エアコンに2つの過大表示疑惑
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100617/215008/?ST=print
1.かさ上げされたスペックの省エネエアコン
- エアコンのCOP値がかさ上げされているそうだ。まぁ薄々分かっていたけど、ついに本当の数字が出てきたなと言う感じ。省エネエアコンのカタログのCOP値は6が多いけど、実際には3程度だと言う。この記事の中のグラフの-5度以下の低温時のスペックはCOP値が1を割ると言うもので、使ったエネルギー以下の性能しか出せていない。寒い時ほど温かくなって欲しいのに、そういう時にエネルギー効率が良くないのでは話にならない。
- 気温:0度(COP値)
- カタログ値:6.0
- 実測値 :2.0〜3.2程度
- 気温:零下5度(COP値)
- カタログ値: 6.0
- 実測値 : 0.9(1以下は投入したエネルギー以下のパフォーマンス)
2.エアコンよりも二重窓
- 一番、空調で省エネになるのは二重窓だと思う。窓から37%の熱が逃げているのだという。つまり37%の熱を捨てているわけだ。二重窓にすると、13.2%程度(2.8倍という表記から計算)しか逃げないのだと言う。つまり、二重窓で25%の省エネが出来ると言う事になる。それに一般的なサッシのアルミは、ヒートシンクに使われるほど熱伝導性が高く、保温に向かない素材だ。そう考えると、最近、開発された(結晶化プラスチック)で作ったサッシになれば、透明で熱を通さず軽い二重窓が出来る。利便性、保温性、強度、コストどれを取っても良い理想の窓が出来ると思う。NOCは、実用化は既存のプラスチックの生産工程に一部NOCを製造する工程を加えるだけで作れ、実用化は近いのだと言う。後は、政府の助成制度が充実して、量産効果を高める事が必要だ。そうすれば、元はプラスチックなのだから安くできるようになるはずだ。
- 熱伝導率(Wikipedia)
- アルミ:236.0
- ガラス: 1.0
- ポリマ: 0.2
3.ヒートポンプ+太陽熱+二重窓のチームプレイが省エネのカギ
- あと、ヒートポンプは0度以下になるとパフォーマンスが落ちるので、0度以上の空気を得る為に太陽熱を使う方法もありだと思う。太陽熱と二重窓の組み合わせは、暖まった空気が逃げず、魔法瓶のように寒い夜を昼間の太陽熱で保温し続ける。具体的には、-5度以下だとヒートポンプの効率は投入エネルギー以下になる。よって、太陽熱が必要だし、太陽熱は昼間しかないから、夜は二重窓で保温する必要がある。このように、太陽熱、ヒートポンプ、二重窓は、どれか一つ欠けてもダメなのだ。OMソーラーのようにを太陽から電力と熱を同時回収する仕組みは真の意味で効果的なエコシステムだと思う。三菱重工のエコハウスもOMソーラーであり、スペック偽装をする連中と違って三菱重工の住宅部門は真に環境の事を考えたメーカーだと思う。
- 太陽熱+太陽光の新アイデア “ボランチャイズ”で拡販目指すOMソーラー
- http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20100614/104020/
4.導入コスト
- ヒートポンプはエアコンとして、既に安く購入できるが、二重窓や太陽熱はまだまだ高い、通常のガラス窓が5000円/平方メートルに対し、二重窓は取り付け費用も含めると3〜4万円/平方メートルとまだまだ高い。普及促進による量産化がカギだ。日本の二重窓は諸外国に比べて高いので、安くできない事はない。とにかく正しい情報が広まって、普及する事が結果として二重窓を安くし、環境を守り、日本のエネルギー消費量を下げ、太陽電池を使えば、エネルギー自給率を高める事にもなる。問題は高額設備コストだが、従来のような補助金によるバラマキ政策ではなく、長期間の無利子融資など、財政面で国が継続的にやって行ける仕組みにするべきだ。寒冷地では暖房コストが年間10万円はくだらないとの事なので、それが太陽電池や二重窓の導入でまかなう事は出来れば、20年間使えば、200万円の価値があると言える。無利子融資ならば、それを財布にも環境にも国の財政にも優しい形で実現できる。