SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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正しさと権力

正しいと思った事を大規模に実現する為には、大抵の場合、金と権力が必要だ。つまり、正しい事をする為には、それ以外のものを必要とする。これは誰もが分かっている事だが、この三つをそろえる事は難しい。
  
正しさ:客観性と視野の広さが必要
権力 :分かりやすさが権力になる
金  :欲望(ニーズ)が金になる。
  
つまり、正しさを実現する為には、分かりやすく、かつ、欲望を刺激するものもセットで必要なのだ。人々の欲望を満たしてお金を集め、分かりやすい説明で理解を求めて権力を手にし、客観的かつ広い視野で正しさを見いだし、それを集めた金と権力を用いて実践すること。これが現実的に正しい事をするプロセスである。
  
どれか一つを実現する事が出来ても、三つ同時にそろえるのは難しい事が分かるだろう。一番簡単だと思えるのは、正しさである。これはインテリジェンスがあれば十分だ。何が正しいかは、大抵誰でも分かる。よく、正しい事はその人次第で変わるというが、それは個人的な正しさについてである。なぜなら、世の中には共通する価値観がある。誰もが生きたいと思っている。死ぬのは怖いと思っている。一部の人は死ぬのを恐れないかもしれないが99%以上の人間がそう思っている事は明らかだ。つまり、人が生存する基準を定める事は誰もが異論がない。だが、大抵は、それを実現するお金と権力の分配がうまくいかず争いになる事が多い。それは価値観の争いではなく、利害の争いである。
  
利害の対立を調停するのに金とか権力が必要なのだ。権力は皆が納得できる理屈をひねり出す機転とも言うべき賢さ、これは非常に高度な知性が求められる。また、金も大抵は足りない事が多い。足りない金をどうやって工面するかという財政的な構想力など、単に正しい事を見いだす以上の知性が求められる。そういう事が出来てこそ、ようやく正しい事が実践できる。
  
よく恵まれて過ぎていて、自分に都合のいい状況しか知らない人は、ある意味、安易な正しさに固執する。しかし、その正しさの実践には金と権力が必要なのである。しかし同時に金と権力を手に入れる為に過ちを犯す人間を見ると、元々、そういう人間は、金と権力を手に入れる力量が足りないから不正に手を出すのである。正しい方法で金と権力を手に入れようと思ったら、人を納得させる機転の鋭さと、財政的な裏付けを満たす構想力を持ち合わせていなければいけない。
  
よく政治は汚くならないと上にあがれないと思っている人がいると思うが、それは間違いである。正しい方法で上にあがるのが困難という事であって、その力量に足らない者が汚くないとうまくいかないだけである。特に今の世の中は民主主義である為、人に理解されれば、十分、権力を手に入れられる。(タレント議員が当選する事から見てもそれは自明であろう)理解を求める為のインフラも充実している。
  
タレント議員の多くが、権力を手に入れる事は出来ても、それを継続する金を調達できなかったり、正しさを見いだす眼力がない為に失敗を繰り返し失脚するのを見ると、汚くなくても権力は手に入れられるが、それを継続する知性と金をひねり出せなければ、長続きしない事が分かる。
  
企業家が政治家になるといいのは、金と正しさを両方持っている事である。一番いいタッグは、タレント議員と企業家議員かもしれない。企業家出身の議員が現実的かつ正しい政策を立案し、タレント議員がスピーカーとなり、世の中に訴えていく事である。相互補完関係がうまくいけば、理屈の上では最強タッグと言えるが、性格の全く違う両者を結びつけるのは難しそうである。