SKY NOTE

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カーボンナノチューブで1nmの半導体、ムーアの法則延長か

従来、半導体の微細化は、5nmが限界とされていたがカーボンナノチューブを使う事で1nmまで可能になるという研究成果をローレンスバークレー国立研究所が発表した。同研究所のAli Javey教授は「カーボンナノチューブのゲートを採用したことで、その限界を打ち破ることに成功した」と述べた。

カーボンナノチューブはゲートに使われている。チャンネルは二硫化モリブデンを使っていると言う。二硫化モリブデンを使っているのは、ナノチューブが1つの場合、シリコンチャネルと連携できるだけの十分な強度を持つ電界を作り出すことが出来ない為との事。加えて、誘電率の低いゲート絶縁膜として、二酸化ジルコニウムを0.65nmで被膜する必要があったという。しかし、既存のシリコントランジスタに匹敵する性能を得る為には、さらに最適化が必要との事。

 

従来5nmまでと言われていた半導体の微細化がカーボンナノチューブを使う事で1nmまで可能になりそうだと言うニュースは、ムーアの法則が、あともう少し続く事を意味する。それは、どのようなものか少し考えてみる。

 

DRAMについて考えてみると現在18nmと8Gbitチップが製造されているので、これが1nmとなると、8Gbit×18×18=2592Gbitチップが出来ると言う事である。1チップで324GB記録できるチップが出来る。これを8個繋げれば2.5TBと現在のハードディスク並のメモリになる。

 

プロセッサについて考えてみると。2016年6月13日にVLSIシンポジウムで1000コアのプロセッサが発表されている。

このプロセッサは32nmプロセスで作られているので、これが1nmになると、どうなるかと言うと…

 

 1000個×32×32=約100万個 メガコアプロセッサが出来る。

 

100万個のプロセッサを動かすには、さぞかし、高速なメモリが必要になると考えられるが、従来の1000倍高速に書き換えできるメモリ研究が発表されている。

テラヘルツ波を使えば、磁化によって電源がなくとも情報を保持できる高速なメモリー(おそらくスピントロニクスモリー素子)の動作を、電磁波を使った場合の約1000倍にまで高速化できるとのこと、しかし、まだ実際のメモリは試作されていないが、テラヘルツ波を使えば、それが出来そうだと言う事が確認されたと言う研究成果

 

総合的に見て、将来のコンピューターは100万個のコア、2.5TBのメモリ、1PB(現在の最速のメモリバスであるHBM2 1TB/sの1000倍)の転送速度をもつメモリバス。ほとんどスーパーコンピューターのようなPCが出来るのだ。研究段階なので実用化には10年以上先になるだろうが、3年ごとに4倍になるのならば、ムーアの法則は、あと12年は続く事になる。そして、その12年後のPCのスペックは、AIによって人間の言葉を理解し、働く事が出来るかなり高性能なものになっているだろう。恐らく、人間の仕事の大半は出来るだろう。それが最短で12年後に到来する可能性があるというのが、今回の研究成果である。もっと先かもしれないが、20年以内には確実にそうなるだろう。

 

恐らく、アトムのような人語を解するアンドロイドに20年以内に出会う事が出来るだろう。スーパーコンピュータークラスでは、ソフトウェア技術次第だが20年以内に、コンピューターは人間を越えるだろう。アンドロイドを量産すれば、労働の大半は機械がやってくれる社会となる。今回のニュースは、たった一世代でそれだけの変化が訪れてしまうほどのコンピューターが出来ると言うニュースなのだ。

 

自分が個人的に予測したロードマップ 集積度が4倍になるのに4年かかるとして

 2016年 14nm DRAM:16Gbit

 2020年 7nm DRAM:64Gbit

 2024年 5nm 現行技術が限界を迎える。DRAM:128Gbit

 <CNT世代>

 2026年 3.5nm CNT世代へ移行 DRAM:256Gbit

 2028年 2.5nm DRAM:512Gbit

 2030年 1.75nm DRAM:1Tbit

 2032年 1.25nm CNTの限界を迎える。 DRAM:2Tbit