SKY NOTE

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ニーズとは何か

ニーズとは何かと考えた時にNeXT STEPを思い出す。NeXTSTEPとは、現在のiPhoneOSやMacOS Xの元となったOSである。しかし、全然売れなかった。しかし、その子孫であるiPhoneOSやMacOS Xは、普及している。この違いは何か?

 参考資料:NeXTSTEP
 http://ja.wikipedia.org/wiki/NEXTSTEP

技術的には同系列のものであるNeXTSTEPと今のiPhoneOSの何が違うのか?それは、ニーズに対するフィットの度合いである。当時のNeXTSTEPインテルマシンにもインストールできるものでもOS自体の値段が高く、ソフトが全然なかった。アプリケーションのないNeXTSTEPは、ユーザーニーズにフィットできなかった。それに対し、iPhoneOSはAppStoreの力もあって、ソフトが飛躍的に増えた。結果としてあらゆるニーズにフィットしたiPhoneOSは成功し、それができなかったNeXTSTEPは失敗した。
 
ニーズの種類
 価格的ニーズ:安いハードやOS
 用途的ニーズ:沢山のアプリケーション
 時代的ニーズ:時代に合っているか(新しすぎても古すぎてもいけない)
 
iPhoneは本体やOSの値段が手頃で、AppStoreで沢山のソフトを確保し、時代の流れも自分で作ってしまった。その結果、ニーズにフィットして売れた。つまり、このニーズにいかにフィットするかということが、物を売る上で最重要課題なわけである。しかし、決算書類やマーケティングデータを見ても、次のニーズは見えてこない。なぜならば、それは昨日のデータでしかないから、明日のデータは自分達で作るしかないのである。では、どうすれば明日が作れるのかと考えてみれば、それは、顧客第一主義が最も有効な思想である事が分かる。なぜならば、ユーザーを思いやる気持ちこそ、最善のニーズを探す手段なのだ。よく発明は必要の母と言われる。他人が必要としているものを探し出すのは、物を売りつけようと言う思想からは生まれない。人が必要としているものを提供しようと言う思想から生まれる。
 
そうすると社会には沢山の問題がある。それを解消する為には何が必要かと常にアンテナを張り巡らせて行けば、必ずニーズと言うものが見えてくるはずである。物を売ろうとする人はお金を見るが、ニーズを見る人は人を見る。人を見る事ができないものは、結局、沢山のものを売る事はできないのだ。NeXTSTEPは技術にこだわった結果、ユーザーニーズにフィットしていなかった。高価でソフトがなかった。
 
今、日本の携帯がガラパゴスケータイと言われているのは、世界のニーズにフィットしていないからである。独自の電波方式で互換性がなかったり、独自のシステムで機種ごとにソフトを作り替えないといけないから世界市場で売れない。電波方式は各国の実状に合わせ、システムは共通のOS、共通仕様のハードと、AppStoreのようなソフト流通網の整備が必要なのである。そうすることでニーズにフィットし、最終的にはそれがガラパゴスと言われない状況になる。ハードや画面サイズは、規格化しておくべきである。そして、その上で価格競争力をつければ、そこで初めてニーズにフィットし売れると言う事になる。
 
今の日本製品は世界市場から見れば、NeXTSTEPなんだ。高価でニーズにフィットしていない。それ故に売れない。日本にもジョブスの様な経営者がいれば、いいのだが、ジョブスタイプの人間は日本では絶対に評価されない。むしろジョブスとは逆のタイプ、凡庸で人当たりが良く、誰とでも協調できる人間が出世する。ジョブスのような人間を評価する方法は、正しい情報を正しく把握する事である。
 
日本の場合、劣悪なマスコミによって間違った情報が流れる事で間違った解釈が生じ、それ故に成長できないジレンマがある。正しい情報とは何か、それは実力を正しく伝える事と、それを公平に評価する忍耐力である。それが今の日本には足りないからこそ、ニーズにフィットしたものが作れない。つまり、売れないわけだ。だが、技術的には高いものを持っている。つまり、NeXTSTEPなわけだ。つまり、それを安くて、ニーズにフィットしたものに仕立てれば、iPhoneOSのように売れるかもよという話。
 
その為には情報メディア業界に競争原理を導入し、情報の質を向上させつつも、成果主義のようなお金を見て人を見ないような評価制度を廃止し、顧客第一主義に立ち戻り、ニーズにフィットした製品を作り出す事が日本再生のカギとなると私は考えている。成果と言うのを金銭で計るものとは別に、社会的成果、顧客のニーズに貢献した成果など、評価軸をお金以外の「人」にシフトさせる方法も考えてみたが、計測が難しい成果である上に成果主義の予測して達成度合を計るうやり方だと、予測できない新しい事は否定の対象になってしまう為、やっぱダメかもと思ったりもする。