SKY NOTE

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文系識者の間違った記事

世の中で発言力のある文系識者というのは、なぜ間違ってしまうのかというと、それは彼らのミスが文字の欠点を、そのまま反映しているからだ。そういう意味でこの問題を文系識者の犯しやすいミスと定義する。
 
1.一次元発想の文系識者

  • では、文字の欠点とは何かというと、文字の構造にある。現実の物事は3次元+1次元の時間であるが、このblogの文章を見れば分かる様に、文章とは、一回に一つの事しか表現できない1次元メディアである。つまり、文字を並べて一匹の蛇を作っている様なものと言った方がいい。それに改行を入れて分割して複数の意見(蛇)を表現している。これに対し、二次元の絵の場合は、複数の事を同時に表現でき、瞬時に理解できる。この違いは、凡人と天才の違いに近いものがある。

 
2.問題の定量化をしない文系識者

  • そして、数字が苦手な文系の彼らは、問題の定量化が出来ていない、数字で定量化していないので、こう言う論理が成り立つ。
  • だが、理系の論理は違う。
  • 電気自動車は、駆動系の摩擦損失60%を、ほぼゼロに出来る為、石油から発電しても、効率は2.5倍優れている。さらにディーゼルエンジンにすれば、従来のガソリンエンジンに比べて発電効率は20%アップするため、総合効率からすると300%(250%×120%=300%)の効率ガップとなる。つまり、電気自動車は通常の自動車の1/3のエネルギー消費量で済むのである」ちなみにモーターの動力変換効率は85〜90%程度である。(この計算は清水教授が作った電気自動車をモデルにしている)

 

 

  • ここで重要なのは、文系の人の単純な数値を伴わない論理構成と、理系の数値を伴った客観的論理構成との違いに注目してほしい。数値が伴わないので、問題の定量化が十分されておらず、結果として、間違った判断になってしまっている事。文系の人は言葉の上で成立していれば、それが正しいと思ってしまうが、理系の私達は数値で定量化して比較してみるまで納得しないのだ。そして、その方が正しい。

 
3.一次元発想と数値的発想が出来ない事が閉塞的(悲観的)な発想に結びつく

  • 上記の1、2の要素を組み合わせると、非常に狭い範囲でしか考える事が出来ていない事が分かる。まず、現実は三次元なのに一次元で解釈し、定量化していないので非常に大雑把な解釈にとどまっている。つまり、文系識者の意見とは、まず、現実に対し二次元足りない上に、数字を伴わないのでディティールも荒く、おおよそ、客観的で丁寧な議論など不可能な代物なのである。彼らも数字を使うが、それが一次元的(文系的)な発想で構成されている為に、複数の要素を同時に勘案した2次元以上の発想が出来ておらず、その視点から言うと、彼らは二言めに「不可能」と言うしかない。それは現実に限界があるのではなく、彼らの発想に限界があるのである。

 
4.絵を描き、数字で考える事で全体を見渡せる。

  • 問題の規模(数字)を元にしたグラフで表現し、複数の要素を多面的に捉える為に構成要素を絵(グラフ)で表現する事により、客観的で丁寧な議論ができる様になる。故に言葉ではなく、絵で対話する事が望ましい。それは戦争映画で軍人達が地図を用いて議論するのに似ている。兵力の規模を矢印の太さで表現し、位置関係をコマで表現する。そして、それらの相関を見て、勝利が可能かどうか検討する。そういう意味で現状分析とは戦争における戦略策定によく似ているのだ。このように物事を数字で定量化した絵で表現する事で少なくとも発想が二次元になり、数値で定量化している為に現実とのギャップは立体方向1次元にとどまる。これで情報的には文系的発想の欠点の多くは補える。文系の人の発想は、一次元なので敵が一方向しかやってこなかったり、対策も一方向になってしまうが、二次元以上の発想であれば複数の要素を組み合わせる事で可能だと言う計算もしやすくなる。日本人が戦略が出来ないという話もこういう一次元的な発想から来ているのかもしれない。

 

  • エコグラフ1.5(日本全体のCO2の排出量とその対策をグラフにしたもの)

(↑クリックすると拡大)
 

  • 日本の2030年の電力需要と発電構成(クリックすると拡大)

 
5.では、実際にどのような過ちを犯しているのか?
 1.「高速道路無料化で1000万トン二酸化炭素が増える」

    • 実際には増えない、車の二酸化炭素排出量は2.38億トン(2004年)、高速道路が道路全体に占める割合と、将来の燃費効率の向上(燃費1/3)を計算に入れると、影響はあっても、車の飛躍的な燃費向上によって、相殺されるし、IT(ChromeOSなど)などの技術革新が車の利用率を下げる。実際に移動するのではなく、情報がリッチになる事で移動しなくても済む世の中になりつつある。実際、インターネットの普及で道路の利用率が下がっているのは統計的にも明らかであるし、車を買わない人が増えている事からも、それは理解できる。こういう複数の要素を見る事なく、単に料金が下がったから車の利用が増えて二酸化炭素が増えるなどという意見は一次元的で短絡的である。また、料金収入のみが高速道路の収入源かというと、それも違う。パーキングエリアにショッピングモールを繋げる事で、高収益が出せている所もある。もし無料化すれば、そういったショッピングモールの商圏が広がると考えられるので、一概に無料化=減収という事にもならない。むしろ、シリーズハイブリッド車の様な低燃費の車で移動する限りにおいて、二酸化炭素は現状よりも遥かに少なく、都市を出れば高速が無料なので、遠くまでいける。車が好きな人にとっては天国である。しかし、同時に車の総量が増えるかというと、実際には増えない。

 

  • 人口減少やIT化で車の利用そのものが少なくなる。
  • 人口減少とIT化が、車は減る事はあっても増える事はない。つまり、道路全体に占める高速道路の比率、燃費の向上、人口減少、IT化など、複数の要素を勘案すれば、二酸化炭素が増える事はない。

 

  • 無料化による収益源
  • 無料化によって使われていない地方の高速道路が使われてパーキングエリアのショッピングモールなど別の収益源が発生する。大体、最も収益のいい都市部は無料化されないのだから、それほど酷い減収にはならないだろう。地方の収益構造が料金収入から、パーキングエリアなどで商売をするという形に転換されるだけだ。しかも、都市を抜ければ走り放題なので、車で観光するのにはもってこいだろう。それを低燃費車で走れば、地球に負担をかける事もなく、自由に走れる。

 

  • 文系識者というのは、発想が一次元であるが故に、そういう複数の要素を勘案する事はないし、最新技術にも疎いし、数字で物事を見ていないので、その数字がどういう意味であるかもよくわかっていない。だから、間違える。新しい技術がどういうものかという評価も、個々の数字の意味が理解できていないと分からない。

 

  • よって、統計が関わったり、科学的な要素が絡む温暖化の議論などは文系識者では勤まらない。理系の人間にやらせるべできである。もっと言えば、大規模な分析はコンピューターシミュレーションで行うべきで人間でやるべき事ではない。そういう所に日本はお金をかける事が、結果的には安上がりになるという事が分かれば、この国をもっと良い経営状態に出来るだろう。従来は、そういう事をやろうとしても既得権益が邪魔して出来なかったろうが、政権交代をして既得権を否定すれば、そういう事が可能となるだろう。