SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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車が売れない理由→アメリカ型経営のせい

車が「売れない」のではない、「買えない」のだ。買えない上に「必要ない」が加わって、売り上げが落ちている。
 
自動車各社は、「国際競争」と称してコストダウン競争をし続けた。目先のコストダウンの為に労働者を非正規雇用などで搾取し続けた。そうやってコストダウンし、ひねり出した利益を株主にばかり還元して従業員に還元しなかった。従業員に給料として渡れば、その一部が車の売り上げになって返ってきたものを株主に還元してしまった。株主は何万株持っていても、せいぜい高級車数台程度が関の山、かくしてお金の流れが滞り、結果として大幅な売り上げのダウンに見舞われた。
 
安定した雇用があってこそ、家や車が買えて、結婚が出来る。しかし、国際競争とやらを一生懸命した結果、不況を自ら呼び込み、破滅していくのは、国際競争とは何だったのか?と考えてしまう。
 
競争するのは良かった。だが、お金が循環する為には、偏りを生んではいけないのだ。需要と供給が均衡してこそ、お金が回る。だが、株主にばかり利益を還元した為、労働者のサイフが細り、消費全体が細ってしまった。細った上に安易な首切りをして、さらに細ったサイフをさらに細らせる結果を招いた。
 
低賃金、安定しない雇用、これで高いものが買えますか?買えない。だから、結婚できない→少子化、車が買えない→車が売れない、家が買えない→家が売れない。では、低賃金で不安定な雇用によって手に入れた利益はどうしましたか?株主に還元しちゃった。つまり、誰も幸せにならない。結婚できない、車も家もない。
 
さて、それを産み出したアメリカ型経営とは何だったのか?貧乏神そのもの。でも、その貧乏神をありがたがって崇拝しているのはマゾとしか言いようがない。不幸の原因は、アメリカ型経営の非対称性にある。株主という少数の市民にばかり還元する様なアメリカ型経営では、需要と供給に対称性がない。
 
労働者の賃金を低くすればするほど、利益は出る。だが、これはジリ貧経済なのだ。なぜなら、市場に出れば、その労働者こそ消費者なのだから、消費者のサイフを細らせれば、その結果として売り上げに響いてくる。お金が資本家に偏る事で、市場のお金は資本家に吸い上げられ、実際の市場(実体経済)に流れるお金はどんどん細っていく、その細ったサイフのパイの奪い合いをして、さらにコストダウン競争を繰り広げ、さらに賃金カット、それで得た利益は株主へ還元ということを繰り返す。
 
市場は生き血を吸われる様にどんどんやせ細る。実体経済という人々が直接使うお金がどんどん細る事により、家も車も買えない、結婚も出来ない。では、そんなことをして得るものは何?株主の利益。では何の為に人々は働いているのか?株主の為?
 
人を幸せにしない経済は、どんな理屈をこねてもクソでしかない。私はそう思うのだ。GDPという額に惑わされてはいけない。そのGDPが人々に適切に配分されていなければ市場として成立しないのだ。極端なことを言えば、500兆円を一人の人が持っていて、他の1.277億人-1人の所得がゼロでも、成長率は数%上昇という亊になる。現在の問題は、差別的とも言える雇用制度を作り上げた結果、所得の不均衡を産み出し、それが市場を細らせたと言える。過去の日本は平等すぎたかもしれないが、公平にしようとしてやりすぎて差別になってしまったのが今の日本の様に思えてならない。大多数の貧民によって支えられる経済は、大昔にあった。それはローマの奴隷制度だ。アメリカ型経営は、ローマの奴隷制度の現代版だ。
 
最大多数の幸福を追求するには、非正規雇用などによる所得の不均衡を是正し、株主への利益還元を減らし、ワークシェアリングで雇用を安定化させる。そうやって市場にまんべんなくお金を配分すれば、消費市場に多様性を生み、それがモノやサービスが売れる事に繋がり、皆を豊かにする。それが結果として人々の幸福に繋がると考える。そして、省エネ、省資源、バイオ資源の生産、及び、自然エネルギーを推進する事によって生まれる自給自足経済が、その裏付けとなる。これを20年かけてやれば、そういう経済ができる。思えば、日本がアメリカ型経営を採用し始めたのは、バブル崩壊後だった。だから、今から丁度、20年前なのだ。
 
今度の20年は、皆が幸せになれる様にアメリカ型経営という貧乏神を追い払うべきだ。負の20年から正の20年に切り替えるべきだ。
 
人々を細胞だとすれば、その細胞にまんべんなく血が通ってこそ、社会という体は健康であり続ける。しかし、その血が特定の部位にしか到達せず、機能不全をおこしているのが今の状態。それを産み出したのは、心臓に負担をかけるレバレッジや、血液の循環を停滞させるアメリカの株主偏重型の経済によるものだ。
 
アメリカ型経営は糖尿病に等しい。あんなものはクソだ。レバレッジは高血圧だ。アメリカ型経営とレバレッジが組み合わさると、糖尿病と高血圧という最悪のタッグが生まれる。