生は言っていた。しかし、もしかしたら、規制利権を拡大する為かもしれない)
 
今、求められているのは、コンテンツを購入したら、それをiPadの様なもので見たり、サーバに置いておいて、それを家のPCやテレビでリモコン片手に自由に見られる事を保証されたコンテンツ。DVDのリッピングがそのニーズを満たす唯一の手段と言って良かったが、それが禁止されるとのことなので、DVDは死に、ネットで販売されるコンテンツのみという事になる。
 
役所が口を出す度に、恐らくコンテンツ産業そのものの市場が萎縮していくと思う。なぜなら、顧客から見たコストパフォーマンスがどんどん劣化していくから。今のこの不況の状態、多くの人がコストパフォーマンスを気にする。それ以下だと、全然売れない。役所がやっている事は、コストパフォーマンスを下げて、DVDを全然売れない領域に追いやっているだけだと思う。コンテンツ業界にとってある意味、文化庁の方針は疫病神といえるかもしれない。文化庁が主張する度に、コンテンツの価格は高騰する事になる。なぜなら、文化庁が規制でコストパフォーマンスを下げて不便にする。コンテンツが売れない、売れなくなったら収益を確保する為にソフト一本あたりの価格を上げなければいけなくなる。これを繰り返すと、結果的にコンテンツ産業は萎縮していく。実際、現状はそうなっている。
 
コピーがなくならないのは、不正コピーが最もニーズを満たすコンテンツの流通形態になっているから、安くて、使い勝手がよいからだ。お金を払っているユーザーに、高くて使い勝手の悪いルールが適用されるのはおかしい。
 
価格が高い
ニーズに合わない流通形式は、コストパフォーマンスが悪い→売れない→ソフト1本あたりの値段を高くしないと採算が合わない→コストパフォーマンスが低くなる→最初に戻る。という悪循環に陥る。解決策は、iTunesなどネットでコンテンツを流通させる事。
 
ネットで販売すれば
1.お店に行かなくてもコンテンツが購入できる
2.メディア交換などせず、ハードディスクでリモコン片手に好きなコンテンツが見られる。
3.パッケージメディアに比べて安い
4.ネットに繋がっていれば、好きなコンテンツがどこでも見られる。(データ移動が自由)
5.原理的に売り切れはない。(サーバ負荷が多くてダウンロードできない事はある)
6.メディアの規格変更に伴う買いなおしが必要ない
 
これだけのメリットがある。DVDのリッピングが、このニーズの多くを満たしていた。しかし、それが違法という事になるのであれば、ソフト会社は、iTunesで出来るだけ多くのコンテンツを低価格で販売するべきである。ユーザーニーズに合った合法的なコンテンツを供給せず「DVDが売れない」と言うのは、ユーザーに対する対案のない批判であり、その主張は全く無意味である。
 
日本のコンテンツ産業を衰退させているのは、ニーズに対する対案のない批判から生まれる不毛さ、平たく言えば、ニーズ無視の姿勢である。そしてそれを主導しているのは、文化庁の官僚である。役人というのは規制を作って威張る事で利益を得る連中なのだ。威張れないように政治家がチェックしないといけないのだが、日本では、政治家のチェックが甘くて、彼らは増長し放題だ。それがあらゆる産業に官製不況を起こし、国全体の利益を損なう事になっている。この不毛な状態を打破するには、対案のある批判を繰り出す事である。対案のない批判は、存在しないのと同じ。映像コンテンツについては、今のところiTunesによるコンテンツ流通が最適解である。
 
まぁ役人が規制を作る度に息がつまる。そういう酸素不足が社会から元気をどんどん失わせいくと思うのは、私だけだろうか?
 
Appleはそこのところが分かっていたから、iPodは売れて、アメリカでは、CDよりもネットによる音楽流通の売れ行きの方が多くなったという。AppleSONYに勝ったのは、そこである。SONYウォークマンは、ユーザーの利用に対して規制だらけだった。だから、iPodに負けた。規制を作れば問題が解決するという安直な発想では市場は形成できないという現実が分かっていないのは現実に対して白痴としかいいようがない。バカだね正直いって...