SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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理想と現実

1.理想的なものほど普及しない理由

  • DynaBook , OpenDoc , TeleScript , Knowledge Navigatorなど、非常に優れたコンセプトは軒並み普及しなかった。部分的に実現したものものあるが、完全ではない。その理想と現実について語ろう。

 
2.複雑なものはダメ

  • これらの優れたコンセプトに共通するのは、概念は優れていても、それを使う為に高度な知識を必要とする事だ。自由度が高く運用面で今のWebなんかよりも遥かに高度な事が出来る可能性を持っていた。しかし、高度であるがゆえに、その扱いが理解しにくい。どんなに優れた技術も、運用がシンプルでなければ、まるで窒息したかのように動かない。そういう意味で、世の中にとって分かりやすさは酸素なのだ。この酸素が提供できない規格では世の中は動かない。

 
3.成功したものに見る現実的な理想のあり方

  • 世の中が許容する複雑さの範囲内で、便利なものを提供したものが普及する。Googleがその一例としてあげられるだろう。Googleがやっている事は、双方向通信によって情報を自動的に探し出すTeleScriptの劣化バージョンに過ぎないが、その運用は簡単である。欲しい情報のキーワードを入力すれば、それが多数決の論理で優れた結果を出したものが上位にくる検索リストが表示される。この運用のシンプルさがGoogleの競争力になった。反面、TeleScriptは、それを理解するのに厚さ5cm位の本を読まなければいけない。つまり、この差が普及するかしないかを決める。運用面でのシンプルさが重要なのだ。もし、あなたが技術で世界を変えようと思ったら、それが普及するレベルまでシンプルにしなければいけない。そうでなければ、「優れたコンセプトだったけど普及しなかったね」で終わるのだ。

 
4.小説でも漫画でも、分かりやすさが普及のカギ

  • DEATH NOTEを見てみると分かるのだが、もし本当に天才同士の頭脳戦をリアルに描こうとすると、まず、一般人には理解不能な戦いになる。これは、将棋を見れば分かるけれども、羽生名人の手を見ても将棋が分からない人間には何の事やら分からないし、分かっていても、プロ棋士の優れた手を理解するのは難しいだろう。しかし、DEATH NOTEの場合、そこがうまく妥協して描かれているので誰もが理解しやすいレベルにまで落とし込まれている。その結果、2600万部も売れたわけだ。

 
5.現実的な理想とは何か?

  • 社会が許容するレベルに落とし込まれ、その範囲内で理想を実現する事が求められる。これが過去の失敗から私が見いだした現実的な理想実現の為に必要な事である。要するに「簡単にせよ」と言う事なのだが、単に簡単ではなくて、そこに新しい要素がなければ世の中を変える事は出来ない。運用面で可能な限りシンプルでなければいけないので、それを徹底できない複雑なものはダメなのだ。