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変革について

変革について

【73】身近な変革を成功させるカギ
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20101007/247809/?P=1
 
この記事は面白かった。変革のキーは危機感ではないというところは印象的だった。ここで言われているのは、危機感が全く不必要ではなくて、危機感だけでは、継続的な行動に結びつかないという意見だった。危機感ではなく「こうなったらいい」というビジョンが行動するのには必要だという。
 
自分は変革のプロセスについてこう思う。
 
1.「このままじゃダメだ」と悩んでくるくる歩き回っている奴がいる。そこへ...
 →変革する動機 (変わらなければいけないという意思:危機感)
2.「こうすればいいんじゃね?」とビジョンを持ってくる奴が出て
 →ビジョン
3.「おおっ!それはすごい!やろうやろう」
 →コンセンサス
 
これを明治維新に当てはめると...
 
1.「このままでは西欧列強に日本が飲み込まれてしまう」
 →危機感 (黒船来航)
2.「大政奉還をし、日本を一つにまとめ西洋の技術を学ぶ事で日本を守る」
 →ビジョン (船中八策坂本龍馬
3.「薩土盟約」
 →コンセンサス
 
これにより、大政奉還が実現され、徳川幕府(旧体制)は終わり、日本は明治維新という大改革へひた走る事になる。変わろうとする動機がなければ、そもそも、ビジョンを受け入れる器が出来ず、しかし、その器だけでは、改革は出来ず、むしろ、その器に適うビジョンがなければ、コンセンサスを醸成する事は出来ない。
 
これを今の日本のデフレに当てはめてみよう
 
1.「このままデフレが続けば、経済成長が出来ず日本はダメになる」
 →危機感
2.「同一労働同一賃金の実施と流通規制を撤廃すれば20兆円の需要が発生する」
 →ビジョン
3.「労使交渉締結、流通規制撤廃案可決」
 →コンセンサス
 
さて、同一労働同一賃金は、正社員の給料が(16%)下がる為、不可能だと思われるかもしれない。しかし、歴史を見ると同じような事例がある。徳川政権時代に大政奉還論は不可能だと誰もが思っていた。ではなぜ、龍馬がそれを実現できたのか?それは、長州に負けた徳川政権がもはや風前の灯であり、誰の目にも終わる事は確実であった事、そして、その終わるものを守る為に戦を起こして江戸が火の海になる事が全く無意味である事、だから、きっかけさえあれば、他藩も大政奉還を受け入れると龍馬は踏んだ。そして、そのきっかけとして土佐藩を選んだ。土佐藩は徳川政権に忠誠を誓う藩、その藩が徳川を見限ったとなれば、他の藩も追随するとにらんだ。その目論見は的中し、日本は大政奉還を実現する事になる。ここで重要なのは、既におぜん立ては整っており、後は合意のきっかけだけが必要だったという点。そこに注目してみると、同一労働同一賃金を実現するプロセスも見えてくる。
 
日本はデフレが10年続いており、経済成長に必要な需要を生み出すには、内需の大幅な拡大以外にあり得ない。GDPの15%程度の外需だけでは36兆円もの需要不足を補う事はほぼ不可能であることは明白。そこで、不公平な賃金制度(所得の不均衡)から生じる需要損失を同一労働同一賃金で解消する事が必要。これが、大政奉還論に近いものがある。必要だと分かっていながら、大きな既得権が立ちはだかっているので、それが出来ない。
 
しかし、このままデフレを続けていけば、いずれは日本経済は沈み続け、結果として、給料は継続的に下がっていく、そうなれば、デフレを解消する事なく、正社員も同一労働同一賃金によって下がる給料の水準まで下がっていくと考えられる。それはあまりにも無意味である。それよりも、同一労働同一賃金を実行してV字回復するべきではないかと説得する。一時は苦しいかもしれない、しかし、このままジリ貧を続けていれば、いずれ同じ事だと説明する。そして、労使交渉で最も反対するであろう所を説得できれば、雪崩をうって他の労働組合同一労働同一賃金に賛成し、結果的に日本はデフレを克服して経済成長という事になる。(これがビジョン)