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イリノイ大学とFraunhofer研究所、発電効率41.1%の集光型太陽電池を低コストで製造する技術を発表

Illinois大学とFraunhofer研究所、高効率の太陽電池を低コストで製造する技術を発表
http://eetimes.jp/ee/articles/1005/31/news106.html

1.この集光型太陽電池の要約

・集光率 :400〜500倍
発電効率 :41.1%(普通のシリコン型太陽電池は高いものでも18%程度)
・製造技術 :薄膜をサンドイッチ構造で低コストで製造できる

 
特徴
1.発電効率2倍(半分の面積でOK)

  • 発電効率が、通常のシリコン型太陽電池に比べて2倍程度なので、同じ電力ならば半分の面積で発電できる。

2.必要な太陽電池の面積は1/400〜1/500程度(省資源)

  • 少ない資源で沢山の電力が得られる。

3.低コストな製造技術

  • ・低コストな薄膜製造技術
    • 薄膜を製造する為に、従来と違ったアプローチを取っている。ガリウムヒ素と言うパンの間にヒ化アルミと言うハムを挟み、完成した層を酸性の溶液に浸すと、ヒ化アルミが溶けて、ガリウムヒ素の薄膜が取り出せる。
  • ・低コストな多接合太陽電池製造技術(妖怪百目のような構造を持った太陽電池
    • Semprius社が開発した集光型太陽電池の技術で、「micro-transfer printing」という印刷エレクトロニクス技術で、GaAs材料を大量に並べた多接合太陽電池の形で集光型太陽電池を作ると言う。
  • ・低コストなレンズ技術+放熱技術
    • 太陽電池セルは3㎟と小さく、Fraunhofer研究所が独自に開発したレンズは集光距離が10cmで小さなフレネルレンズ(3.8cm角:推定)が無数に並ぶような構造となっている。パネル裏側の銅版による自然放熱で充分だと言う。

 

  • この技術群の素晴らしいところは、ガリウムなどのレアメタルの消費量が1/400から1/500であり省資源である事、41.1%と高い発電効率なので土地の狭い日本には最適な事。しかもそれが低コストにできると言うから素晴らしい。通常、この種の化合物太陽電池は、宇宙開発用に作られており、そのコストは、普通の太陽電池の100倍程度、しかし、集光する事により、その必要量が1/500になるため、この時点で既に太陽電池部分が1/5のコスト、さらに、100倍の製造コストを削る低コスト技術群。この技術がアメリカ製なのが辛いが、しかし、この技術があれば、日本の電力需要をかなりまかなうことができるだろう。非常に素晴らしい。この技術の内容が具体的である事から、既に実用レベルにかなり近いのだろう。こういった技術を日本メーカーがライセンスして量産する事が日本の経済成長とエネルギー自給率向上と二酸化炭素削減を実現する上で役に立つ事であろう。