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「非実在青少年」条例、都議会で否決される。(2010.6.16)

非実在青少年」条例が2010年6月16日の東京都都議会本会議で否決された。
 
 「非実在青少年」規制盛り込んだ条例改正案、都議会が否決
 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100616_374775.html
 
この規制法案で正義が実践されると思われている方は、以下のグラフを見て欲しい。

これは、警察庁の性犯罪の統計データ(5ページ目参照)を元に私がグラフに起こしたものである。今回と同種の規制法案である児童ポルノ法案後の犯罪統計である。実はこの種の規制は、犯罪を減らすのではなく、むしろ増やすのである。グラフを見ると強制わいせつなどが、児童ポルノ規制を実施した途端、急激に2倍以上にまで上昇しているのよく分かる。これにより分かる事は、エロメディアは、性犯罪を減らしているのであって増やしているのではない事が分かる。また、強姦などの深刻な性犯罪は、一般的な犯罪と同じ比率で上昇している事から、基本的には法律を破るような人間がやっているのであり、メディアは関係ないと考えられる。つまり、欲望をメディアによって仮想的に満たしている事により、実際の少女や女性への被害が少なくなっていると考えるのが、このグラフを見る限り妥当である。2004年以降、減り始めているのは、恐らく、この年度から3DCGによるエロゲーが普及し始めた頃であり、要するにこういう実際には存在しない女性が性の対象になる限りにおいて、世間には何の害もないばかりか、犯罪を抑止しているという効用まであると考えられるのである。よって、今回の非実在青少年の規制は、まったく検討ハズレで犯罪を増やす法案である事は明らかであったため、否決されたのは正しかったと言える。
 
では、なぜ、こういう見当ハズレなことを彼らはしたがるのか疑問が湧く人も多いと思う。そこで、その説明に最適な文章を当ブログの過去記事から見つけた。私は以前、権威主義者の行動パターンと言うブログ記事を書いた事がある。
 
権威主義者の行動パターン
http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20080402/1207148040
 
その中で権威主義者の行動を以下の三つに分けて説明している。

1.理由を言わない

  • 何かをするとき、自分がどういう理由で行動するか開示しない。これの目的は、反論をさせないためである。つまり、反論させないということは、相手の権利を最小にする目的でそういう事をする。アンフェアであると同時に他人の情報をシャットアウトするので盲目的である。

2.曖昧な基準のルールを作って、そのルールと自分の意思を一致させる

  • 曖昧なルールを自分の意思と一致させることで、自分の権利(意思)を最大化する目的でそういう事をする。曖昧な基準で人を裁くので、ルールの権限に明確な限界がない。つまり、無限権限を欲しようとうする。

3.権威を味方にしようとする

  • 皆がやっているから、それをするのが当然だという主張をする。以前の記事「行列と渋滞の共通性」と同じで、対象を直視するのではなく、権威(多数決)を中心に物事を判断する傾向がある。盲目性がさらに強化される

 
1.規制派の行動は権威主義的である

  • 今回の規制派の行動は、この三つの行動パターンに完全に一致しており、彼らが私が定義する権威主義者にぴったり当てはまる事が分かる。つまり、彼らは事実ではなく、権威によって物事を決めているのである。多数派に説明しやすい青少年と言うキーワードを使って自らの権威を拡張するのが目的と考えると彼らの見当ハズレな行動にも、その目的(権威獲得)に対する妥当性が見いだせる。要するに彼らは青少年の事など、どうでもよく、ただ、権力が欲しいと考えると、性犯罪を増やす規制を作り、子供を守ると言う主張のおかしさにも一定の理由が見いだせるのである。本音は権力獲得、建前は青少年。

 
2.保守系新聞は権威主義的である

  • また、この規制について、新聞各紙を読んだところ、読売と産経などの保守系の新聞は、なぜ否決されたのかと言う理由を明示しないで、ただ否決されたと言う事実のみを報道していた。他の新聞は特に記事にしていないようだった。保守系新聞の行動パターンは物事の理由を開示しないと言う権威主義者の行動に当てはまる。理由を開示しない事で市民に判断させないというのが、彼らの手法であるようだ。新聞を読んでも、きちんとした判断ができない事は、各紙を読んでみて分かった。まず、記事にしてあっても、理由が明示されていないから判断できないし、他紙は記事にすらしていないのだから、それで分かりようもない。扱いにくい面倒な問題は記事にしないような傾向があるのかもしれない。本当は憲法や情報規制に対する非常に重要な判断であるのにも関わらず記事にしないのは、問題であるし、否決したキチンとした理由を開示しなくては、この問題がどういうことなのか市民に伝わらないのも問題である。

 
3.大手新聞は頼りない

  • 分かった事は、新聞を読んでも、社会の真実は「分からない」という事だ。内容が物事を判断できるレベルにまで達していない。これはジャーナリズムとして失格である。今回の問題で分かった事は、新聞を読んでも、社会を良くする事はできないと言う事が分かった。なぜなら、その判断の理由が開示されない伝聞レベルの記事では、何も判断できない。理由が分かってこそ、論理的に物事が判断できるのだが、その情報が全く無いのは非常に大きな問題。もっと深く突っ込んだ記事が読みたいものだ。そうであってこそ、社会の公器と言えるだろう。(私個人に言わせれば、真実を語る勇気がないのならば新聞なんてやめちまえと言いたいところだ)

 
4.真実を理解するのは、ネットメディアが最適であると分かった。

  • 今回の事例で分かった事は、物事の真実を理解する為には、ネットメディアが最適であり、従来の大手メディアは、頼りなく無能だと言う事が分かった。人々の表現の自由や情報の自由を守る為には、ネットメディアこそが信頼に値するメディアであると感じた。

 
まとめ

  • 権威主義者という存在が、どれだけ現実よりも権威を重視するあまり、見当ハズレな事をして人を不幸にする過程を説明してきた。その不幸を正すべく、真実を語るものがメジャーな情報メディアには乏しく、マイナーなネットメディアにあった事は特筆すべき事である。最後に、権威主義者の実態を書き記した記事を紹介する事で、この記事を終えたい。

  
 権威主義者の実態は臆病者である
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20100322/1269248908