SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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偽善とは心の麻薬

事なかれ主義の祖母を思い出すたび、これは何なのか考えてみると、一種の麻薬だと思うのだ。つまり一時的に問題を解決したかに見える対応ばかりをして、問題の根本には一切手を付けない。衝突を止めるだけで解決はしない。
 
一時的に改善されたように見えるので、一時は気持ちよくなる。だが、実際の問題は何も解決していないので、すぐにぶり返す。つまり、この状態が麻薬常習者に似ている。一度麻薬に依存すると、その気持ちよさに依存し始め、それ以外にないかのように勘違いし始める。祖母も全く同じだったと思うのだ。
 
祖母は、自分がこの家の平和を守る善人だと思う事で、精神的に気持ちよくなり、実際には問題の根本的な解決をしないばかりか、私が解決しようとすると、衝突が大きくなるとして、妨害ばかりをしていた。彼女は、自分が気持ちよくなる為に行動していた。つまり、心の麻薬常習者である。
 
偽善というのは、心の麻薬なのだ。そして、この麻薬常習者の犠牲になるのは偽物でない方の正義だ。
 
日本の財政赤字も同じ、不況だとか福祉だとかいって、増税歳出削減という痛みを伴う解決を避けて、減税と歳出拡大に明け暮れた結果、0金利政策で誰も得をしない形になってしまった。偽善なのだそれは、一時的には解決したかのように感じるが根本的な解決を何もしていないので、再び同じ問題がぶり返す。
 
日本のマスメディアは偽善を賞賛し、正義を非難する。増税といえば非難する。歳出を削減するといえば、福祉が足りなくなるといって非難する。でも、根本的な解決をしないで、裏付けの乏しい財政を繰り返すのは結局、財政問題という根本的な問題にブチあたり、同じ問題が不安として社会全体にのしかかってくる。そういう偽善を放置した結果、今の日本が苦しんでいるといっても過言ではない。
 
私が最も恐れるのは、偽善によって問題が永続する事である。それよりも、一時的に衝突はあるにせよ。問題を根元から断つ方が、問題が解決され、他の問題に取りかかれる。問題を永続させてしまうと、どんどん積み残しの問題が増えていき収拾がつかなくなる。それが一番恐ろしい。日本は現にそうなっているし、私の家でも祖母の偽善によってそうなっていた。
 
祖母が極端に衝突を恐れるものだから、何も問題が解決されない状態が続き、私はノイローゼ寸前まで追いつめられた。私は今でもそのことを恨んでいる。正直いって、祖母のやり方は、最低だった。