SKY NOTE

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不毛地帯を見た

木曜夜10時の「不毛地帯」は面白い。戦後の商社マンの物語なのだが、非常に今と重なる部分があり、興味深く見させてもたらった。

主人公は、壱岐 正(いき ただし)は、シベリア抑留の後、戦争中、世界中を飛び回った実績を買われて商社に入った。情報分析能力に優れており、日本軍の作戦担当部門の優秀な軍人であるという。いわゆる本物のエリートといったところだろう。学校を卒業した「知識だけのエリート」とは違い、戦争というリアルな戦いの中で叩き上げられた壱岐は、高い情報収集能力と分析力を駆使して異例の早さで出世していく、当然、それを嫉むものも多く、副社長と対立する事もしばしばというのが大体の話のフレームだ。
 
参考資料
Wikipedia:不毛地帯
個人   :不毛地帯の感想
 
現代と重なる部分は、壱岐が会社の中に情報分析課を置いた事である。これは今、国がやろうとしている国家戦略局に通じるものがある。情報分析に基づいて、国や企業の利益を追求するという形。インターネットが普及しても、やはり商社のコーディーネート力と言うのは必要なのだ。というのは、日本には投資会社という資本による商売の形では、利益に偏るばかりで、会社を売ったり買ったりと言う事が頻繁に起きて、何かをじっくり取り組むと言うような継続性がない。それは弱さになる。短期的利益の追求は、長期的な利益の追求に結びつかないのだ。それに、過去の日本はそういった長期的な戦略によって欧米の企業に勝ってきたし、今、環境問題や水問題を考えると、システムとしての提案力を持とうとすれば、単純なお金の論理ではなく、技術やシステムや資本をトータルでコーディーネート出来る商社の方が、より戦略的な提案ができると考えられるからだ。
 
つまり、投資会社(お金)よりも商社(モノ)によるビジネスモデルの構築の方がいい。そういう意味で、国家戦略局壱岐のような人材がいてくれたら...と思うし、これからの日本のために欧米の投資会社のお金だけの論理よりも、商社の人と金とモノの論理に基づいた総合的で成熟した戦略に期待したい。水や環境など、単に個々の技術が優れていても、システムとして提案できなければ大きな利益が追求できないものに対して、日本国内の技術をまとめてシステム化し、世界中に日本の技術を売り込んでガンガン儲けてもらいたいのだ。日本にはそういう事が提案できる技術があるのだから、それを世界に売らないなんてもったいない。商社はそういう事をもっといっぱいやって欲しいと壱岐を見ていてそう思った。