SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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正当な格差と不当な格差

日本の議論でおかしいのは、正当な格差と不当な格差が、混同されて議論されている事だ。実力による格差は正当であろう。しかし、同じ仕事をやっているのに、一方は倍の給料をもらい、一方はその半分の給料しかもらえないと言うのは、不公平であり不当である。
 
1.小学生以下の議論

  • 日本の議論でおかしなところは、この全く違う格差を混同して、格差是正か、格差容認かという単純な二元論で議論されている事だ。まったく真逆のものを混同すると言う論理的に破綻した議論を展開する日本のマスコミの低能さには呆れる。議論の最低限のディティールも充分に把握できないとは、無能にも程がある。小学生だってそんなこと分かる。日本の議論でおかしいのは、小学生以下の議論をどうして大人である彼らがやるかと言う事である。わざとやっているのかと思えるほどの幼稚さだ。

 
2.正当な格差と不当な格差を混同する事で、不公正な雇用体系が正当化されている

  • 残念ながら、日本の企業は、派遣労働法の改正を賃下げの好機と見て、派遣労働者を増やして賃金を下げる口実に利用した。本来であれば、正社員共々、賃金を下げて、自社の本来の業績を反映した賃金水準にしなければいけないのに、派遣労働者という2級労働階級を設定し、半分の賃金で同じ仕事をさせる事にした。これが、否定すべき格差である。しかし、こういった不公平な雇用体系が極めて大規模に行われているのにも関わらず、この種の雇用体系は、是正されてはいない。なぜなら、論点を混同する事でそれが可能になっているのだ。格差がいけないというのならば、能力のあるものの給料も普通の人と同じにしろと言うのかという詭弁を用いて、実際は不公平なことをやっているのに、あたかもそれが公平であるかのように見せかけているところが、非常に詐欺的な議論になっている。こういう不正を正すのがジャーナリズムの役割だと思うのだが、小学生以下の低レベルな論点の混同によって、この不公正な行為が正当化されている。要するに二枚舌なのだ。同じ仕事をしているのに、倍も賃金が違う不公正な雇用体系を非難すると、実力のあるものの賃金を下げるのか?という言ってもいない理屈を展開して、論点をすり替える。卑怯この上ない卑劣な行為だが、そういう事を非難しないジャーナリズムとは何なのか?弱いものいじめではないか!卑怯者を野放しにし、やれグローバルだのなんだのと、卑怯者へ理屈をもっともらしく言うのは、辞めるべきだ。ある意味、体のいい責任転嫁である。痛みの先送りと言ってもいかな

 
3.今やるべき事

  • やるべき事は、皆の給料を平均して下げて、自分達の問題を皆で共有する事だ。自分達の競争力が落ちていると言う事を自覚する事。今は、ある一方にだけ、その詰め腹を切らせて、もう一方は無傷だ。こういう状態は、問題認識を遅らせて、百害あって一利なしだ。正社員の方は、派遣労働者を自分達の代わりに賃金を下げさせて、実際に被るべき痛みを感じないでいる。この無神経さが、結果的には日本の危機意識を下げてしまう事で改革が遅れ、同時に購買力の極端に低い消費者を生む事で安値競争が続き、デフレが止まらなくなってしまっている。悪循環なのだ。皆の危機意識を高める為にも、正社員や公務員の賃金を下げて、派遣社員の給料を上げて、同一労働同一賃金でやればよいのだ。そうすれば、皆に危機意識が芽生え、みんなで改革するしかないという事になると同時に、購買力が底上げされるので、デフレも緩和される。それと同時に政府が経済戦略を適切に展開して、成長産業を育成し、大きくする事で日本全体を成長させると言うのが最善のシナリオだ。