SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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「権威主義者」の実態は「臆病者」である

私は、臆病である。どうして臆病になってしまったのかと言うと、権威主義的な家にいて、常に自分の意見が「下のものの意見」として片づけられる事が多かったからである。ガリレオに対する異端審問で説明すると分かるが、私は毎日、異端審問官の家族の中でガリレオとして育ったと言っても良い。そうなると、とても辛いのだ。些細な事で権威に逆らったと言うだけで家中から非難される。つまり、ほんの些細な事ですらも、私は家族全体から非難される事に繋がりかねない不安と隣り合わせの中で子供時代を過ごしていた。そんな家の中だから、毎日、胃痛で苦しかった。
 
つまり、こういう流れとなる。
些細な事→問題になる→家中に非難される→辛い、苦しい→胃痛(四面楚歌、孤立無援)
 
要するに些細な事ですらも、あの家に居る限りにおいて、子供の私は心配事がつきない、ある意味、他人の目をとても気にしないと、それだけで、孤立無援、四面楚歌に一気になってしまう。だから、一度でも他人に逆らったら絶望してしまって、非常にストレスを感じてしまうのである。
 
だから、ほんの些細な事でも上手くいきそうにないと、何回も努力するよりも、諦めてしまう事が多かった。ほんの些細な問題ですらも、針小棒大に解釈してしまう癖がついてしまったのである。だから、一発でやらないとダメだと、そうでないと家族全員とか全体を敵に回すような状況に陥ってしまっていた。つまり、不安すぎて努力の出来ない子供だった。結果しか見てもらえないし、交渉する権限もない状況では、段階を踏んで状況を改善すると言うイメージが掴みにくく、それに対して希望とか信念とか、そういうものが持ちようがないのである。
 
そして、この絶望感こそ、権威主義のルーツである「臆病さ」につながっているのだ。つまり、私と祖母は同種の人間なのである。祖母に恐怖を植え付けられた私は、祖母と同じように臆病者になった。ほんの些細な事でも自分の立場にとって致命傷になるイメージが、人を臆病にさせるのである。祖母と私の違いは、祖母には権力があって、私には全くないと言う、それだけの違いである。
 
つまり、臆病者に権力が加わると、権威主義者になるのである。
 
臆病者+権力=権威主義
 
私は権力を持っていなくて良かったと思うし、歴史を勉強しておいて良かったと思う。私が祖母のような権威主義者にならなかったのは、歴史を始めとする「教養」と「自分は間違っていると言う自覚」があったからだった。ただ、私自身にとって一番警戒するべき事は、自分が権力を持ったら、祖母のような権威主義者になる恐れがあると言う事。
 
僅かな事で絶望してしまう、この絶望が強力だからこそ、極端に臆病になり、逆らうものに対して容赦ない対応をしてしまう。それが権威主義者の問題点。そういう容赦のない対応で傷ついた心もまた、臆病になり結果として、同じような権威主義者が複製されて、継承されると言う負の連鎖が行われてしまうのだ。私は、この負の連鎖を断ち切る為に、以下の事を考える。僅かな事で絶望する必要はないと、昔の私の置かれていた状況は「異常」だったと考える事にした。僅かな事で絶望する必要はなく、僅かな事は僅かな事なのだ。それが世の中、そうでなければ、世の中は努力できない人間だらけになってダメになっているはず。しかし、そうでないのは、世の中が「異常」ではなく、「まとも」だからだ。
 
思えば、子供の頃のわたしの立場は権威主義と言う名の「AIDS」ウィルスに感染して抵抗力がゼロになっている状況だった。だから、小さな風邪みたいな問題であっても、抵抗力の無い私にとって致命傷となったのだ。辛かった。苦しかった。でも祖母がいない今となっては、わたしの立場にとってAIDSウィルス的なものはなくなったと言ってよく、このblogのように自由に意見が言えて、問題があれば、交渉も一発勝負ではなく、それなりに出来る状況にある。よって、些細な事は、些細な事に出来るし、極端にそういうものに脅える必要もない。そういう普通の感覚が私を「まとも」にしてくれるのだ。
 
権威主義者とは、そういった恐怖から卒業できないまま大人になった人間が年を取って権力を手にした時に、そうなってしまう状況。私は幸いな事にそういう人間にならなくて済みそうだ。まともな感覚と教養が僅かでもあって、それに真剣に向き合って考え抜いた結果であると思う。権威主義と言う名のダークサイドに落ちなくて良かったとつくづく思う。
 
現実は一発でダメと言う極端な事は少なく、何回かチャンスがある。私は、その何回かを意識できなかったから失敗していた。臆病者に権力を与えてはいけない。与えると、周りが皆不幸になる。彼らは極端な行動や判断をし、周りのあらゆるものを壊してしまう。他人を傷つけたり壊しても、己の心の中のトラウマに支配された彼らは自分を守る事に徹しているので、他人が傷ついても、それを助けようと言う事すらイメージできない。だから、そんな「人でなし」に権力を与えてはいけないし、耳を貸してはいけない。貸した分だけ、人が不幸になると考えて、無視するのが妥当である。そうすることで、権威主義は、ただの臆病者になる。
 
権威主義者-権力=臆病者