SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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加藤容疑者について

社会が不安定になると、大抵こういう事件は起きる。つまり、社会の不安定化が主因であると考えるのが妥当だ。

自分も、社会に対して不公平感や不満を感じた事がある。そして、ふと、加藤容疑者の様な発想になった事がある。そして、考えた事は加藤容疑者よりも殺傷能力の高い方法だ。(危険すぎるのでここでは書かないが)だが、次の瞬間、それはバカバカしい、無意味だと考えた事を覚えている。

なぜ、バカバカしいのか?それは、苦しめられている自分が他人を苦しめたら、結局、自分を苦しめている社会と自分が同じになるだけで、何の意味もない。つまり、対称性のある発想が出来れば、こういう事は無意味だと判断され、行動に移される事はない。目的に対して、行動が不適だからだ。西へ行く為に南に行く事は、馬鹿げていると思うだろう。それと同じだ。

テロリストもまた同じだ。社会に不平、不満があるからといって、何の罪もない人間を殺したら、結局、他人を苦しめている社会と自分が同じになるだけだ。要するに加藤容疑者の発想はプチテロリストと言うべきもので、恐怖によって人の考えを変えさせようとしている。

だが、そういう事で伝えるメッセージも人の噂も75日でいずれ廃れる。なぜなら、メッセージに正当性がないから。人は正当だと思った事を信じる。それが真に正当であれば長続きするが、不当であるものは、長続きしない。

例えば、アメリカ大統領が証拠もきちんとないのにイラク戦争をした。会戦当時は支持率90%という異常な数値をたたき出した。だが、今では支持率は低迷、レームダックと化している。つまり、正当でないメッセージであっても、場合によっては瞬間最大風速的に社会を駆け抜けるけれども、その寿命は社会を変えるほどではない。むしろ、後で否定される。

不平不満があるのならば、選挙でそれを行なうべきだ。それが正しい方法であり、社会を変える正当な方法である。

これが合理面から加藤容疑者を否定した結果である。

さて、こういう合理的な発想が出来なくなるほど絶望したから暴走したと考えられなくもないので、絶望する状態を考慮してみる。

1.将来に絶望した(政治の失敗)
もし、派遣労働であっても正当な対価を得ていれば、将来に絶望するほどの事もなく、秋葉原で趣味の製品を買っていたのかもしれない。欧米でも派遣労働が存在するが、同じ仕事に対する給料は同じである。日本の様に半額という事はないという話だ。日本の不公平な雇用形態が、この問題を引き起こす一つの要因と考えられなくもない。不公平な給与形態の是正が求められる。

2.孤独(推測:家庭教育の失敗ではないか?)
インターネットがあっても、社交性のない人間は孤独である。もっと言えば、インターネットは発言型のメディアであり、発言しないものには対話は存在しない。私が推測するに、加藤容疑者の親は厳しかったという。子供の頃から発言権を封じていたのではないかと考える。つまり、言葉よりも行動に出てしまったのは、言葉を奪って心を封じた結果ではないかと、そして、心の中に圧力がたまって爆発するのが、彼のキレる状態を産み出していたのではないかと私は推測する。私の場合は祖母に発言権を封じられていても、義理の父は、その反対だった為、バランスがとれた。

3.教養の欠如(教育の不備)
相手と自分との関係に対称性があれば、今回の様な犯罪にはなりにくい。歴史を知っていれば、無意味だと分かる筈である。そういう意味で、年号を覚えさせる様な歴史教育ではなく、なぜ、そういう結果となってしまったのか?という歴史の中身(本質)を教える教育が必要だと思う。(私は歴史の先生には恵まれたのでそう思う)

4.命の軽視(社会全体の失敗)
私は古い家に生まれたので、命の解釈は別格の扱いになっている。それは命の大切さを伝えようと言う程度のものではなくて、命に対する態度が違う。つまり、命に関する事は通常と違うモード(特権モード)で考える。別格なのである。私は命の大切さを口で伝えようと言っている段階では生易しいと思っている。それは親や周囲の命に対する態度や姿勢によって定まって来るものであり、メディアの影響など微々たるものだ。むしろ、メディアをスケープゴートにして他者に責任転嫁をするような、発想が軽い親の子供の方が危険だと感じる。私が最近の事件を見ていて違和感を感じるのは、命に関する事が別モードにならないという点である。これはおかしいと思ったので付け加える。(命は他のものと違って、一度失ったら取り返しがつかない。だから別モードなのだ)

1〜4が多層的な壁となって、大抵こういう犯罪は防がれている。しかし、加藤容疑者の場合、それらが全て壊れたと私は推測する。逆に、この壁がしっかりできていれば、こういう犯罪は未然に防止する事ができると考える。

やるべき事
 1.政府は雇用形態にかかわらず、正当な対価を支払う事を労働基準法で定める。
 2.子供の発言権を抑止する様な家庭教育をしない(あくまでも推測)
  キレにくい人間とは対話で物事が解決できる人間の事
 3.歴史の本質を伝える教育カリキュラム(哲学の授業が必要かも)
 4.命を別格で扱う社会を復権させる(死を直視する社会)
  表現規制を撤廃(吐き気がするほど酷い映像を見せる事で抑止)
  これは、交通事故を起こした人に無修正の交通事故死者の映像を見せたら、
  抑止効果が高かったという事例に基づく。

やるべきではない事(やっても無意味)
 1.メディア規制(メディアをスケープゴートにして責任転嫁をしてしまう)
 2.銃刀法の強化(無意味;殺傷能力のあるものは他にも沢山あるから)
 3.インタ−ネットの規制(世界中に情報が分散しており規制する事自体無意味)

一番大事なのは教育と公平な社会である。情報やモノをスケープゴートにするべきではない。問題は「人」なのだ。