SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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貿易立国の終焉

貿易立国の終焉?自由貿易が叫ばれているのに、何をたわけた事を…と言われるかもしれない。しかし、地球の資源量と中国インドも含めた需要はつり合わない。このことが何を意味するのかと言うと、慢性的な資源不足による資源価格高騰である。
 
日本の貿易は、資源を輸入して、それに技術という付加価値をのせて販売する。しかし、元での資源が高騰すると、利益率が下がってしまう。もっと言うと、その資源ですら、不足し始めると手に入らなくなる恐れすらある。特にレアメタルなどがそうだ。さらに言えば、高い技術の商品でなければ中国やインドの方が日本よりも安く作れる。
 
だから、日本が生き残るのに貿易立国しかないというのは、時流を客観的に見つめると、間違いである事が分かる。そういう考え方は幕末の攘夷派に通じるものがある。外国と戦う前提となる軍事力がないのに、闇雲に戦を挑んでも負ける事が明らかなのに、ただ了見の狭い精神論レベルの発想で問題を解決しようとしている。今の日本には貿易で商売をするのには不利な条件が多すぎるのだ。
 
私は、貿易立国ではなく、環境立国を提案する。龍馬が外国の軍事力を学ばせる事で、外国と日本の力を拮抗させ日本を植民地化から防いだように、時代に合った新しいコンセプトが今の日本には必要である。環境立国とは自然エネルギー、バイオテクノロジー、農業から構成される自給自足国家である。つまり、外国から輸入を必要としない社会だ。これは資源不足を省エネ、省資源、省力化により、需要そのものを減らしつつ、反面、地下資源に頼らず自然から資源を獲得する技術を育成する事。
 
既に日本は国内の鉄需要を自給できるほどの都市鉱山(毎年3400万トンのスクラップ鉄)がある。要するに鉄だけならば、日本国内の需要はまかなえる状況にある。日本の鉄鋼生産は例年1.1億トンくらいであるが、その1/3は輸出用鉄鋼材料、もう1/3は輸出製品の部品に使われている。よって、3400万トンでも、日本国内だけならば需要をまかなえる。また、今まで、再生鉄は柔らかくて、硬い鉄が必要な需要をまかなう事が出来なかったが、最近の新しい技術で車に使えるような軽量で硬い鉄も作れるようになった。つまり、日本国内の全ての需要は、既にスクラップ鉄で自給できる状況にあるのである。
 
資源
 鉄→スクラップ鉄
 プラスチック→二酸化炭素からプラスチックを作る技術
 セメント→ジオポリマー(国内資源でまかなえる)
 
エネルギー
 石油:省エネ(ペアガラス+電気自動車)+バイオディーゼル+CO2ポリマー
 ガス:大半が電力需要(LED+自然エネルギー
 石炭:鉄と電力で2分
  国内需要だけならば鉄は電気炉だけで足りるので石炭はいらない
  電力は地熱、太陽光、水力、風力、スマートグリッド、EVのバッテリー
 
食料
 小麦:飼料米による米粉
 とうもろこし:飼料米+藻
 大豆:田んぼの二毛作
 
こういった事を実現する為には、いかの政策が必要となる。

エネルギーおよび資源
 グリーンバンク(環境立国に必要な低利融資銀行)
  電力消費税(1円/kwh:9700億円)+暫定税率2兆円
   自然エネルギーや省エネ機器に無利子融資
  環境債(5年もの国債金利1%)
   省エネ家電1%ローン
   省エネカー1%ローン
  これを20年間続けると、エネルギー自給率80%程度になる計算になる。
 
食料:甘えを生まない補助金
 減反政策を廃止
 補助金:一定額とし、収穫量を上げれば利益が出る額に設定(効率の悪い農家の淘汰)
 藻の量産技術の確立(工業地帯の二酸化炭素を活用)
 
研究機関:エコポリスの創設

  • 各省庁でバラバラに配置されている同じテーマの研究予算を統合し、研究都市エコポリスを創設、バイオテクノロジー、ITなど高度な技術や研究者を世界中から集めて、先進的な研究をさせ、日本が生き残る為の科学技術を確立する。

 
労働力

  • ・週休3-4日制
    • 工業部門、流通部門、その全てに渡って省力化が進む為に、人員が大幅に余る。そこで給料据え置きで休みを増やす事で対応する。そんな事は国際競争をする上では不可能だと言いたいと思うが、その競争を自給自足体制の確立によって、必要なくできるとしたら?そう考えれば、可能となるのだ。つまり、輸出産業に依存した従来の枠の中では絶対不可能な事でも、その枠から出てしまえば可能になると言う事である。この考え方が理解できない人は減点主義が頭の中に染みついていて、オリジナルにない考え方が出来ない人だ。全く新しい視点で物事を見つめる事で可能となる事なのである。

 
そういう体制が確立するまでは、従来型の輸出産業によって日本を支えなければならないだろうと思われるかもしれないが、基本的に、これらの自給自足技術は、環境問題の対応によって世界中が必要としている技術であり、それによって、輸出産業はある程度維持できるのだ。
 
つまり、こういう事だ。環境技術をグリーンバンクなどの金融政策により発展させ、エコポリスから革新的な技術を用いたベンチャー企業を生み出し、その技術を使って世界中に商品を売ってお金を稼ぎつつも、自給技術の普及により、内需100%経済へ移行して行く事で対外依存度を下げ、国際競争をしなくても、エネルギー、資源、食料を調達で出来る体制を確立する事で、労働者の賃金を下げなくても国内の循環経済圏で経済を成立させる。その結果として、休みが多くて、豊かな社会を作る事が可能となる。ストレスの少ない社会にもなるから健康にもいいだろう。そして、他国の人々がうらやむような優雅な生活を送れるようにする。それが理想だ。そういう本当の意味で豊かな国に外国から観光客が集まる。そういう国にするべきだ。