SKY NOTE

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実務家と戦略家が対立する理由

実務をこなす為には、徹底的に「今」にこだわらなければいけないが、戦略を実行する為には、徹底的に「長期的視点」に立って行動しなければならない。

1.実務家の「今」と戦略家の「長期的視点」が対立する。

実務をこなす為には、現場が重要だが、戦略を実行するためには全体を包括的に見ないといけない。

2.現場(ミクロ)と全体(マクロ)の対立

基本的には相互の補完関係が決まればベストなのだが、実際には実務家は実務家の論理で戦略家を裁くし、その逆も真なりで、お互い相容れない、水と油の様な関係である。

であっても、お互いのテリトリーに踏み込まなければ、連携できるのだ。要するに戦略家は現場にあまり口出しをしない、戦術家(実務家)は全体にあまり口出しをしない。

こういう衝突を避ける為に、兵法では、君主が一度軍を将に任せたならば、その戦争方法に口出しをしてはならない。「将、軍ニアリテハ、君命も受ケザルトコロアリ」とある。これは、戦術と戦略の衝突を避ける為の論理であると思われる。

実務家集団だけになれば、結果は出るけど、長期的展望に欠けるので、成長はない。つまり、今の日本の様な状況になる。ある意味、短期的な結果を重視するアメリカ型経営モデルだけを採用し、自由な投資環境を整えられなかった結果であると見ている。

つまり、アメリカでは成長は投資によって、実務は厳密な経営モデルによって実践している。この相互補完関係により成り立っている様に思える。アメリカ型経営モデルは、実務家を尊重する仕組みと言ってよい。今ある指標に基づいて厳密に評価する仕組みは、実務家には最適だが、戦略家は排斥される傾向にあると思う。特に失敗を恐れる日本の風土ではその傾向が顕著であろう。

このように日本人の気質とアメリカ型経営モデルが融合すると、極めて硬直化した組織が出来上がる。実務一辺倒の組織が出来上がるのだ。そういうものは面白くもなんてもないので、市場が成長しなくなる。組織に遊びがなくなる。それが問題なのだ。その点、Googleなどは、その「遊び」の部分を制度として設けており、成長戦略と実務が巧く融合していると思う。

日本の組織は、特に情報関連ではGoogleの様な仕組みを設けるといいと思う。

昔は、管理がいい加減だったので、「遊び」の部分が沢山あったらしく、植木等さんの無責任男シリーズに出てくる。スチャラカ社員の様な人間も生きられた。ある意味、いい加減さが度量になっていた時代があった。

それがある意味、多様な人材を抱え込みながら、成長できた理由だったと思う。しかし、経営環境が厳しくなり、経営に余裕がなくなってくると、管理が厳しくなって、アメリカ型経営モデルを採用し始めた途端、日本製品に面白味がなくなり始めた。特にソニーの製品がそうなり始めた。

今は、Googleの様に「度量」を人工的に作らなければいけない世の中になったようである。何とも窮屈な世の中になったものだ。