SKY NOTE

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スターウォーズ エピソード3をBS HiVisionで見た

1.シャープのテレビへの文句

  • テレビが壊れたので、渋々、地デジの安い液晶テレビを買った。おかげで、BS HiVisionが見れるようになり、スターウォーズを見る事が出来た。今日はエピソード3だったが、画質はハイビジョンになっても、大した事なかった。テレビの文句はこれくらいにして作品について

 
2.エピソード3の二度目の感想

  • エピソード3は、今回は二度目、最初に見た時は退屈になって途中で寝てしまった為に完全に見るのは今回が始めて、若者の葛藤が描かれているが、アナキンの心の動きはよく分かる。奴隷として育ち、自分が切り捨てられる恐怖感をぬぐい去れないところに彼の悲劇があるのだが、私も養子だったので、親切にされても、いつか切り捨てられると言う不安感をぬぐい去れずにいるアナキンの気持ちはよく分かる。普通のまともな家族に育つと、安易に切り捨てられることはないと無条件で信じる事が出来るが、人より一段か二段下の生い立ちを体験していると、いつ切り捨てられてもおかしくないという不安がいつもつきまとう。アナキンはこの不安に勝てずに暗黒面に落ちた。パドメの愛も信じられなくなり、自らを不幸の底に追い落としてしまう。

 
3.アナキンはなぜ、パドメを信じられなくなったのか?

  • パドメに真の愛があるのに、それを信じる事が出来ないアナキンの心情は幸せな家庭にいた人間には分からない心理であろう。どこかで常に裏切られると言う意識を持っているのは、そういう不安定な場所にいた人間でないと分からない。言ってみれば派遣社員のようなものだ。正社員と違って、派遣社員はいつ切られるか分からない。簡単に相手に切られる状況にいると、常に不安を感じながら生きなければいけない。アナキンの心理は、正にそれだった。ある意味、自尊心が成熟していない人間なのだ。幸せな家庭にいた人間はそこが理解できない。だから、アナキンのような人間をただのバカだと思う。実際バカと言えばバカなのだが、それをただバカにしていても、ダメなのだ。それは何の解決にもならないのだから。アナキンの心には、裏切られる事が普通であって、だから、人と衝突すると即、全体が自分を否定すると勘違いしてしまう。だから、その恐怖に勝てず、子供のパダワンでも皆殺しにしてしまう。全てが自分の敵なのだ。しかし、裏切っているのは自分自身だと言う事に気づかないといけない。彼の恐怖は、奴隷時代に培われたもので、それを解消する事なく大人になって行く姿は、こういう心の問題が根深い事を意味する。不安と恐怖に簡単に支配されるので、それを跳ねのける為に大きな力を欲するようになる。ある意味、そういう不安や恐怖を理解し、寄り添ってくれる存在としてパドメに依存していたとも言える。しかし、そのパドメを失う事は、彼にとって絶望であり、それを失わないために、シスの言いなりになってしまう姿は哀れである。つまり、彼はパドメに依存してしまった為に、依存できなくなった段階で、裏切られたと思ってしまった。執着が彼を盲目にし、皆の総意を尊重する民主主義を愛するパドメの意思が理解できなくなっていた。アナキンは、恐怖に打ち勝つ為に力を欲したが、パドメは、力ではなく対話で問題を解決する事が大切だと思っている。考え方が恐怖に基づいているアナキンと、信頼や愛に基づいているパドメには大きな違いがあった。この双方の違いが、互いの無理解に繋がったのだ。アナキンが力で自分を証明してきた過程が、彼の心の成熟を遅らせてしまった。天才と言われる人間も同様の傾向がある。あまりにも高い能力を持っている為、その能力で自分を誇示できる。それが精神の成熟を阻害する。己を押し通す力ばかりが強いと、引いたり、妥協したりと言う心の調整をしなくてもいいので、能力だけで認められて成長してしまう。これが未熟な心理状態を生む。アナキンにも、そういう特徴がある。強力なフォースの力で己を誇示し続け、結果を出し認められてきたので、なぜ自分がジェダイ評議会で認められないのか理解できない。ヨーダ達は、暗黒面に落ちやすい、未熟な精神のアナキンを的確に評価して彼をマスターにしないのだが、力で認められてきたアナキンにはそれが理解できない。そして、奴隷時代の卑屈な根性が、全てを自分の敵だと錯覚させてしまう。パドメでさえも、自分を裏切ると考えるところは救いようがないが、それが彼にとって普通なのである。それが普通ではないと、師匠であるオビ=ワンが教えなければいけなかったが、弟子の高い能力を評価しすぎて、その点をきちんと教育するのが甘くなってしまっていたと思う。日本の官僚にもこの種の未熟さがあり、日本を破滅に導いている点は、似たようなものかもしれない。(己の過ちを認めないところは特にそう)

 
4.エピソード3全体の感想

  • お話は、未熟で愚かなガキンチョが自らを破滅に導き、その巻き添えで宇宙も危険にさらされるというお粗末なものなのだが、それが宇宙というスケールで語られることで、何とか体裁を保っているの感じがする。でも、こういう心の闇と言うのは、結構よくあると思うので、いちがいにアナキンを間抜けと言う事は出来ない。アホで間抜けなのは分かっているけど、そういう弱さに理解を示し、修正して行かないとダメなんだ。アナキンは子供なんだよね精神的に、だから周りの大人がきちんと育ててあげなければいけなかったけど、それに失敗したのがこのストーリーの中での悲劇に繋がっている。大体、人間と言うのはそもそも子供の内は間抜けでバカなんだ。それを教育で賢くしている。だから、アナキンを単純にバカと言っていたら何も始まらないんだ。それは育てなければいけないと言う大人として責務を放棄した事になるからだ。それを理解し、同時に正しい方向に導く事、そういう事の大切さをこの映画は伝えているように思えてならない。

 

  • エピソード4では、オビ=ワンはアナキンの時の反省を踏まえて、ルークを教育していると思う。オビ=ワンがルークの前でダースベイダーにわざとやられるところは、自己犠牲の精神を自らの命をもって弟子に伝えたと見る。つまり、己を守る意思が強すぎて力を欲したアナキンのようにルークがならないようにしたと考える。ルークがオビ=ワンの死について考える事で、己を守ろうとして力を欲する事の愚かしさを伝えた。ここが、オビ=ワンの教育の変化だと思う。結局、恐怖とは己の存在を否定される事なのだから、それを自己犠牲によって超越した姿をオビ=ワンはルークに見せたのだと思う。