0.超解像技術とUnwrap Mosaicsと3次元ホログラフィでハイビジョン立体映像が作れるかもしれない
1.超解像度は面白い
「超解像」がテレビを変える(上)東芝とNECの進化した技術
NECの超解像度は拡大したときに生じる輪郭のぼやけを、輪郭部分の混合色の分離という手法を使って、改善している。実際のサンプルを見ると、非常にそれが上手くいっていることが分かる。イメージとしては、文字のスムージング(アンチエイリアス)と逆の処理と言えるだろう。
「超解像」がテレビを変える(上)東芝とNECの進化した技術
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITxw000018082008&cp=1
NECの超解像の説明
http://www.necel.com/cbic/ja/core/superresolution.html
高解像度サンプル(解像度が低いと威力がよくわからない)
http://www.necel.com/cbic/ja/images/super-resolution.pdf
2.動画から特徴点の位置情報を抽出し、それを元に動画を編集する技術
動画を思いのままに変更できる編集技術『Unwrap Mosaics』
http://wiredvision.jp/news/200808/2008081920.html
Microsoft Researchとワイツマン科学研究所が発表した技術は、動画の特徴点から位置情報を抽出、それに基づいて編集すると、まるで3Dグラフィックスにテクスチャーをはったかのように、動いている映像に連動した編集が出来る。例えば、動画の子供の顔にペイントしたとき、つぎのフレームでは子供が動くことによって顔のペイントはずれてしまう。しかし、輪郭の位置情報を持っているために、それにペイントの映像を連動させることで、まるで子供の肌そのものにペイントをしたかのように、ペイントした図形が立体的に変形し、子供の動きに自然に追従できている。この技術の凄いところは、2Dの動画をまるで立体物のように扱えることだ。
Unwrap Mosaics説明ビデオ
http://jp.youtube.com/watch?v=mNLx9pclMKU&eurl=http://wiredvision.jp/news/200808/2008081920.html
顔にペイントした子供が横顔を見せたとき、ペイントされた画像も角度を変えないといけないが、それがかなり自然にできていることが凄い。イメージとしては、QuickTimeVRのオブジェクトモードであるが、それを、動画のフレームの抽出だけで、これだけの精度で実現できているのであれば、あらゆる2D映像ソフトが3D化できる可能性がある。つまりこの技術によって複数の角度から見た映像を精製できるのであれば、視差も表現できると考えるべきであり、それによって、3DTVを作れば、既存の多くの2Dソフトが立体的な映像になるはずである。
3.3次元ホログラフィを使った裸眼立体テレビ(SeeReal社)
従来の裸眼立体テレビは、解像度が落ちたり、モアレが生じたり、メガネが必要だったりと画質と使い勝手が悪かった。しかし、SeeReal社のものは、それらの欠点をほぼ克服している点が注目に値する。実際に私はサンプルを見たがフルカラーできちんと膨らんでいた。(今までに見たどの裸眼立体よりも画質がよく、よく膨らんでいた)欠点は顔を速く動かすとちらつく事だが、ある程度は改善できるという話だ。
リアルタイムホログラフィを使った20型3Dディスプレイ、SeeReal社が試作機を公開
http://www.ednjapan.com/issue/2007/12/u3eqp3000001ewwk.html
最初に超解像度を紹介したことからも分かるとおり、超解像度とこの映像処理技術を組み合わせれば、既存のDVDの映像をハイビジョン画質で立体化できる可能性があるということだ。さらにSeeReal社の裸眼立体ディスプレイを使えば、裸眼で立体化できるということになる。
そうすれば、既にあるDVDソフトが3Dハイビジョン画質になり、新次元の映像体験になるはずだ。映画のキャラクターが、まるでそこに存在するかのような錯覚が生まれるかも知れない。