1.日立のMEMSディスプレイ
- 超小型のMEMSシャッターの開閉度で輝度を調節し、RGBのバックライトの光を時分割で表示して映像を作る。光の透過率が普通の液晶が6%に対し、60%から80%に達し、消費電力は通常の液晶の半分から1/4に将来的にはなる見通しという。また、偏光フィルタやカラーフィルタが不要な為、色再現度(NTSC比120%)も高いという。また応答速度も100μsと短く3D映像の表示も充分可能なスペックである事も注目に値する。
- MEMSシャッターで画素を制御、新方式のディスプレイを日立ディスプレイズが展示
- http://eetimes.jp/news/4300
2.東芝のCELL REGZAの2D→3D変換技術
- CELL REGZAが示した2D→3D変換機能が示した可能性は注目に値する。色々なテクニックを用いて2D映像から奥行き情報を取り出し、自然な立体視を実現している。
3.三菱のH264の2倍の圧縮能力を持つ新しいコーデック(HEVC)
- 2012年頃に策定されるH.264の後継規格H.265の候補一つとして名乗りを上げるらしい。ブロックサイズを可変させる事で記録情報のオーバーヘッドを減らし、その他、細かな修正によって半分くらいまで下げられたという。
- HEVCについて書かれているblog
- http://up-cat.net/HEVC%2528H%252E265%252FHVC%2529.html
- 注目しているのはこの三つの技術だ。これらを組み合わせる事で素晴らしい映像体験が出来ると思う。日立のMEMSディスプレイは、開口率が高いので3DTVのコントラスト不足を補える可能性がある。東芝の2D→3D変換処理は、3Dコンテンツの不足を補う効果を持つ、そして、新しい圧縮ビデオコーデックは、そういう映像を今までの半分程度で記録できるようにしてくれるだろう。
どういう映像体験なのか想像してみた
- 2015年の3DTV
- タブレットでビデオコンテンツのサムネールをタップすると、3DGoogleTVに昔の2D映画が3Dになって映る。女優の顔や表情が生き生きと3D映像になって、まるでディスプレイの中で生きているような感じがする。フレーム補間による滑らかな映像、超解像度でVGAクラスの映像がHD画質になり、色も拡張され、より女優の唇の赤色が美しく見える。さらにMEMSディスプレイは透過率は高いので3Dにありがちなコントラスト不足もない。さらにディスプレイにカメラが内蔵されており、視聴者の目の位置と生成された奥行き情報を参考にして、最適な立体映像を表示する為、より自然な立体視が出来る。首を動かすと、その位置に合わせて立体映像が変化するので、まるでそこにいるかのように感じる。そういう立体視が出来ると予想する。そして、動画ファイルがH.265となり、記録容量がH.264の半分程度で済むのでディスクに書き出さず、ハードディスクだけで見る人が増える。