SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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なぜ、日本の議論は成長しないのか

正月を呑気に過ごしていると、相変わらずテレビも面白いのがなく、朝まで生テレビを見ると、3分で日本の議論の悪いところのオンパレードででてきた。あまりにも内容が酷すぎたので、すぐ消してしまった。なぜなら、あのような議論の仕方だと結論が出ない事がわかっているから。つまり、無意味だという事である。
 
1.相手の意見に対する反論に根拠がない

  • 例えば、「産業政策は日本は失敗しているから、やらない方がいい」という意見だが、一見もっともらしい意見だが、「日本がなぜ産業政策を失敗したのか」という理由が存在しない。この人が言っている事は「前に失敗したから、今度もダメだろう」程度の意見であって、それは議論ではない。単なる経験則を述べたに過ぎない。議論というのはまず、「なぜダメだったのか」という所から始まって、問題点を列挙し、その問題を「どうすればいいのか」という問いが形成されなければ、議論に結論が生じない。前にダメだったからといって門前払いしていたのでは、議論が始まる前に頓挫してしまっている。
  • 「命名:根無し議論」

 
2.一つの話に解決策を出す前に他の話にワープしてしまう。

  • 相手の意見を経験則で門前払いして、自分の意見を主張すると、門前払い合戦になって一向に議論が前進しない。つまり、相手の意見に対してきちんと吟味する前に自分の意見を主張するのは失礼な行為であり、その礼のない態度が、必要のない対立を生む。己が正しいと思うのは結構だが、大人として最低限の礼儀を弁えていないのはどうしたものかと思う。対話が水掛け論になって進展しない。
  • 「命名:成長しない議論」

 
3.実る前に枯れる議論

  • 一つの話にしっかり根を張って、そこから芽を出して枝葉をつけていけば、結果として実りのある議論となるのだが、まず最初に根元からちょんぎって、その後の枝葉もバラバラで繋がりがない。その結果、実る前に枯れる
  • 「命名:枯れ葉バラバラ議論」

 
これが大体、3分で分かる事だった。要するに議論の「ぎ」の字から出来ていないので、大人として恥ずかしいを通り越してギャグ(冗談)でやっているのかと思った。あの番組は、討論番組ではなくて、コメディ番組かもしれない。そこが売りなのだと思うが、その売りのレベルが悲しいほど低いのは、きついなと正直思った。
 
ただ、あの議論で分かる事は、日本の議論というのは、ああいう風に成長する為に必要な、経験を体系化するというプロセスがない事だ。つまり、「リンゴが落ちるのは当たり前だ」と思うのが経験則、「リンゴはなぜ落ちるのか」と考え、万有引力の法則を見いだすのは経験の体系化、つまり、理論。
 
そういうニュートンと凡人の違いは何か?それは、経験を分析し、その仕組みを見つけ、そこから、新しい発想に現実を導く事である。もし、「リンゴが落ちるのは当たり前だ」と思うだけで、それを体系化し理論化できなかったら、人類は宇宙に行くような科学力を持ちえなかっただろう。日本の議論が成長しないのは、経験則を鵜呑みにするばかりで、その経験を解析して、その仕組みを見いだし、そこから新しい視点を見いだそうという姿勢が足りない事である。経験というのは、それを丸のみしていたのでは、成長はない。必ず、なぜそうなるのかという問いがあってこそ人というのは成長するのだ。丸のみして肯定しているだけでは、成長はあり得ない。そういう成長しない人間をバカだと思う。なぜなら、進歩がないから。逆に子供は無知であってもバカではないと思う。なぜなら、子供は「なぜ?」と聞く姿勢があるから、成長因子が強力なので、子供に対して私は誠意を持って応える。
 
逆にバカだと私が思う人間は、経験を検証せず、ただ鵜呑みにするだけの人間、彼らの発想には「なぜ」がない。最初から発想が枯れているので、そこに水を与えるのは無意味だと感じる。経験というのは、それを分析する反省というプロセスを経ないと成長に繋がらない。経験を分析する姿勢のない人間は成長しない。もし、日本が成長するには何が必要かといわれたら、私は経験を分析し「反省」する事と言おう。そうであってこそ成長というのはあるのだ。